[CML 015612] 「福岡に避難しているママの思い」という一文を好意的に転載する認識の危うさについて

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2012年 3月 10日 (土) 12:24:49 JST


主に熊本を発信源とする、が、全国規模のメーリングリストに「福岡に避難しているママの思い」(最下段参照)という一文を
転載する人がいました。以下はその方への反論のようなものです。どのような種の情報をデマ情報、あるいはノイローゼ情
報というのか。そのことに関する応答です。いま、アクチュアルな問題として最も緊急に考察を必要とする課題である、と私
は思っています。転載させていただきます。

Hさんが紹介されている下記のような情報をデマ情報、もしくはノイローゼ情報というのだと私は思います。

*「がれき」問題については私も多くの発言をしていますが、主題が錯綜するといけませんので今回は割愛します。

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そしてなにより悲しいことに、大切な我が子や自分の身体に異変が起こりました。
鼻血がでました。血便がでました。下痢が止まりません。
湿疹がひどくなりました。風邪をひき続けています。甲状腺にしこりができました。
血液の状態に問題があると指摘されました。子どもの未来を考えると眠れません。
うつっぽくなりました。
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放射線による影響で「鼻血や血便や下痢が出る」などの現象は大量の放射線を一気に浴びた場合に生じる現象で、出血
性の病気を普段診ている立場の血液内科医によればそのうち出血は放射線によって血液細胞のひとつの血小板をつくる
ことができなくなることから生じる現象だということです。そして、その放射線による血小板減少は少量の内部被曝ではなく、
強力な外部被曝によって生じます。そしてさらに「血小板がほとんどなくなってしまうくらいのダメージが造血幹細胞に入る
のは『大量の放射線が』『一気に』当たった場合」で、「具体的には2グレイ(≒2000mシーベルト)以上の放射線量の被ば
くをしたときに生じる、ということです。
http://togetter.com/li/150517

上記の血液内科医の所見は下記の放射線科医の所見とも一致します。
↓
http://togetter.com/li/149186

下記で新自由主義経済学者の池田信夫氏から批判されている肥田舜太郎氏(ヒロシマの被爆医師、95歳)も上記のよう
な症状を見たのは広島に原爆が投下された直後の4日目の朝のこと、すなわち、大量の放射線を一気に浴びた直後のこ
とだった、と証言しています。

■池田信夫氏の肥田舜太郎氏批判「『内部被曝』という都市伝説」(BLOGOS 2012年1月5日)
http://blogos.com/article/28440/
■肥田舜太郎氏(ヒロシマの被爆医師、95歳)の証言(CML 2012年2月3日)
http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-February/014589.html

私は池田信夫氏のすべての言説に賛同するわけではありませんが(注)、

「ある人が『放射線を浴びた』という事実と、彼が『鼻血を出した』という二つの事実があったからといって、前者が後者の原
因だという因果関係の根拠にはならない。それを証明するためには、放射線が鼻血の原因になるという生物学的メカニズ
ムと、強い放射線を浴びた人に鼻血を出す人が多いという疫学的データが必要である。町医者が1人の患者の例から言え
ることは何もない。」

「ニューズウィークにも書いたことだが、このように『あれも放射能これも放射能』と騒いでノイローゼになることが、原発事故
による健康被害の最大の原因である。」

という池田氏の言説には深く共感します。

池田氏は上記の論のほかにも「一部の『脱原発派』の『カルト化』」現象の具体例としていまや彼がトンデモ「学者」だったこ
とが明白になっているクリス・バズビーなる「学者」の問題性及び彼を日本に呼んで記者会見させた岩上安身氏、上杉隆氏
を代表とする自由報道協会なるジャーナリズム団体の問題性なども指摘しています(下記記事3頁)。

■メディアの大騒ぎが作り出す原発の「危険神話」 過剰報道が風評被害と2次災害を拡大する(JBpress 2012年1月4日)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34244
*上記記事を読むためには無料登録の手続きをする必要があります。

なお、自由報道協会(上杉隆代表)の問題性については私も下記弊ブログでいくつかの点について言及しています。

■「糞バエ」の意地を見せた高田昌幸氏(元北海道新聞記者)の「自由報道協会賞」受賞辞退の弁(弊ブログ 2012年1月28日)
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-389.html
■「ベラルーシ:チェルノブイリ事故後1年で甲状腺がんが増加」という記事(「ざまあみやがれい!」ブログ)の稚さと「郡山
4歳児と7歳児に 「甲状腺がん」の疑い!」という記事(週刊文春)の誤りについて(2012.03.07 )の最下部の注参照
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-404.html

注:岩波書店社員(元「世界」編集部)で「<佐藤優現象>批判」(『インパクション』第160号)の著者である金光翔さんは
池田信夫氏について次のように論評しています。

「池田は無茶苦茶な主張を展開していることも多いが、その左派批判はしばしば正しい。池田は、マスコミやリベラル
・左派があえて「空気」を読んで沈黙しているか、何らかの「空気」を作ろうとしている点を、身も蓋もないやり方でぽー
んと衝くことがある(<佐藤優現象>の件や、岩波書店による私への弾圧の件も取り上げていた)。だからこそ、私の
ように池田の主張の大半には同意しない人間も、たまに池田のブログやツイッターを見るのであり、恐らくウェブ上の
池田の読者はある程度はそうである。池田の方が、大多数のリベラル・左派系の書き手よりも、面白さや快・不快さ
の感覚からすれば、一般人の感覚に近いものを持っている。」(私にも話させて メモ21)
http://watashinim.exblog.jp/14623869/

上記の金光翔さんの池田信夫氏評価は私の池田氏評価にも一致します。


元情報:
===================== 転送ここから=====================
がれき受入のことで、8日(木)には東大キャンパスで巻き返しを図った このようなシンポジウムが行われるようですね。
> > http://www.bdstudio.komex.c.u-tokyo.ac.jp/diarypro/diary.cgi?no=12

また知人の娘さんは原発直後、生まれたての双子を連れて関 東や被災地から福岡に避難し、
今、福岡で同じように避難してきた若い母 親たちと懸命に暮らしています。
その彼女から「仲間が綴った思い」が送られてきました。切実ですね。こうした気持ちに共感していきたいです。
Web も立ち上げています。「ママは原発はいりません」福岡 です。 
http://mamagen.jimdo.com/


-----福岡に避難した若い母親たちからのメッセージ - - - - -
仲間が綴った思いです。

=「ママは原発いりません」がなぜ「脱原発」を叫んでいるのか。=

ママ原のメンバーの多くは放射能から避難してきた原発被災者です。そしてそれに寄り添う者たち、で構成されています。
原発被災者の苦しみ、悲しみ、そこから立ち上がっていくこと、それを経験してきたり、間近で見てきている人たちです。

私たちは帰る家を失いました。生まれ育ってきた故郷に二度と戻れなくなりました。
避難場所を転々として地に足がつきません。家族が離れて生活することになりました。 


親に孫の顔を滅多に見せることができなくなりました。クリスマスもお正月も誕生日も、家族ばらばらでした。
友人、親せきと疎遠になりました。周囲からノイローゼ扱いされました。
長年誇りをもってしてきた仕事を捨てました。子どもを泣かせて、それでも転校させました。
被曝の危険を理解してくれない夫と離婚しました。たった1人で知らない土地で子どもを産みました。
住めない家のローンを払い続けなくてはいけません。避難生活でもう貯金が底をつきました。

そしてなにより悲しいことに、大切な我が子や自分の身体に異変が起こりました。
鼻血がでました。血便がでました。下痢が止まりません。
湿疹がひどくなりました。風邪をひき続けています。甲状腺にしこりができました。
血液の状態に問題があると指摘されました。子どもの未来を考えると眠れません。
うつっぽくなりました。

これは、私自身や私が福岡で出会った友人たちの生の声です。
1年たってもまだまだ終わらない。この先、一体どうしたらいいのか。
自分たちはどこに行くのか。離れることで薄れていく家族の絆を取り戻せるのか。
そしてこの先、我が子が病気になるかもしれないという不安。
悲しい、苦しい、悔しい、さみしい、憤り、怒り・・・心の中がぐちゃぐちゃになりそうなこともありました。

でも、自分たちはつらいんだと声高く愚痴ったりできないのは、
この悲劇を引き起こした原因の一端に自分たちの無知、無関心があることに気付いているからです。
原発の事故がこんなことを招くなんて夢にも思わなかった。
私たちが何気なく使っていた電気を作るシステムは、人口の少ない地方に危険な原発を押し付け、
そこで働く原発労働者に被曝を強いて病にさせる、そういう誰かの犠牲の上に成り立っているものだった。

そんなこと自分たちに火の粉が降りかかってきて初めて知りました。
自分たちは間接的だけど加害者でもあるのです。これまでの自分の無関心さに心から反省、後悔もしているのです。
福島では1年たっても、10年たってもその先もずっとこの苦しみと戦っていかなきゃいけない。
それは想像を超える苦しさではないかと思います。もうそんな思いをする人をこれ以上増やしたくない。
またどこかで事故が起きて手遅れになる前に気付いてほしい。

九州は福島を、東北関東を助けられるところだから。だからママ原は「脱原発」なのです。
イデオロギーでも自己満足でもなんでもないのです。
こんなひどいことになる原発、子どもの未来にはいらないよねって親として、人間として、当たり前のことを言いたいだけなのです。
福岡の人たちに私たちの経験を、生の声を聞いて知って欲しい。だから私たちは子どもを抱えて声をあげ続けてきました。

知っているのに沈黙することは罪だろうと思うから。大人の、みんなの沈黙が子どもを虐げることになるのだから。
今、この瞬間も人がいてはいけない高線量地区で、子どもたちが色んな事情でやむなく暮らしているのです。
家族が、友人が、恩師が、大切な人たちが暮らしているのです。脱原発を訴えることは原発被災者と寄り添うことだとも思っています。
=============== 転送ここまで ===============


東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/ 



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