[CML 015922] 修正版翻訳:ジェームズ・ペトラス「血塗られたダマスカスへの道:主権国家を襲うトリプル同盟の戦争」

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2012年 3月 24日 (土) 17:13:27 JST


みなさまへ   (BCCにて)松元

先日お送りしましたジェイムズ・ペトラスの最新論考の翻訳を、童子丸開さんのご好意でご自身のサイトに掲載してくださいました。童子丸さんのお蔭で、訳文はもう少し正確に読みやすくなっていると思います。私自身はブログなどありませんので、先のペトラス論考翻訳の転載転送は以下の修正版をご利用いただけると幸いです。

また、フランスのユダヤ人学校襲撃事件などにも触れて、童子丸さんの「蛇足」が後半にありますので、あわせてお読みいただきたいと思います。

=====以下、ペトラス修正版の転載======

 今回お送りしますのは、パレスチナ連帯・札幌の松元保昭さんがご翻訳になったジェイムズ・ペトラス教授の最近の論文「血塗られたダマスカスへの道:主権国家を襲うトリプル同盟の戦争(The Bloody Road to Damascus: The Triple Alliance’s
War on a Sovereign State)」です。
 一部の方はすでに松元さんの方からの配信があったかもしれませんが、その後に松元さんと私が相談して文面をやや変えた箇所があります。また、ごく最近に起こったいくつかの新しい状況について、私の方から「蛇足」の形で翻訳の後ろに解説を付け加えております。

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※お願い: 私のレンタルサーバーで新規や訂正のアップロードが何日かウエッブ上に反映しない場合があります。お使いのブラウザにもよるのですが、もし皆様のPCでリンクがうまくいかない場合にはもう2,3日お待ちください。
これは私のサイト『いま我々が生きている 虚構と神話の時代』 


http://doujibar.ganriki.net/Today's%20World%20of%20Fraud%20&%20Myth/Today's_World_of_Fraud_&_Myth-initial.html
に収められているものです。
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http://doujibar.ganriki.net/Today's%20World%20of%20Fraud%20&%20Myth/The_Bloody_Road_to_Damascus.html

ジェイムズ・ペトラス著、松元保昭訳
血塗られたダマスカスへの道:主権国家を襲うトリプル同盟の戦争


 今回ご紹介するのはジェイムズ・ペトラスの最近の論文「The 

 Bloody Road to Damascus: The Triple Alliance’s War on
a Sovereign State」だが、これはパレスチナ連帯・札幌の松元保昭氏が翻訳されたものである。氏の了承を得て私のサイトでも取り上げることにした。松元氏はIntifada
Palestineに掲載された文章を元にしているが、その原文はペトラス教授のサイトにある。

 私のサイトに掲載した松元氏の翻訳には他に『放射能:フクシマの子どもたちの未来(全訳:松元保昭)』がある。またジェイムズ・ペトラスの文章(和訳)には『オバマは軍事的な賭けに出る:中国およびロシアと国境線で対峙』、『帝国主義と「愚者の反帝国主義」』、『シオン権力と戦争:イラクからイランへ』、『ノーム・チョムスキーの誤謬に満ちた論調』がある。お時間の許す限り、これらもあわせてお読みいただきたい。

 なお、松元氏の翻訳の後で、ごく最近起こったいくつかの出来事について、私からの感想をしたためた『童子丸開による蛇足』を付け足しておいた。こちらの方にもお目をお通しいただければ幸いである。
(2012年3月23日、バルセロナにて 童子丸開)

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 松元@パレスチナ連帯・札幌

シリアからイランにいたるきな臭い報道が続いています。遠くはベトナム戦争、9・11に続くアフガニスタンそしてイラクへの侵略戦争の直前にも、かならず一方的に「悪者扱いする」虚構の報道が備えていました。イスラエルのガザ攻撃でイスラエルの戦闘機や無人機からの無差別爆撃がないかのように、一方的にハマースの手製ロケット攻撃ばかりが映し出されるように。シリアは「人道危機」でも「内戦」でもありません。

ジェイムズ・ペトラスが「血塗られたダマスカスへの道:主権国家を襲うトリプル同盟の戦争」という論考で米国とNATOが画策する「シリアからイランにいたる道」を明快に暴いていますので、拙訳(仮訳)ですが紹介いたします。

童子丸開さんも再三「虚構と神話の時代」に生きていると警告を発していますが、ユーラシアに広がる欧米の世界支配戦略、対イスラム世界に対する侵略戦争の虚構と原発(核)問題の虚構とは、深層でつながっているようです。

ジェームズ・ペトラスはニューヨーク州立ビンガムトン大学社会学名誉教授。シオニズム批判、ネオリベラル批判の論考多数。

●出典:Intifada Palestine(2012年3月16日)
http://www.intifada-palestine.com/2012/03/the-bloody-road-to-damascus-the-triple-alliances-war-on-a-sovereign-state/?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+IntifadaPalestine+%28Intifada+Palestine%29

======転送・転載は自由です=====

■血塗られたダマスカスへの道:主権国家を襲うトリプル同盟の戦争
ジェイムズ・ペトラス
2012年3月16日

欧米と湾岸国の政治家、およびマスメディアによって「抵抗する平和的シリア市民を殺害する不正義」と表現された暴力は、機関銃を振り回し道端に爆弾を仕掛ける(手引きされた)武装集団が近隣の村々、町々を暴力的に制圧しているという証言報告を隠蔽するために皮肉な形で計画的に作られたものである。

シリアに対する激しい襲撃は、外国の資金、武器、および訓練によって支援されている。しかしながら、国内支援が不足しているため、成功させるには直接の外国軍軍事介入が必要となるであろう。こうした理由から、正統なシリア政府を悪魔化するという大掛かりなプロパガンダと外交キャンペーンが演じられてきた。その目標は、中東における傀儡政権の押し付けと西側帝国支配の強化である。短期的には、イスラエルおよび米国による軍事攻撃に備えてイランの孤立化を進め、長期的には、中国およびロシアと親密な他の無宗派の世俗的な(非神政)政権を除去することになるだろう。

イラクおよびリビアの世俗(非神政)政権を首尾よく崩壊させた後、西側、イスラエルおよび資金提供されて権力掌握した湾岸国を後ろ盾に、世界的支援体制動員のためにかなりのプロパガンダ策略が、国家主権に対する新たなむき出しの暴力を正当化するために利用されてきた。


●大状況:連続的な攻撃

シリアの独立したアサド政権に対する最近の西側キャンペーンは、北アフリカからペルシャ湾に及ぶ民主化運動と独立政権に対する一連の攻撃の一部である。ムバラク独裁政権を転覆させたエジプトの民主化運動に対する帝国的軍国主義者の反応は、1万人を超える民主主義擁護の抗議者を投獄、拷問、暗殺する殺害キャンペーンと軍事政権の権力奪取を支援することであった。

アラブ世界の類似した大多数の民主化運動に直面して、西側諸国を後ろ盾にする湾岸の独裁的な支配者たちは、バーレーン、イエメンおよびサウジアラビアでそれぞれの暴動を弾圧した。リビアの世俗(非神政)政権に対して展開された襲撃は、NATO軍が外国人傭兵部隊の支援で大量の空爆および海からの爆撃を行ったものであり、そうしてリビアの経済と市民社会を破壊した。ギャング傭兵部隊を解き放って、リビアの都市生活を野蛮なものにし田舎を荒廃させた。

NATO軍はカダフィ大佐の世俗(非神政)政権を抹殺し、同時に傭兵たちに彼を殺させ腕を切らせた。NATO軍関係者は、何万ものカダフィ支援者と政府職員を抹殺し投獄し拷問し傷害を与えていたことのすべてを見守っていた。カダフィの寛容な社会プログラムから利益を得ていたサハラ以南アフリカの移民労働者グループと同様に、サハラ以南アフリカ系のリビア市民に対する血塗られたポグロム(集団殺戮)に乗り出した傀儡政権をNATOは支援した。リビアにおける破滅と支配の帝国政策は、シリアの「モデル」の役割を果たしている。すなわち、西側および湾岸諸国の傭兵に資金提供を受けて訓練されたムスリム原理主義者によって率いられる大衆暴動の状況を作り出すことである。


●ダマスカスからテヘランへの血塗られた道

米国務省の「ダマスカス経由テヘランへの道」によれば: NATOの戦略目標は、中東におけるイランの主要な同盟国を破壊すること: 湾岸専制主義者の君主政体のために、その目的は世俗的な共和制を配下の神政独裁政権に取って換えること: トルコ政府にとって、その目的はイスラム的資本主義のアンカラ・バージョンの指令に従順な政権を育成すること: アルカイダおよびサラフィ派とワッハーブ派が同盟した原理主義者にとって、世俗的(非神政)シリア人、およびアラウィ派とキリスト教徒を一掃した神政スンニー派政権は、イスラム世界において新たなプロジェクト・パワーの踏み台として仕えることになる: そしてイスラエルにとって血に染まり分裂したシリアは、その地域ヘゲモニーをさらに確実なものとするだろう。超シオニストの米国上院議員ジョセフ・リーバーマンが2001年9月11日の「アルカイダ」の攻撃直後に要求した次のことは予言的な先見性が相当にあったわけだ: その行為の実際の立案者が誰かを考える前に「まずわれわれは、イラン、イラク、そしてシリアを追跡しなければならない」。

武装した反シリア軍は政治的な見方にかんする多様な対立を反映しており、数十年間も複雑にな多民族のシリア社会を統治してきた独立した世俗的(非神政)な国家主義政権に対する共通の憎悪によって一体化しているにすぎない。シリアに対する戦争は、北アフリカからペルシャ湾に及ぶ西側軍国主義の勢力拡張のさらなる復活の第一の発射台であり、それは、シリア国民に成り代わって民主的・人道的かつ「文明化する」使命であるとNATOが宣言する系統的なプロパガンダ・キャンペーンによって強化されるものである。  


●ダマスカスへの道は嘘で敷きつめられている

シリアにおける武装戦士の主義主張についての政治的社会的構図の客観的分析は、暴動はこの国の一般民衆が民主主義を追求していることだといういかなる主張も拒否する。権威主義的な原理主義戦士たちが暴動の中核をなしている。これらの野蛮な暴徒に資金提供している湾岸諸国は、それら自身が絶対君主国である。リビアの一般民衆の上に残忍なギャング政権を押し付けた欧米は、「人道的介入」の要求などできた話ではない。

武装グループは町々に潜入し、政府軍に攻撃を浴びせる際の盾として住民の中心地を利用している。この過程で彼らは、軍事的な前哨基地に利用するために何千人もの市民を暴力的に家々、商店、職場から追放している。ホムスのババ・アムル地区の破壊は、政府を悪魔化する宣伝材料として市民を盾に利用している武装ギャングの典型的なケースである。   

これらの武装した傭兵は、シリア人全体に国民的信用をまったく得ていない。彼らの主要なプロパガンダ製造工場のひとつはロンドンの中心にある。NATO軍介入に味方し思わず感傷的になるような残忍な物語を作り出しては英国諜報機関と綿密に連絡して動いている、その名も「シリアの人権監視所」である。湾岸諸国の首長および王族たちはこれらの暴徒に資金援助しており、トルコは軍事基地を提供し、さらに国境線を越えて武器の流れといわゆる「自由シリア軍」の先導者たちの動きをコントロールしている。米国、フランスおよび英国は、武器、訓練、および外交的援護を提供している。リビア、イラク、およびアフガニスタンのアルカイダ戦士を含む国外のジハード原理主義者たちがこの紛争に入り込んだ。

これは「内戦」ではない。これは、無党派世俗(非神政)民族主義政権に対抗して、NATOの帝国主義者、湾岸国の専制君主、ムスリム原理主義者という邪悪なトリプル同盟を戦わせるひとつの国際紛争である。兵器、プロパガンダ機構、および傭兵戦士の外国起源は、紛争の「多国籍な」性格をもつ不吉な帝国主義の本性を明らかにしている。最終的には、このシリア国家に対する暴力的な蜂起は、シリアの経済と市民社会を破壊し、国家をバラバラに分断し、世俗(非宗教)政府の支持者と同様にアラウィ派と少数派キリスト教徒を根絶する宗派間戦争を引き起すという犠牲を払ってでも、イラン、ロシア、中国の同盟を転覆させるという、帝国主義者の系統的なキャンペーンを表している。

殺害と大量の難民流出は、血に飢えたシリア国家によって犯された不当な暴力の結果ではない。西側に支援された反乱軍は、政府庁舎を爆破し、輸送機関を妨害し、石油パイプラインを破壊し、武力によって地域を制圧した。攻撃の間、彼らは、教育、医療へのアクセス、治安、水、電気および交通を含むシリア国民にとって重大な基盤事業を遮断し混乱させた。このように(帝国の同盟国と国連当局はその責任をシリアの治安と軍隊に負わせているが)この「人道的惨事」なるものの責任の大部分は彼ら(反乱軍)が負っている。ワシントン、リヤド、テルアビブ、アンカラ、およびロンドンの国外依頼主の代理として武力対決が暴力を振るう一方で、シリア治安部隊は非神政(世俗)国家の国家独立を維持するため戦っている。


●結論

アサド政権の国民投票は、西側帝国主義者の脅迫およびテロリストのボイコット呼びかけをものともせず、先月シリアの何百万もの有権者を引き寄せた。これは明らかに、シリア人の大多数が交渉による和解の平和を望み傭兵による暴力を拒絶していることを示している。西側が支援する「シリア国民評議会」、およびトルコと湾岸諸国の武装「自由シリア軍」は、アサド政権が受諾したロシアおよび中国の開かれた対話と交渉の呼びかけを全面的に拒絶した。

NATOおよび湾岸国独裁政権はその代理人たちに、暴力的な「政権交代」という、すでにシリアの何千人もの死者を生み出した方針を追求することを押し付けている。米国およびヨーロッパの経済制裁は、深刻な欠乏が疲弊した住民を彼らの暴力的な代理人の腕の中に追いやるだろうと期待して、シリア経済を破壊するために計画されている。リビア・シナリオを再演しながら、NATOはシリアの経済、市民社会および世俗(非神政)国家を破壊することによって、シリアの国民を「解放」しようというのだ。

シリアにおける西側の軍事的勝利は、たんに増大する軍国主義の熱狂を助長するにすぎない。それは欧米、リヤド、イスラエルをけしかけて、レバノンで新たな内戦をひき起こすようにするだろう。シリアを破壊した後、ワシントン―EU―リヤド―テルアビブ枢軸は、はるかに血なまぐさいイランとの対決に移るだろう。

イラクの恐るべき破壊、引き続くリビアの戦後崩壊は、シリア人民に降りかかろうとしている恐ろしいひな型を示している: 生活水準の急激な崩壊、国家の分裂状態、民族浄化、宗派および原理主義ギャングの支配、そして生命と財産の全面的な危機である。

「左翼」と「進歩主義者」たちこそが、あのリビアに対する残虐な攻撃が「反政府民主派の革命的戦い」であると表明し、ついで黒人系リビア人に対する戦後の人種主義的暴力で血塗られた手を洗ってさっさと立ち去り、こんどはシリアに対して同じ軍事介入の要求を繰り返すのだ。マンハッタンやパリのカフェやオフィスからシリアの「人道的危機」に干渉するよう欧米に要求している、この同じ自由主義者、進歩主義者、社会主義者、およびマルクス主義者たちは、ダマスカス、アレッポ、他のシリアの町々が服従しNATOによって爆撃された後、勝利に浮かれた傭兵たちの血塗られたどんちゃん騒ぎの中ですべての関心を忘れ去ることだろう。

(以上、松元保昭訳、童子丸開監修)
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童子丸開による蛇足

 このところ、世界の情勢は少しばかり奇妙な雰囲気に陥っている。

 3月20日に、あのアムネスティと共にリビアやシリアでの「人道的危機」の演出に精を出してきたヒューマン・ライト・ウォッチが、シリアの反政府勢力側のほうにも残虐行為があったと、実に正直に(実に薄気味悪くも)言い始めた。そして近ごろでは「残虐行為」「人権無視」の代わりに、アサドの夫人たちの贅沢癖を避難する新聞記事とニュースがやたらと出始めた。EUはどうやら夫人たちをEU圏内への渡航禁止ブラックリストに載せたようだ。(もう他にやることがなくなったんだろ!)

 と思ったら、一方で、米国国務長官クリントンが欧州諸国と日本をイランへの経済制裁(石油輸入禁止)から除外するとかなんとか言い出した。経済的な打撃が大きいことが理由らしいが、あの他国の経済など歯牙にもかけない米帝国としては、実にすばらしい温情あふれる決定である。(もっとも日本が失ったイラン利権は中国に移ったきり戻ってきそうにもないが…。)

 さらにその以前からアフガニスタンで、殺したタリバン兵士の死体に放尿する米兵の姿が公開されたり、でたらめな住民虐殺のでたらめな「解決」がアフガニスタン人をますます怒り狂わせたりと、オバマ政権がアフガニスタン・パキスタンから手を引きやすい状況が演出されている。(だったらさっさと米大陸に戻って二度と太平洋を越えるな!と思う。)

 かと思ったら、こんどはフランスで、北アフリカ移民系のフランス兵士3人が襲撃されて殺され、その数日後にユダヤ人学校の子どもと先生の計4人が殺害されるという痛ましい事件が起こった。(それでも、リビアやシリアで起こっていることと比べれば数千分の1かもしれないが…。)

 この事件は使用された武器が同じであり同一犯人と発表され、当初は、人種主義的思想の持ち主で軍をクビになったネオナチ系の人物ではないかと言われていたのに、急転直下、アルジェリア系フランス人の「アルカイダ」という、実に馬鹿馬鹿しい話になってしまった。(アルカイダはリビアでもシリアでも米国・NATOの重要な協力者だったわけだが…。)

 案の定、この「テロリスト」は頭を狙い撃ちされて(つまり生きて逮捕される可能性をゼロにして)要するに《死人に口無し》状態とされたわけだが、これは何となく2004年の311事件(マドリッド列車爆破事件)後に起きた「実行犯全員爆死」を思い起こさせる。犯人として頭にぶち込まれて射殺されたモハメド・メラーはとうてい「イスラム原理主義者」ではありえない車好きの単なる遊び人だが、何でもアフガニスタンで「テロ訓練」を受けたらしい。この種の事件では典型的な筋書きだ。2005年の77事件(ロンドン地下鉄バス爆破事件)の実行犯とされた者たちを髣髴とさせる。

 フランスの情報組織は以前からメラーの所在をつかんでおりFBIもブラックリストに載せていたとか言い出したが、欧州では、じゃあどうして連続犯行を防げなかったのか――この種の事件ではいつものようにだが――というような疑問も持ち上がっている。しかし一方で、連続射殺事件の犯人像が「ネオナチ」から「アルカイダ」に切り替わった瞬間に、何とも手回しよく、公園で自動車を走らせて無邪気にはしゃぎまくるメラーの姿があらゆるTVでしつこく踊り始めた。そもそも犯人の住むアパートを包囲し付近住民を全て排除し18時間後に射殺するまでの経過は闇に包まれているが、「対テロ戦争」ではいつものように、当局発表の筋書きに疑問を持つことは「ご法度」である。

 あとはどうせ好き放題の筋書きが、サルコジとワシントンとテルアビブの都合にあわせて、あくまで「対テロ戦争」「人道戦争」路線堅持の方向で作られていくのだろう。

 それにしても、どうやら情勢は西側(+イスラエル)にとって非常に都合の悪い状況になりつつあり、彼らはシリアとイランに対して腰が引けつつある様子だ。米国でも欧州でも「雲の上」で戦争推進派と慎重派の暗闘が起こっているように見える。おそらく、この西側(+イスラエル)の大混乱をひき起こした最大の原因は、その妨害工作の甲斐もなく再選されたロシアのプーチン大統領の、NATOとイスラエルはシリアとイランに手を出すな!という、国の運命を賭けた毅然とした態度だろう。再選されたときのプーチンの目に浮かんだ涙が全てを物語っている。(スペインの新聞では「ワニの目に涙」などと茶化されていたが…。)

 いまはもう、戦争狂いのイスラエルおよび米国内ウルトラ・シオニストどもがやけくそにならないことを祈るのみだ。

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