[CML 014683] 消費税アップと定数削減は民主政治の破壊

OHTA, Mitsumasa otasa at nifty.com
2012年 1月 31日 (火) 20:35:37 JST


[転送・転載歓迎します。重複受信の際はご容赦ください。]

脱原発に比較的理解があると思われる東京新聞や毎日新聞でさえ、「信頼獲得論」に基づく定数削減(東京)、「身切り論」に基づく定数削減(毎日)を主張しています。

「議員自ら身を切る模範を示すためには定数削減のみならず歳費の削減、政党交付金見直しなどに幅広く取り組むべきである」(毎日新聞、1月19日社説)

「国会と行政の無駄削減に努めてほしい。(中略)消費税率引き上げまでに、国民の納得と信頼を得るため、衆院議員定数八〇削減や国家公務員給与の削減、…」(東京新聞、1月14日社説)

「身切り論」という神話を宣伝して原発震災被災者が脱原発少数政党に託す1票の価値をさらに切り崩すことに貢献する。原発事故が民主主義・差別の問題として考えられていない。

社説に対抗してというわけではありませんが、「平和への結集」をめざす市民の風として声明を発表しました。


太田光征

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消費税アップと定数削減は民主政治の破壊――民主党の「財源を生み出す努力」はまだ不足している
http://kaze.fm/wordpress/?p=349

2012年1月31日

1 消費税アップの問題

 消費税アップについては民主党のマニフェストに記載されていない。消費税の導入は歴代の自民党が主張し、これまで野党の反対を押し切り、現在の消費税5%を実現してきた。今回の民主党の消費税アップは自民党路線を踏襲することになる。

 民主党のマニフェストでは「税金のムダづかい」を再生産している今の仕組みを改め、新たな財源を生み出す、とある。

 民主党は現在、消費税に代わる財源をどこにも生み出せないと判断し、見通しのなさを認めたことになる。

 ではなぜ見通しが誤っていたのか、どのような努力をしてきたのか、今もしているのかを明らかにし、政権担当任期中に総括し、国民に謝罪すべきである。

 民主党が新たに消費税アップを主張するのであれば、国民に謝罪し、公正な選挙制度を創出した上で、解散総選挙に臨み、公正な議席構成の国会で熟議することである。途中での変更は許されない。

 マニフェストから離れても、そもそも多くの国民が否定している消費税アップをごり押しすることは、民主政治の破壊である。

2 私たちは財政収入が減ったのは過去の自民党の政策にある、と考えている。財政悪化の原因は法人税減税、高所得者減税にある。

 1990年代以降、日本の国民所得はほとんど伸びていない。1989年度から2010年度までの21年間に、国民所得の増加は8%弱に過ぎなかった。この期間に、国税収入は16.7兆円減った。法人税は10兆円、所得税は8.4兆円の減収であった。この間に法人税率は40%から30%に、所得税は最高税率が50%から1999 年〜2006 年にかけて37 %、2007年から40%に減税されたことの影響が大きい(1974年から10年間、最高税率は75%であった)。またこの21年間に消費税は5.9兆円増加した。この結果、企業の内部留保金は1989年の136兆円から2010年では2.7倍の368兆円となった。こうしてできた収入減による財政赤字を消費税アップで補い、貧富の格差をさらに広げようとしている。

 民主党政権はまず、法人税減税と高所得者減税をもとに戻すこと、これを消費税アップより先に行うことである。これは「国民の生活第一」を掲げたマニフェストに合致することである。

 米政府のオバマ大統領は富裕層の税金をアップして、中間層の所得を確保すると述べている。野田首相は富裕層の増税を明言せず、低所得者層にとって重税となる消費税アップを明言し、オバマ大統領と180度の違いを示している。

3 議員歳費削減は正論だが定数削減は誤り

 民主党は議員定数削減をマニフェストに掲げているのでそれを実現する、と主張するだろうが、マニフェストの内容すべてに有権者が賛同したわけではない。ましてマニフェストに掲げていない消費税アップなど国会で提案すべきではない。

 民主党幹部や評論家は、消費税アップを実現させるためには「政治家が自ら身を切る」必要があると述べ、議員定数削減をその例に挙げているが、これは誤りである。議員定数は国民、有権者がその代表を選ぶ権利を行使するに十分なだけ確保されなければならない。議員の歳費削減は一部の国民の要求としてあるが、定数削減は多様な民意を人為的に切り捨て、国民の声を反映させる機会を縮減するもので、民主主義の否定となる。これは誤った歳費削減方法であり、政治を少数者で支配しようとする財界的発想である。私たちは、多額の報酬をあてにせず国民に奉仕する議員が多く選出されることを望んでいる。私たちは消費税アップを実現させるために、政治家が自ら身を切る、議員定数を減らす、というまやかし、策略に反対する。

 なお、小選挙区制の枠組みを残したまま0増5減などにより「1票格差是正」を行ったとしても、小選挙区制という巨大な格差そのものの前に、ほとんど意味を成さないことを指摘しておきたい。

4 福島原発事故は定数削減が無駄削減にならないことを示している

 政府が1960年に原発事故の被害額を試算したところ、現在の価値に換算して約200兆円という結果を出した。福島原発事故の被害すべてを東電が補償したとしても、東電の顧客である市民が負担することになるのである。最終的な被害額は不明だが、政府・国会が原発政策を進めてきた結果、途方もない負担を国民に押し付けることになった。

 国会が少数意見であったとしても反原発の意見を大事に反映するものであったならば、今回のように膨大な財政負担を避けることができたかもしれない。議員定数を削減することで民意を削る、民主主義を切り崩すことが、経費削減どころか膨大な経費増大、国民負担をもたらし得ることを福島原発事故は不幸な形で示した。

 このような教訓を国会議員は学ばなければならないはずなのに、沖縄に基地、地方に原発を押し付ける前に身を切るべきだ、などとは一切語ったことのない国会議員が、原発事故に伴って既に膨大な財政負担を強いられている状況下で、消費税アップという負担をお願いする前に限って身を切ると偽り、有権者の意見を切り捨てるなどということは、国民を冒涜していることになる。

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