[CML 015935] 大惨事を偶然回避した4号炉、その3、その4

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2012年 3月 25日 (日) 07:50:45 JST


みなさまへ    (BCCにて)松元

京都の諸留さんが、3・11一周年から「朝日新聞」記事と東電などの諸資料を手がかりに、福島第一原発4号炉使用済み核燃料プールの「大惨事」が「想定外の偶然」が重なることによって幸運にも回避されたことを、かなり専門的に検証し分析して、東電の対策不備について警鐘を鳴らしています。

東京電力は、いまだに「この事故原因については一切述べていない」といいます。すこし遅くなりましたが核燃料プールをめぐる大惨事回避の「偶然」について、これまでの4回分を2回に分けて紹介させていただきます。今回は、その3、その4です。

また諸留さんは、2月から「朝日新聞」の連載記事「プロメテウスの罠」を紹介、註釈するかたちで、すでに25回もの連載投稿をして、原発をめぐる多角的な検証に努めてきました。その精力的な探求には頭が下がります。

■危機一髪!大惨事を偶然回避した4号炉
《パレスチナに平和を京都の会》
"Peace for Palestine" in Kyoto Movement(PPKM)
諸留(モロトメ)能興(ヨシオキ)

 =====以下、その3=====

[2012(H24)年03月10日(土)PM16:25 送信]
------------------------------------

 前回に続き、『朝日新聞』2012[H24]年3月8日(木)朝刊第一面記事
http://digital.asahi.com/articles/TKY201203070856.html

「危機一髪で大惨事を回避した福島第一原発4号炉」で起こったことの、続き(その3)です。

------------------------------

【2】偶然に重なった2つの幸運のおかげで4号炉使用済み核燃料プールの大爆発、大惨事には至らなかった!それは、全くの幸運でしかなかった!!

前回の【第一の幸運】に続き、もうひとつ、偶然の上に、更に重なった偶然を、確認します!

【2の2 第二の幸運!】

y_matsu29 at ybb.ne.jp

 前回述べた「第一の幸運」とは全く別に、更にもう一つの「第二の幸運」も、たまたま、同時に重なったのもラッキーでした!

 前回説明したように、「原子炉ウェル(well)」と、「使用済み核燃料用プール」の両方に、水が満たされていたのですが、この両者の間には、それを仕切る形で、「仕切り壁」という可動式の「壁(衝立のようなもの)」があります。

 この「仕切り壁」が(おそらくその下端部であったろうと想像されますが)、水圧で外れるか、あるいは、破壊や亀裂などの損傷の可能性もあるが、予想もしなかった、偶然の事故も、たまたま、「空焚き状態のその時にタイミングを合わせるかのように」発生したのです!

 この「仕切壁」の下端部の「外れ」は、炉心上部の「原子炉ウェル」のプールのある方向から、「使用済み核燃料用プール」のある方向へと向かう形で損傷(破壊または亀裂、隙間が発生する)という形で「外れ」ました。

 何故、「原子炉ウェル(well)」から「使用済み核燃料用プール」の方向に向かって「仕切り壁」が「外れた」のか?以下が、考えられるその原因です。

【仕切り壁が外れた原因 その1】
 地震の振動で仕切り壁が壊れるか、あるいは、仕切り板を固定していたボルト類に「緩み」が発生したのかも?

【仕切り壁が外れた原因 その2】
 3月15日の4号機の火災に伴って生じた爆発の際の衝撃(爆風や3号炉の機材の破片などの衝突かも?)で、「原子炉ウェル」と「使用済み核燃料用プール」の間の「仕切り板」が壊れたのかも?

【仕切り壁が外れた原因 その3】
 定期検査(定検)開始に伴って「原子炉ウェル」に水を満たす際の「仕切り板」設置の際に、現場作業員の単純作業ミスで、キチンと仕切り板を閉鎖しなかった可能性も考えられる。

 閉鎖したとしても不十分な閉鎖に留まったためかもしれない。高濃度汚染した、高温の巨大な物体を、水中で移動したり開閉する作業は、限られた時間内で迅速に処理しなければならない過酷な作業であることからも、これは十分あり得ることだ。

【仕切り壁が外れた原因 その4】
 「DSピット部」と「原子炉ウェル」の2つの空間に合計で1440立方メートル(1440トン)もの大量の水で、たまたま(設計上のミスの影響で)満たされていました。「仕切り板」の隣の「使用済み核燃料プール」が、通常なら水で満たされておらねばならない筈なのに、それがカラッポ状態だったため、
「仕切り板」を境として、その水圧で「原子炉ウェル」側から「使用済み核燃料プール」側へと向かう強烈な「水圧の差」が生じました。

 この「原子炉ウェル」側から「使用済み核燃料プール」側の方向へと働いた「強烈な水圧」が加わったことで、「仕切り板」の底部が破壊されたか、あるいは破壊までは至らなかったとしても、隙間やズレや歪みが発生したか・・・の、いずれかが発生したことも、十分予想できます。

 水深が深くなるほど水圧は大きくなることを考えれば、恐らく水圧の一番大きく加わる「仕切り板の底部」、プールの底に近い部分の「仕切り板」が破壊された模様。

【仕切り壁が外れた原因 その5】
 あるいは、以上の原因【1】〜【4】のそれぞれの原因が幾つか複合したことも、考えられる。

 いずれにせよ、「仕切り板の破壊(ズレ?あるいは歪み?)」の原因の確認は、最終的には、使用済み燃料を搬出し終えた後の、現場検証で、より真実が分かってくるであろう。今後も、東電や政府の報告でも注目しなければならないポイントのひとつである。

 ちなみに、私(諸留)は、この【第二の幸運】の「仕切り壁が外れた原因」は【 その4 】が、真相だろうと思っている。

 そう判断する理由は、「原子炉ウェル」側から「使用済み核燃料プール」側の方向へと力が加わることは、原子炉の設計思想や、定期検査(定検)時の「仕切り板」の操作上からも、「起こりえないこと」として理解され、設計されているからです。

 なぜかというと、福島第一原発4号炉に限らず、他の原子炉でも、全て「使用済み核燃料プール」には、使用済みの核燃料棒が、常時保管されている場合が、ほとんどです。

 青森県六ヶ所村での再処理工場での保管場所が、ほぼ満杯に近い状態に達している為、全国各地の原発の「使用済み核燃料プール」も、使用済み核燃料が貯まっている状態が、24時間、日常化している。

 そんなわけで、「使用済み核燃料プール」には、常時、使用済み核燃料が格納されているわけです。 高濃度放射能を放射し、被曝する危険から防御するため、「使用済み核燃料プール」も、常時満水状態にしておくことが、前提となっている。

 事実、福島第一原4号炉の場合も、「使用済み核燃料プール」の内には、1535本(原子炉2基分相当)もの使用済み核燃料が保管されていた。

 出力の違いや、原子炉の型の違いなどで、本数は異なってくるが、一般的には出力が100万キロワット前後の原子炉1基で、通常は約400体〜800体ほどの、「燃料集合体」が原子炉内に装荷される。

 東電の図面では、「原子炉ウェル」と「DSピット部」との間にも、「仕切り板」を固定する溝が、底に設置されているので、必要に応じて「仕切り板」を設定する場合もあるのだろう。両者の水深は、「使用済み核燃料用プール」よりは浅いのです。しかし、「仕切り板」が撤去された状態では、そこに蓄えられる水の量は相当の量となる。

 それは、以下の東京電力の「DSピットの説明図」
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_110620_02-j.pdf
の図を見ることでも確認できる。

 「DSピット」および「原子炉ウェル」に満たされている大量の水(約1500トン)が、事故当日の3月11日に、たまたまの「偶然で」蓄えられていたことは、前回既に、指摘した。

 これに対し、「使用済み核燃料プール」の方は、様々な原因から震災直後から「空焚き状態」となって、文字通りプール内は、ほどんど水の無い「カラッポ」状態になっていた。

 普段は、使用済み核燃料が格納されている「使用済み燃料プール」は、常時水で満たされている「満水状態」にある。それに対し、「原子炉ウェル」や「機器貯蔵プール(DSP)」は、定期点検や作業時など、一時的にしか利用されず、その一時的な時だけ水で満たされる。それ以外は、通常は、原子炉稼働中の普段は「カラッポ」状態となる。

 このため、水圧は隔離板を隔てて、「使用済み燃料プール側」から「原子炉ウェル」側へと、常に働くことになる。それ故隔離板は、特に隔離板の深い位置ほど(つまり隔離板の下部の方に)、より大きな水圧が加わることになる。

 使用済み核燃料と同様に、この「仕切り板」もプールの上部の移動式クレーンを使って、上下方向に引き上げたり、釣り下げたりして開閉するのかもしれない。あるいは水平に(戸障子式に)水平にスライドさせるか、ドアのように回転させる構造なのかもしれない。

 今回の4号機建屋の爆発崩壊で、そのクレーンも「使用済み核燃料プール」に落下していることが、ヘリコプター(「飛行」の2文字削除)から観察されている!

  本来なら「DSピット」および「原子炉ウェル」の両方の空間がカラッポ状態でも、「使用済み核燃料プール」がカラッポ状態になることは、原子炉設計上からも、想定されていないのだ。

 まして、「DSピット」および「原子炉ウェル」の両方の空間に水が大量に満たされた状態の時に、「使用済み核燃料プール」がカラッポ状態になるなどという「異常事態」は、設計段階でも考えられていないのだろう。

 両者を仕切る「仕切り板」の耐圧強度も、常時満水状態になっている筈の「使用済み核燃料プール」方向から「DSピット」および「原子炉ウェル」方向へと向かって働く圧力には強固に設計されていても、その逆、つまり、「DSピット」および「原子炉ウェル」側から「使用済み核燃料プール」の方向へと向かって働く圧力には、十分耐えるような設計になっていなかった可能性が十分考えられる。

 その証拠に、先に前掲の、東京電力の「DSピットの説明図」 

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_110620_02-j.pdf

の図の、「原子炉ウエルWELL」と「使用済み核燃料プールSFP」との境界部は、プールゲート(水門)と呼ばれます。このプールゲートでは、「プールの方の水圧が高い」という前提で作られています。その結果、プール側の水量が減るに従い、ウェル側からの水圧に耐えきれず破損したのです。

このプールゲート部に設置される「仕切り板の下部」を、もう一度見て下さい。

 「仕切り板」の下部にも「出っ張り(溝)」が付いているが、明らかに「原子炉ウエルWELL」側の高い溝に「はまる」構造になっているのが分かる。この東電の図は、略図(見取り図)で、設計図ではないので、軽々しく断言は出来ないが、他の原子炉の「使用済み核燃料プール」の仕切り板でも、似たり寄ったりの構造であることは、ほぼ、間違いあるまい。

 これは、水圧が「使用済み核燃料プール」側から「原子炉ウエルWELL」側へと働くことを考慮した、設計思想に基づいた設計構造になっていることを、物語っている。

 この仕切り板を、定期検査(定検)の際に、どのようにして仕切り、仕切った後、どのように、しっかり固定させるのかまでの詳細な工程は、今の私(諸留)には分からない。

 少なくとも、 このプールゲート部での「仕切り板」を頻繁に開閉させる必要上から、この「仕切り板」を閉鎖した後の、最終的な「締め作業」は、おそらく、それほど強固な「ボルトによる締め」ではないことは、容易に想像できる。

 高濃度放射能汚染している「仕切り板」からの、無用の被曝(ひばく)を避けるための短時間の作業とならざるを得ないし、それも、水中での開閉や「(ボルトなどの)締め付け」作業であること、を合わせ考えると、「仕切り板」採取的「締め付け・密閉作業」が不完全な作業であった可能性は、十分予想できる。

 不完全であっても、水が「原子炉ウエル」と「使用済み核燃料プール」の両者の間を、たとえ漏れ流れ伝わることが発生しても、「水がある限り、どっちみち、大した問題ではない」と、東京電力も現場作業員も考えていたとしても、おかしくはない。

 上記の東京電力の2011年6月20日の「1F4原子炉ウェルおよび機器貯蔵プールへの注水について」の説明図に続く下段の「使用済み燃料プールの事故後(注水開始前)」の水位の動向」の図
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_110620_02-j.pdf

 の(3)シール減圧→ウェルからプールへ水流入、の図でも、「仕切り板」下部に「青矢印」で、「使用済み核燃料プール」側への「流入事故」の図が掲載されている!

 例によって、東京電力は、この「突発事故」の原因は一切述べていないし、「仕切り板」の外れも、それを「事故」とは一切言っていない! 東京電力の「事故隠し」「隠蔽主義体質」は、事故後も全く変わっていない! 東電の図面と説明からでは、恰も水流 
が「使用済み核燃料プール(SFP)」に流れるように設計され、冷却水が巧く「プール」側に流れたように受け取れるが。しかし、「使用済み核燃料」が運び込まれる前に「使用済み核燃料プール」に注水すれば、その水圧で「仕切り板」は密閉するので、「問題なし」としたようである。

 大震災発生4日経過した後の、3月15日午前に4号機の原子炉建屋で水素爆発(あるいは再臨界による小規模の核爆発の疑いも、現時点では、完全に否定できない)が発生した時以降から、急速に「使用済み核燃料プール」が「空焚き」状態となったことで、「使用済み核燃料プール」側から仕切り板に加わっていた圧力も急激に低下した。

 それに対し、逆に、「原子炉ウエル」側から「使用済み核燃料プール」側に加わる大きな水圧が加わっていたため、仕切り板を境にして、両者の側での仕切り板に加わる圧力に、著しい違いが発生することとなった。

 「原子炉ウェル側」の圧力が、「使用済燃料プール」より高くなるというような事態が起こることは、設計上では、最初から想定されていなかったことは、今までの記述から分かるだろう。

 その結果、「仕切り板」の下部付近を中心として破壊(あるいは損傷・歪み・亀裂・隙間発生など)の異常事態が生じた。

 そしてその亀裂(損傷・隙間)から、約1万トンもの大量の水が、一気に「使用済み核燃料プール」内へと流れ落ちことが、今回の報道から分かった。

 さらに、3月20日からは、これに加えて、外部からの放水(あの象の鼻のクレーン式のホース使用)で、「使用済み核燃料プール」内に、更に追加の冷却水注入も加わったこともあって、「使用済み核燃料プール」内の核燃料の溶融を、かろうじてくい止めた!という結果となった。

 もし、この「仕切り板」の破壊(損傷)という【偶然な出来事】が起こらず、「原子炉ウエル」側から「使用済み核燃料プール」への水の大量流れ込みが生ぜず、「象の鼻」による放水注水追加の始まった4日後まで、冷却水の追加が間に合わなかったら、「使用済み核燃料プール」内の使用済み核燃料棒の露出、溶融が始まっていた筈!

 事実、東京電力も、冷却水がたっぷり入っていたとしても、追加注水による冷却が行われない場合は、3月下旬には、使用済み核燃料棒の露出が始まると計算していた。

 カラッポ状態の「使用済み核燃料用プール」内へと、工期予定では3・11日当日には、存在する筈のなかった「原子炉ウエル」側の大量の水が、一気に流れ落ちたことで、使用済み核燃料の冷却日数を伸ばし、「象の鼻」による追加給水へと、繋ぐことが、たまたま出来たのだ。それが結果的に、溶融・大爆発を回避し得たのだ。


【 2の3 第三の幸運! 】
 以上の2つの偶然の他に、更に第三の幸運もあった!

 東電が昨年2011年12月2日に公表した「福島原子力事故調査報告書(中間報告書)」の添付資料によれば、福島第一原発4号機の「使用済み核燃料プール」の水温が、3月14日あたりから摂氏90度という、ほぼ、沸騰状態の高温に達した。
http://nucleus.asablo.jp/blog/2012/03/10/6369818
の施設原子力情報室掲載の「図2 4号機SFPの評価結果」参照。

 そのため、3月15日には「使用済み核燃料プール」の水が大きく減り続け、同日深夜頃に、プールゲートの「仕切り板下部」が、「原子炉ウェル」側からの水圧に抗し切れずに壊れて、「原子炉ウェル」側から、「使用済み核燃料プール」側へと水が流入した。

 これによって、「使用済み核燃料プール」の水位が、満水時の水位から図って、マイナス4メートルだったのが、マイナス3メートルくらいにまで、水位低下のスピードが落ちたことが解る。

 しかし、その後も、「象の鼻」などを使った外部からの冷却水注入を続けたにもかかわらず。「使用済み核燃料プール」の水位の低下が徐々に続いた。4月21日には、使用済み核燃料の頭頂部から僅か1・5メートルの高さにまで、「使用済み核燃料プール」の水位が下がる状態となった。

 ところが、その後で、これも、またまた、全くの偶然なのですが、4月22日に、注水によって高くなった「使用済み核燃料プール」側の水圧によって、プールゲート部の「仕切り板」が、偶然、閉まったのです。

 完全に閉まったかどうかは、現場検証してみないと断言はできない。また、漏れが止まった原因が「仕切り板」以外の、他の損傷箇所が偶然閉じたことが原因だったのかもしれない。それを確認するには、使用済み核燃料を全て除去し、現場検証するしかない。

しかし、少なくとも「使用済み核燃料プール」側の冷却水が、人為的操作の結果ではなく、何らかの『想定外の偶然な出来事で閉じられた』ことで、冷却水が4月末日時点で、ようやく外部に漏れ出にくくなった事実は、変わらない。

 この第三の幸運によって、「象の鼻」から追加注水された冷却水が、「使用済み核燃料プール」内にだけ貯まるようになった。その結果、「使用済み核燃料プール」の水位が再び上昇を徐徐に回復し始め、一応、安定した状態になったことが、東電の昨年12月2日の「福島原子力事故調査報告書(中間報告書)」の資料から解る。

 こうして4号機の「使用済み核燃料プール」が、最悪の状態に至らなかったのは、少なくとも、「3つの全く幸運な偶然」が重なったためであった。


 以上、「三つの幸運」を整理すると、
(1)原子炉ウェルに水が、たまたま、あったこと(これも想定外)
(2)プールゲート部の「仕切り板」の底部が、ウェル側からの水圧で破損したこと(これも想定外)
(3)プールゲート部の「仕切り板底部」が、プール側の水圧で、偶然にも、再び閉まったこと(これも想定外)

 すくなくとも、これら3つの出来事(原発側の言葉で言うと「事象」)はすべて、東電職員による「意図的操作」で生じた現象ではなく、3つとも、すべて東電職員のミスまたは、操作にはよらない「たまたま自然に生じた予期しなかった現象」であった!

 この「三つの偶然」のうち、どれか一つでも生じなかったら、首都圏はおろか、名古屋や関西地域などの西日本一帯も含む、広範囲な空前絶後の大汚染、大惨事になっていた筈!!

以上が、東京電力側の調査・報告から解ったことである。


【参考までに】
いわゆる「応力腐食割れによる漏洩」について

 原子力発電推進者は、「シュラウド」の素材のオーステナイトステンレス鋼は、力腐食割れを起こし易い性質を持っていることは認めつつも、仮に「シュラウド」の一部から割れが貫通してしまったような場合でも

(A)通常運転中、原子炉圧力容器が内圧を保持しているので、原子炉冷却水を外部に漏らす心配はない。
(B)シュラウドを通しての漏洩は内外の圧力差が僅かな上、燃料チャンネルの外側にはバイパス流を流しているから全く問題はない。
(C)非常用炉心冷却系が作動するような非常時でも、水を貯めるだけのシュラウドの内外差圧は殆ど無く、たとえ漏洩しても、漏洩量は非常用炉心冷却系からの供給量と比べ極僅かなので問題はない。
・・・・
などと説明している。
http://www.engy-sqr.com/kaisetu/topics/shroud.htm

 しかし、例え僅かでも漏水があったばあい、それが超高温に触れた場合、水蒸気爆発を引き起こさないという保証は無い。

 今回の4号炉の「使用済み核燃料プール」の場合のように、「設計思想上想定外」の出来事の、それも偶然の積み重ねによって、起こる筈がないと考えられていた現象が、起きることも考慮すれば、「漏洩量は非常用炉心冷却系からの供給量と比べ極僅かなので問題はない」とする考えも、「使用済み核燃料プール」内の水がカラッポになるようなことは有り得ないから、仕切り板の閉鎖が多少不完全でも、問題は無い!」とする考えと全く同じレベルの、粗雑な「安全軽視論」でしかないことが分かるだろう!

 「安全である」ということは、個々の部品や品質管理や現場の組み立て作業段階だけの精度(や安全)確保・向上だけで、済む話ではない。

 「これなら安全だ!」と思う、まさにその「安全(設計)思想」そのもの故に、逆に、その安全思想が仇となって、危険を誘因の原因へ転化してしまう例は、いくらでもある。

 今回の福島第一原発4号機の「使用済み核燃料プール」事故では、図面設計上の単純ミス、現場作業上での、ソロバン勘定最優先の手抜き作業、「これくらいの僅かなトラブルなら、かえって安全度を高める方向に寄与するから・・」といった、安易な安全論などなど・・・の結果であった。

 そうした様々な要因と偶然の積み重ねによって、99・9999%、確実に惨事となる筈だったのが、たまたまそうならなかっただけ・・・の偶然の「いたずら」の結果であった。

 「我が国の科学技術の高度さ、確かさ、その優秀さ故に、この程度の規模の事故で済んだのだ!我が国の科学技術水準の世界的高さは健在であり、確かなものだ!」という、田原総一朗氏のような、科学技術論は間違った「科学技術信仰」「安全神話」の典型である。
--------------------------------------

 現在の福島第2原発4号炉の「使用済み核燃料プール」に危険性は全く無くなったのか?あるいは、依然としてまだ危険な状態にあるのか?
 それについては、次回に詳述する。

*****転送/転載/拡散歓迎*****


=====以下、その4=====

 [2012(H24)年03月21日(水)AM01:40 送信]
------------------------------------

【 2の3 第三の幸運! 】

 以上の2つの偶然の他に、更に第三の幸運もあった!

 東電が昨年2011年12月2日に公表した
「福島原子力事故調査報告書(中間報告書)」の添付資料によれば、福島第一原発4号機の「使用済み核燃料プール」の水温が、3月14日あたりから摂氏90度という、ほぼ、沸騰状態の高温に達した。

http://nucleus.asablo.jp/blog/2012/03/10/6369818
施設原子力情報室掲載の「図2 4号機SFPの評価結果」参照

 そのため、3月15日には「使用済み核燃料プール」の水が大きく減り続け、
同日深夜頃に、プールゲートの「仕切り板下部」が、「原子炉ウェル」側からの水圧に抗し切れずに壊れて、「原子炉ウェル」側から、「使用済み核燃料プール」側へと水が流入した。

 これによって、「使用済み核燃料プール」の水位が、満水時の水位から図って、マイナス4メートルだったのが、マイナル3メートルくらいにまで、水位低下のスピードが落ちたことは、前回までの報告で解った。

 しかし、「象の鼻」やポンプ車などを駆使した外部からの、懸命の冷却水注入にもかかわらず、その後も「使用済み核燃料プール」の水位の低下はジワジワ続いたことが、上記URLの東電発表の水位変化の時系列グラフからも確認できる。

 そして、ついに4月21日には、使用済み核燃料の頭頂部から僅か1・5メートルの高さにまで、「使用済み核燃料プール」の水位が下がる状態となった。

 ところが、その後で、これも、またまた、全くの「第三の偶然」の出来事によって、
4月22日に、注水によって高くなった「使用済み核燃料プール」側の水圧のせいであろうか?プールゲート部の「仕切り板」が、偶然、また閉まる!という「第3の幸運」な出来事(現象)が起こったのです!

 この4月22日に起こった「仕切り板の再閉鎖」現象が、なぜ起こったのか?
また、この閉鎖は果たして完全に閉まったのか?それとも、不完全な閉鎖なのか・・?

 プールから外部への漏冷却水漏れの止まった原因が、「仕切り板自体の破損」によるものではなく、プールの他の箇所で発生していた損傷・亀裂箇所が、なんらかの原因で「偶発的に閉じた」ことが原因だったのか・・・?などなど・・

 これらを全て確認するためには、使用済み核燃料をプールから全て除去して現場検証するしかない。

 にもかかわらず、「原子炉は安定的冷温停止状態に達した」などと東電をはじめ、政府や原子力安全・保安院、原子力安全委員会の発表が、いかに国民を欺く無責任な安全宣言であるかが、解るであろう!

 政府が発表した、「安定的停止状態に達した」の安全宣言が、戦時中の「大本営発表」であることは、この4号機「使用済み核燃料プール」の「全くの偶然の出来事(現象)」であったことからも、明白であろう!!

 ともあれ、この「第三の幸運な偶然の出来事」が発生したことで、「象の鼻」や緊急ポンプを駆使して外部から注水された冷却水の水位は、「使用済み核燃料プール」の水位も再び上昇をし始め、一応、安定状態に戻るに至った。

 以上が、東電の昨年12月2日の「福島原子力事故調査報告書(中間報告書)」の資料から解る。

 4号機の「使用済み核燃料プール」が、最悪の状態に至らなかったのは、以上、「3つの全く幸運な偶然」が重なったためであった。


 この「三つの幸運」を整理すると、
(1)原子炉ウェルに水が、たまたま、あったこと(これも想定外)
(2)プールゲート部の「仕切り板」の底部が、ウェル側からの水圧で破損したこと(これも想定外)
(3)プールゲート部の「仕切り板底部」が、プール側の水圧で、偶然にも、再び閉まったこと(これも想定外)


 この「三つの偶然」のうち、どれか一つでも生じなかったら、圧力容器も格納容器も無い、プルトニウムを大量に含む、剥き出しの使用済み核燃料の再臨界やメルトダウンが発生し、首都圏はおろか、名古屋や関西地域の西日本一帯も含めた、日本列島全域に及ぶ、空前絶後の大汚染、大惨事となっていた!・・であろうことは前回も既に述べた通り!

 科学技術の確かさ、高度化、精密さは、事故の防止や回避とは全く別の事柄である、ということが、この四号機の「使用済み核燃料プール」の「偶然な出来事」を通じて確認できます!

*****転送/転載/拡散歓迎*****

真の文明は
山を荒らさず
海を荒らさず
村を荒らさず
人を殺さざるべし
(田中正造)

「あとから来る者のために」
あとから来る者のために 田畑を耕し
種を用意しておくのだ
山を 川を 海を きれいにしておくのだ
ああ あとから来る者のために
苦労をし 我慢をし
みなそれぞれの力を傾けるのだ
あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
みなそれぞれ 自分にできる
なにかをしてゆくのだ
 (坂村真民)

*******************
《パレスチナに平和を京都の会》
"Peace for Palestine" in Kyoto Movement(PPKM)
*****************
※当会(PPKM)へ連絡希望の方は本投稿者の差出人宛まで


(以上、その3、4の転載終わり)

------------------------------------
パレスチナ連帯・札幌 代表 松元保昭
〒004-0841  札幌市清田区清田1-3-3-19
TEL/FAX : 011−882−0705
E-Mail : y_matsu29 at ybb.ne.jp
振込み口座:郵便振替 02700-8-75538 
------------------------------------ 



CML メーリングリストの案内