[CML 015545] 米軍放射線研究所シンポで、DU(放射性廃棄物)の危険性を指摘(2010.11)

Kazashi nkazashi at gmail.com
2012年 3月 7日 (水) 19:37:21 JST


[転送・転載歓迎。重複受信される方、ご容赦ください]

 最近、ICBUWのホームページやツイッターでも伝えられていますが、
2010年11月4日、”Military Deplete Uranium: Science, Policy and Politics”(軍事的劣化ウラン:科学・政策・政治)と題されたシンポジウムが、米軍放射線研究所(AFRRI=Armed Forces Radiology Research Institute)で開かれた際、同研究所研究員のアレクサンドラ・ミラー博士が、劣化ウランに関して今までに行われてきている科学的研究についてまとめたリビューを二つ報告し、劣化ウランの危険性を明確に指摘しています。
 これらのリビューは、パワーポイントによるものですが、他の報告とともに、下掲の同研究所サイトにアップされています。
 http://www.usuhs.mil/afrrianniversary/events/DUsymp/agenda.html
 
 [なお、ミラー博士は、2006年に、Depleted Uranium: Properties, Uses, and Health Consequencesと題された論文集を編集・出版しています。]

 ちなみに、このシンポジウムの最後の報告は、所長のメランソン大佐によるもので、”The International Science and Politics of Depleted Uranium”(劣化ウランをめぐる国際的な科学と政治)と題されていますが、アップされているパワーポイントを見ますと、「劣化ウランの危険性は科学的に立証されていない」という、米軍の従来の公式見解に沿ったもので、劣化ウラン兵器禁止キャンペーンや危険性を警告してきている科学者の活動などを揶揄した、きわめて“乱暴な”パワーポイント報告となっています。劣化ウラン問題に関して、米軍放射線研究所においてシンポジウムが開かれたという事実そのものがとても興味深いですが、ミラー博士と所長のメランソン大佐との間には激しい対立があるものと思われます。
 ご参考までに、ミラー博士による二つのリビューの結論部分を試訳してみました。   

***
Alexandra C. Miller, 
[1] Comprehensive Review of DU Studies in Vitro
(生体外実験(in Vitro)に基づくDU研究に関する包括的リビュー):

Conclusions(結論)
1. DU induces neoplastic transformation, 
mutagenicity, and genotoxicity in vitro. (劣化ウランは、生体外実験において、腫瘍性形質変化、変異原性、遺伝毒性を誘発する)
2. DU is involved in uranium-induced genomic 
instability. (劣化ウランは、ウランによって誘発されるゲノム不安定性に関わっている)
3. Alpha particles similar in energy and distribution to those resulting from cellular uranium exposure to DU are sufficient to transform cells.(劣化ウランへの細胞暴露から生じるものと、エネルギーと分布において類似したアルファ粒子は、細胞変異を生じさせるに十分である。)
4. Radiation bystander effects are involved in uranium-induced neoplastic transformation and genomic instability.
(放射線によるバイスタンダー効果が、ウランによって誘発される腫瘍性形質変化およびゲノム不安定性に関わっている。)

[2] A review of Depleted Uranium Biological Effects: In vivo studies
(劣化ウランの生物学的影響に関するレビュー:生体内実験 [動物実験])

Conclusions from in Vivo studies:(生体内実験の結論)

Internalised chronic DU exposure in vivo:(生体内の慢性的劣化ウラン被曝は)
1.	causes uranium re-distribution to multiple organs.(多臓器にウランが再分布する)
2.	is associated with mutagenicity.(変異原性に関与している)
3.	induces chromosomal damage.(染色体損傷を引き起す)
4.	induces leukeamia development in mice.(マウスにおいて白血病を引き起す)
5.	causes preconceptional paternal exposure to induce genomic damage in unexposed offspring.(授精前の父親被曝は被曝していない子孫に遺伝的損傷を引き起す)
6.	induces germ cell DNA damage.(生殖細胞のDNA損傷を引き起す)

(訳注:上記以外に、劣化ウランに神経毒性があることを示唆する動物実験なども紹介されています。)

以上。        嘉指信雄、ICBUWヒロシマ・オフィス
           振津かつみ、ICBUW運営委員/科学チーム
           http://icbuw-hiroshima.org/
                                       『ウラン兵器なき世界をめざしてーICBUWの挑戦ー』(合同出版、2008)



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