[CML 020818] 佐高信氏の孫崎享『戦後史の正体』評と福島瑞穂氏(社民党委員長)及び社民党の右傾化・右転落を端的に示す同著評

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2012年 11月 4日 (日) 19:15:45 JST


有名人、あるいは著名人がなにかを発言したからと言ってその発言が特段に優れているということにもちろんなるわけではあり
ませんが、有名相当のインパクトはあるでしょう。そういう意味でお伝えしておきたいのですが、佐高信氏が『サンデー毎日』(20
12年11月11日号)の「佐高信の政経外科」(連載665)に孫崎享氏の『戦後史の正体』を批判する文章を書いています。
http://sunday.mainichi.co.jp/

そして、この佐高氏の発言内容は妥当だと思いますし、私はこの佐高氏の孫崎享『戦後史の正体』評価を支持します(最近の
佐高氏の論調には支持できないところが多いのですが)。

佐高氏の孫崎享『戦後史の正体』評は以下のようなものです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ベストセラー『戦後史の正体』に載る歴代首相の「色分け」に抱いた違和感

遅まきながら、ベストセラーの孫崎享著『戦後史の正体』(創元社)を読み、その評価の軸にのけぞるような違和感を持った。
これは、外務省の国際情報局長だった孫崎が「米国からの圧力」をポイントに戦後史を読み解いたものである。

その最大のタブーに挑戦したかどうかで日本の戦後の首相を「自主派」と「対米追従派」に分け、前者に石橋湛山、岸信介、
鳩山一郎、佐藤栄作、田中角栄、福田赳夫、宮沢喜一らを挙げ、後者に吉田茂、池田勇人、三木武夫、中曽根康弘、小泉純
一郎らを挙げている。

特におかしいと思うのは、岸、佐藤、福田が「自主派」で、三木が「対米追従派」であることである。

孫崎によれば、岸は「従属職の強い旧安保条約を改定。さらに米軍基地の治外法権を認めた行政協定の見直しを行おうと
試み」た点が評価され、佐藤は「ベトナム戦争で沖縄の米軍基地の価値が高まる中、沖縄返還を実現」したとして、こちらに入
れられている。さらに福田も「ASEAN外交を批准するなど、米国一辺倒っでない外交を展開」したのだという。多分、孫崎から
見れば、佐藤のノーベル平和賞受賞もメデタシメデタシなのだろう。

しかし、日本国憲法を護(まも)ろうとするかどうかというモノサシを当てればどうなるか?

岸、佐藤、福田はいずれも改憲派であり、逆に「対米追従派」に入れられている三木が護憲派である。

改憲派は現憲法をアメリカから押し付けられたと主張するから、それに抵抗して変えようとする岸たちは“自主派”となるのかも
しれない。

けれどもアメリカはいまは日本に集団的自衛権も認めて改憲せよと迫っているのだから、護憲派の方が「自主派」となる。つま
りは三木が自主派で、岸、佐藤、福田が対米追従派なのである。現首相の野田佳彦も追従派であることは言うまでもない。

(中略)

『操守(そうしゅ)ある保守政治家三木武夫』(たちばな出版)の著者、國弘正雄が指摘する如く、「日中国交正常化の井戸を掘
ったのは田中角栄ではなく三木武夫」だった。三木が井戸を掘り、田中が最初の水を飲んだのである。中国との関係を重視する
三木や田中が護憲派で、むしろ敵対した岸、佐藤、福田が改憲派というのも偶然ではない。私から見ると、孫崎の見取り図はい
ささかならず有害である。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20121030

対して、社民党委員長の福島瑞穂氏は孫崎享『戦後史の正体』評を次のように述べています(2012年10月8日)。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
@magosaki_ukeru 戦後史の正体」は、本当に面白く、有益でした。いろんな資料や歴代首相の見方など参考になりました。私は
辺野古沖に基地を作ることに反対し、大臣を罷免になったので、外務省、防衛省などの役所を変えることができず、悔しかった
です。これからもがんばります!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
https://twitter.com/mizuhofukushima/status/255302382550937600

すでにご紹介していることですが、社民党委員長の福島瑞穂氏が「本当に面白く、有益でした」という『戦後史の正体』には「日本
国憲法は、米国が作成した草案を日本語に訳し、少し修正を加えた」(
http://bit.ly/MRBaOo p80)だけのものにすぎないという
「押しつけ憲法論」が展開されています。「押しつけ憲法論」のゆきつくところは自主憲法制定論(前憲法破棄)あるいは復古的改
憲論であることはいうまでもありません(wiki『自主憲法論』)。福島氏はいつから「改憲派」に鞍替えしたのでしょう? 彼女の言う
「憲法改正や新自由主義的な傾向が拍手を浴びている状況に危機感を持っている」(中国新聞 2012年9月2日 http://p.tl/cGOf )
という言質と「(『戦後史の正体』は)本当に面白く、有益でした」という言質の間にはどのような整合性があるというのでしょう? 社
民党及び福島瑞穂氏は右傾化の坂を急速度に転がり落ちていると評価するほかありません。「もはや社民党は歴史的使命を終
えた。社民党を解散して新しい社民主義政党を結成する必要があるのではないか」(『kojitakenの日記』「やはり! 小沢新党「国
民の生活が第一」は集団的自衛権の行使に賛成」 2012年9月16日
http://p.tl/-leM )という声が出るのも当然のことと言わなけ
ればならないでしょう。


東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/ 



CML メーリングリストの案内