[CML 015699] 二子玉川ライズ住民訴訟が実質的和解で終結

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2012年 3月 15日 (木) 21:43:51 JST


二子玉川ライズ住民訴訟が2012年3月13日に東京都千代田区の東京高等裁判所808号法廷で開かれた口頭弁論において実質的和解が成立した。都市計画を巡る住民訴訟が実質的和解で決着することは極めて異例である。住民と行政が話し合える関係に入れたことが今回の決着の背景にあり、その成果が今後は注目される。

二子玉川ライズ住民訴訟は東京都世田谷区の住民約130名が二子玉川東地区市街地再開発(街の名称:二子玉川ライズ)への公金支出を違法として世田谷区長を提訴した裁判である。住民側は超高層ビル・営利施設中心の二子玉川ライズが都市計画公園・風致地区・景観重視という二子玉川の都市計画の方向性に逆行し、都市計画への適合を求めた都市再開発法第4条第2項第1号に違反するなどと主張していた。

一審・東京地裁判決は住民側の主張を一部棄却・一部却下したものの、再開発地域の用途変更や公園予定地の変更が決定される前に、世田谷区と東急電鉄等の間で複数回の覚書が締結されていた事実を認定した(林田力「二子玉川公金支出差止訴訟で住民側控訴(上)」PJニュース2010年6月7日)。

二子玉川東地区再開発には2000年度から2010年度までの10年間で約425億円の税金が投入されたことが判明している(林田力「二子玉川再開発への税金投入額が400億円超と判明」PJニュース2011年8月10日)。1期2期事業合わせた総額は700億円を超えると見られている。また、「二子玉川ライズ オフィス」などのビル風で転倒者・負傷者が出るなど地域環境の破壊が大きな問題になっている。

2011年4月の統一地方選挙で大型開発の見直しを掲げる保坂展人氏が世田谷区長に当選し、被告である世田谷区長の対応が注目されていた。裁判所も区長交代による区政の変化に関心を示していた(林田力「二子玉川ライズ住民訴訟、保坂世田谷区長就任による変化に裁判所も関心示す」PJニュース2011年7月1日)。

口頭弁論では最初に住民側代理人の渕脇みどり弁護士が以下の内容で陳述した。

「世田谷区長は二子玉川東地区市街地再開発事業によって発生した風害、水害の危険などの権利侵害に対し、関係各機関と連携し、世田谷区のまちづくりとして十分な対策を講ずる。

世田谷区長は、二子玉川第二地区市街地再開発事業(第二期事業)に対する公金支出については、前項の点も踏まえ、事業の公益性を十分に検証する。

被控訴人世田谷区長は、住民参加の手続きを尊重する。」

続いて世田谷区長側が以下の内容を陳述した。

「世田谷区では、再開発事業等の市街地整備におきましては、今後とも地域住民の意見を幅広く聞き、住民参加を大切にした、丁寧な街づくりを進めてまいります。

二子玉川東地区におきましては、事業者が「インフォメーションプラザ」を開設し、区民の皆様への情報提供や個別相談に対応する場所ができました。区としては、より良い街づくりの実現に向けて、今後、「インフォメーションプラザ」の活用と充実を図る取組みが行われるべきであると考えています。

また、地域住民にとって身近な公共性・公益性をさらに高める観点から、図書館等と交流スペースの設置など、公共空間の拡充の実現に向けて事業者との協議も始めております。

再開発区域周辺の環境影響に対しましては、区としても環境に十分留意して、法令に基づく環境影響評価の手続きに則った適切な対応はもとより、きめ細やかな対応を事業者に求めてまいります。風環境については、まず、予定されている風対策を事業者に実施させてまいります。」

この後で住民側は訴えの取り下げを申し出て、区長側が取り下げに同意した。さらに住民を代表して二子玉川で生まれ育った飯岡三和子・原告団長が陳述した。「この裁判の審理の中で、領収書や契約書類すら提出されないまま、億単位の補助金がノーチェックで支出されている事実をはじめ、様々な形での行政と事業者の癒着の実態が明らかにされてきました」と二子玉川ライズの問題を明らかにする。
http://hayariki.net/futako/appeal120313.html
その上で「今回の世田谷区長との実質的和解をステップにさらに、広範な区政のあり方、二子玉川再開発事業に関連する諸問題を解決し、真に住民が主人公の住民の福祉に沿うまちづくりを実現するために今後も一層強い取り組みを進めてまいります」と宣言した。

最後に裁判長が以下の発言で口頭弁論を締めた。「今回の内容を双方ともしっかりと受け止め、今後、紛争を予防し、紛争を解決し、健全な街の発展のために双方が努力されることを裁判所からもお願いします」

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林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』
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