[CML 015744] 沖縄「捨て石」削除問題:3月17日新聞報道

maeda at zokei.ac.jp maeda at zokei.ac.jp
2012年 3月 17日 (土) 21:44:42 JST


前田 朗です。
3月17日

転送です。

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 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-03-17_31177/
 
 「捨て石」も削除 司令部壕説明板

 第32軍司令部壕の説明板を外国語に翻訳する際、県が原文から「沖縄を『捨
て石』にした」との文言を削除していたことが16日、分かった。県は「スペー
スの関係で要約する必要があった」と説明。しかし、「従軍慰安婦」「住民虐殺」
に続く削除に、文案を作成した検討委員会は「沖縄戦の本質に対する定見がない」
と県の対応を批判している。
 
  説明板には英語、中国語、韓国語で翻訳文を載せる。
 
  日本語の原文は「本土決戦を遅らせるための、沖縄を『捨て石』にした持久
作戦」となっているが、翻訳の基になる日本語文は、県の要約で「本土決戦を遅
らせるための持久作戦」に変えられた。
 
  また、原文の「将兵や県出身の軍属・学徒、女性軍属などが雑居」から「女
性軍属」が削られたほか、「多くの将兵と住民が命を落とすことになってしまい
ました」が「大勢の尊い命が失われました」の表現に入れ変えられた。
 
  県の下地寛環境生活部長は、県側が要約することは検討委の了承を得たと説
明。「文意を最大限生かしたつもりで、他意はない」と説明した。
 
  これに対し、検討委員長の池田榮史琉大教授は「沖縄戦の特徴を示すために
は、捨て石という強い言葉が必要だ」と強調。「県がことなかれ主義でどんどん
削った結果、のっぺりした文章になってしまった」と批判した。
 
 
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-188748-storytopic-11.html
 
 「捨て石」削除 本質から目を覆う暴挙だ
 
 県が第32軍司令部壕説明板の翻訳用文案から「捨て石」の記述を削除した。
沖縄戦の本質から国民の目を覆う暴挙だ。県は直ちに元の文案に戻すべきだ。

  誤解されがちだが、捨て石とは情緒的な物言いではない。資料に裏打ちされ
た歴史的事実である。

  1945年1月、大本営は帝国陸海軍作戦計画大綱を定めた。沖縄戦を戦う
上で法にも等しい公的文書である。

  そこには「皇土特ニ帝国本土ノ確保」を作戦の主眼とすると書いていた。沖
縄を「縦深作戦遂行上の前縁」と位置付け、「前縁」では「極力敵ノ出血消耗ヲ
図」ると定めていた。本土決戦に備える(縦深作戦)ため、時間稼ぎをする(出
血消耗を図る)のが目的なのだ。「捨て石」は、これを3文字に要約したものと
いえる。

  故に、住民を守るはずの軍が住民を戦闘へ巻き込み、時に壕から追い出すな
どした。沖縄戦の悲劇性の根源はこの方針にある。だからこそ、「捨て石」は沖
縄戦の核心、象徴であり、その削除は本質を覆い隠すことになるのだ。

  それだけではない。戦後も日本は独立と引き換えに沖縄を米国に差し出した。
本土で米軍基地が問題化すると、本土の基地は縮小して沖縄に基地が残り続ける
事態は放置した。戦中も復帰前も復帰後も、「捨て石」は沖縄と本土の関係を象
徴するキーワードなのだ。その削除は、現在に通底する問題を見失うに等しい。

  県は削除の理由を、元の文案が「長かったから」と説明する。耳を疑う。説
明板の検討委員は沖縄戦史に通じた専門家だ。文案には研究の成果が込められて
いる。それを削除するのに、「長かったから」が理由になるのか。

  委員によると、文案を議論する際、県の担当者は委員の意見を尊重し、むし
ろ積極的にくみ取る姿勢だった。

  してみると、「捨て石」の削除は、県上層部の意思ではないか。だが「捨て
石」は資料に裏打ちされた言葉だから、削除を正当化する理由はない。だからこ
そ「長いから」という理由にならない言い訳をこしらえた。そう解釈すればふに
落ちる。

  そうでないのなら、県は研究成果を尊重すべきだ。ことの本質を伝えず、後
から歴史を書き換えて何になろう。歴史から教訓を学ぼうとしない者は、過ちを
繰り返しかねないと知るべきだ。
 





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