[CML 017087] 2冊の本の感想

tsuge youzo ena234 at kcd.biglobe.ne.jp
2012年 5月 16日 (水) 14:21:01 JST


CML各位

柘植洋三です。
私が活動をしていた40年ほど前の同僚が、2冊の本の感想を送ってくれました。
かなり辛口の人間で、他人に本を薦めるなどということのない人なのですが、この度は13人の人達にこの感想を送って奨めてくれています。
ご本人が,多くの方に感想を読んで頂く事を希望しておられますので、ご紹介致します。 



柘植洋三様
「アダージョの文化」「我等ともに受けて立たん」(柘植書房新社)を丸善御茶ノ水店で注文購入し読了しました。
「アダージョの文化」では、左翼運動の文章のときの柘植さんの文章がやや美文調になりがちな特性をもっていることが嘘のような文体で驚きました。
静かで穏やかで、どこかで小学校か中学校の校長を勤めた人が定年退職後10年位して書き溜めたものをまとめてみた…そんな感じの文章でした。
これが柘植さんの素顔か、と思いながらのんびりと読み終えました。

冒頭の母上の遺稿が、洋三の幼いときのことを書くつもりが戦中戦後のつらい生活を思い出して止まらなくなるあたり、なんだか語りやまなくなる柘植さんと重ねて思われて、
お会いしたことも無い人の文章なのに引き込まれました。思わずもらい泣きしてしまうような文章ですね。
柘植さんの文章では正月の凧揚げが特に良くて、孫がいるということは羨ましいことだなあと思いました。
木野主計さんの寄稿が、文中の銀杏にかぶれた話しと呼応して一冊の本としてのまとまりがみごとだと感じました。

唯一違和感があったのは、柘植さんがまえがきで自分の文章のことを「インテリジェンスのかけらもない」といっていることで、これは日本人特有の謙遜としてもあまりにも当を
失した表現です。嫌味にもとられかねません。

知的で、ほど良いユーモアがあり、柘植さんがいかに過激派向きの人ではなかったかをあらためて思わされるような、また逆に、こういう人があの当時の過激派にはたくさん
いたんだなと思い起こさせられるような本でした。

「我等ともに受けて立たん」は、あのカンパ運動からもう7年も過ぎたのかと感慨深いものがありました。文章はすべてあの当時リアルタイムでネットで読んでいるわけですが、
初めて読むような感覚で感動しました。
すごい闘いであり、柘植さん以外の誰も思いつかず、柘植さん以外の誰もフィニッシュまでやり遂げることはできなかった。まして和多田さんから「余計なことをするな」とまで
言われてのことであれば、なおさらです。

いまさらいうまでもないことではありますが、柘植さんこそ第4インターが生んだ「陽の大衆運動家」の最高峰であったと思います。鬱病の10年を経てもなおそうであった、
ということが驚きです。
三多摩での中路さんを囲んでの集約集会に同席して下さったことが懐かしく思い出されます。

柘植さんの考えるこということやることは、いつも「大衆への信頼、人々への信頼」に貫かれていて、それが時には「党建設がすべて」の人々に軽んじられたり疎んじられたり
した場面もあったように記憶しています。

その柘植さんが、第3部の「岩沢のじいさんを悼む」で「俺はね、じいさん、ほんとうのところあまり長生きしたくないんだ」と語るくだりには息をのみました。2002年5月の弔辞
ですから、カンパ運動の2年前ですね。
「そんなに遠くない時にじいさんのいる黄泉の国に行くよ」と言う言葉は、ほとんどその通りになっていた可能性があったなと思わせる暗い響きがあり恐ろしい。
あのカンパ運動は三里塚を闘った人々の自尊を呼び起こしただけでなく、柘植さんの生命も呼び起こしたんだなと思わされました。

高野さんの寄稿もいいですね。彼のサイトがなければ柘植さんのアイデアも成功しなかったわけで、けやき印刷の後輩が果たした役割には感謝あるのみです。

この本が売れない時代に、よくぞ柘植書房新社は2冊同時刊行したものですね。
一人でも多くの人がこの本を手にしますように。

CCでお送りしたみなさん、まだ読んでいなければ最寄の本屋さんに注文してお読みください。おススメしたくて柘植さんへの感想文をCCしました。

2012/05/15
小林 克巳



                                                           
 



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