[CML 015743] 日弁連理事会で不動産問題の意見書案が審議

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2012年 3月 17日 (土) 20:37:45 JST


日弁連理事会が2012年3月15日に弁護士会館で開催された。ここでは不動産問題に関係する意見書案が審議された。 

民法改正に関する意見書案では以下の意見が提示され、承認された。不実事実の告知を受けた者が事実を誤認し、その誤認により意思表示をした場合には、取り消しできる旨の規定を民法に設ける。契約の解除要件について、「軽微な不履行での解除を認めず、重大な不履行を要求する」考えには反対する。 

これまで日本では問題があっても契約を白紙に戻すことを中々認めなかった。林田力は東急リバブル・東急不動産から隣地建て替えなどの不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りされ、裁判で売買代金を取り戻した経験がある(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。この東急不動産だまし売り裁判が消費者契約法第4条第2項(不利益事実不告知)で不動産売買契約が取り消されたリーディングケースになったことが示すように、不動産売買契約の白紙化は容易ではない。 

東急不動産だまし売り裁判は氷山の一角である。東急リバブル・東急不動産の顧客に限定しても類似ケースは多数存在する。それ故に民法でも類似ケースが広汎に保護されることを期待する。 

住宅建築請負契約における前払金の規制に関する意見書案では以下の意見が提示され、承認された。住宅建築業者は注文者に対して、設計図書や代金内訳明細書や見積書また工事工程表を交付しなければならない。過剰な前払金請求の禁止と違反した場合の行政処分を含めた法的規制を設ける。 

今後の大震災に備えるための建築物の耐震化に関する意見書案の件では以下の意見が提示され、承認された。昭和56年以前の新耐震基準に準拠していない建築物所有者に耐震診断を受診する義務を課す。この基準を満たしていない建築物所有者は、一定期間内に改修もしくは除却する義務を負う。この工事に関する費用は国が正当な補償として支払う。 

建物の耐震補強は総論では誰も反対できない問題であるが、強制することは問題がある。東京都品川区の東急大井町線大井町駅高架下の住民は、耐震補強を口実に東急電鉄から生活保障もなく立ち退きを迫られている。この種の住まいの貧困が耐震補強の義務化で激化する危険がある。日弁連意見書では国の補償を義務付けることでバランスを取っている。 

宅地被害者の救済及び予防のための法改正等を求める意見書案の件以下の意見が提示され、承認された。大震災による宅地被害者の救済のための統一的かつ継続的な相談窓口を設置する。被災者生活再建支援法の対象に住家のみならず、宅地も加える。公的助成や税制上の優遇措置等の制度を拡充創設する。ハザードマップの対象範囲を拡大し、迅速な完成を図り、宅地建物取引業者の重要事項説明書において説明させる。除斥期間の硬直な適用を回避する。
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林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』
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