[CML 016986] 維新の会大阪市議団「家庭教育支援条例案」に反対する家庭科教育研究者連盟アピール

Maeda Akira maeda at zokei.ac.jp
2012年 5月 13日 (日) 11:20:04 JST


前田 朗です。

5月13日

転送です。

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家 庭科教育研究者連盟アピール

  私達は維新の会大阪市議団が、白紙撤回した「家庭教育支援条例案」にある
小中高の「家庭科副読本」作成に強く反対の意思を表明します。

  維新の会大阪市議団の「家庭教育支援条例案」(以下「条例案」と略)は多
くの市民や市民団体からの「条例案」提出中止を求める声に5月7 日、白紙撤
回し ま した。しかし、再び「条例案」を提出しないとは言っていません。特に
私達は「条例案」にある「家庭科副読本作成」に強い危惧を感じ、副読 本作成
の問題点 に ついて広くアピールし、同時に維新の会が「家庭教育支援条例」を
再提出することがないよう取り組みを強めて行きたいと思います。

  白紙撤回された「条例案」の第12条に「小学校から高等学校まで、発達段
階に応じて、次に掲げる事項を基本とした家庭科副読本(中略)を 作成し活用
す る」 とし「(1)家族、家庭、愛着形成の重要性 (2)父性的関わり、母
性的関わりの重要性 (3)結婚、子育ての意義」があげられていま す。これ
を私達 は 見過ごすことはできません。

  家族や家庭のありかた、子育てや結婚の意義は本来、行政で決めることでは
ありません。ましてやそれを学校教育である家庭科教育で教える (押し付け
る)ことではありません。

  男女ともに家庭科を学ぶ今日では、小中高の学習指導要領にも「父性や母
性」をはじめ、「条例案」にある内容は一切、設定されていません。

 1998年の「厚生白書」にあるよう子育てや家事等の家庭の運営に関して、国の
方向性も男性と女性の役割が違うという 性別役割分業観の立場にたっていま せ
ん。例えば育児に関しても「たいていの育児は父親(男性)によっても遂行可能
である。(中略)欧米の研究でも、母子関係のみの強調は見直 され、父親やそ
の 他の育児者などの役割にも目が向けられている。三歳児神話には、少なくと
も合理的な根拠は認められない」(「平成10年版 厚生白書―少子社会を考え
るー」 p84) と示唆されています。同白書では出生率を回復するには「個人の
自立を基本にした『多様性と連帯の社会』をつくること」と性別役割分担意識
の 強調ではなく、個の自立が前面に出されています。これは現在の家庭科学習
指導要領にもあてはまる内容です。

  ところが「条例案」に盛り込まれた小中高家庭科副読本は、すでに国民にも
支持されなくなった性別役割分担意識を前提にした内容で、子育て を含む家族
や家 庭 の役割を規定しようとしています。小中高校生たちの家族、家庭の実態
とも大きくかけ離れた内容です。厚生労働省「国民生活基礎調査」(2011年)に
よ ると一人親と未婚の子のみの世帯の割合は年々増え続け6,5%で す。一方、夫
婦と未婚の子のみの世帯は年々減る一方で、30,7%です。この数値を、小中 高校
生に当てはめるなら、シングルの家庭はおよそ18%、5〜6人の子どものうち1人
はシングルの家庭で育っていることになります。このような現状を無視 し、
「家族、家庭、愛着形成の重要性、父性、母性、結婚、子育ての意義」を盛り込
み、押し付けようとする小中高家庭科副読本で、子どもたちは 将来への夢や 自
尊心を育むことができるのでしょうか。

  私達は維新の会大阪市議団に「家庭教育支援条例」再提出に強く反対し、家
庭科副読本の作成を行わないことを求めます。

                 2012年5月 家庭科教育研究者連盟(会長
齊藤 弘子)



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