[CML 014600] 【アジアの目】インフラ輸出 官民連携で攻勢 600兆円市場

uchitomi makoto muchitomi at hotmail.com
2012年 1月 27日 (金) 04:03:24 JST


【アジアの目】インフラ輸出 官民連携で攻勢 

2012.1.26 05:00 

経済成長著しいインドネシアでは、都市部での人口増もあってクリーンな水の供給など生活環境の整備が急がれる(AP)

 国際協力機構(JICA)は、官民連携(PPP)インフラ整備事業の新たな調査案件8件を決めた。インドネシア、フィリピン、ベトナムなど6カ国で電力、上下水道、高速道路、鉄道などの整備事業にかかる調査を行う。PPPインフラ事業は、政府が進めるパッケージインフラ整備の海外展開を進めるうえで有効な手段とされ、関係者の期待は高い。

 ◆600兆円市場

 アジア開発銀行(ADB)などによると、経済成長著しいアジアでは2010年から20年までの10年間で、各国インフラ整備のニーズが8兆ドル(約622兆円)規模にも上るとされる。このほか、広域インフラ整備事業も必要だ。

 いうまでもなく、インフラ整備には莫大(ばくだい)な費用がかかる。このため、欧米各国は1980年代から政府開発援助(ODA)に民間の力を組み合わせたPPP事業を展開してきた。

 PPPを進めることで民間資金も投入され、国としての支援総額を増やすことができる。一方、民間は政府のバックアップがあるため、リスクのある国にも進出しやすくなる。さらに完成したインフラを運営することで利益を得られる。

 一方、支援を受ける側も、鉄道や発電所などなら、当初は運転を援助国企業に委ねることで安全が保証され、さらに技術を学べるなど、PPPは双方にとって有益な手段とされる。

 日本もODA予算の減少が続くなか、2000年代に入りPPPの研究が始まり、JICAでは10年3月に本格導入した。

 ODA資金を使うことを前提に、計画段階から民間の知恵を生かすため、事業提案そのものを公募する。今回で公募は4回目で、1回目は9件、2回目2件、3回目8件で、今回を合わせると計27件に上る。内訳をみると、ベトナムが13件と最も多く、次いでインドネシア7件、フィリピン2件、マレーシア、モンゴル、インド、イラク、スリランカが各1件となっている。

 ベトナムとインドネシアに集中しているのは、両国ともに国内のインフラ整備に力を入れていることもあるが、日本企業自身が、成長を続ける両国市場への進出に強い期待を持っているためのようだ。

 ◆安値勝負の中国

 ただ、いまのところこれまで提案した27件の事業で、相手国側との契約にまで至った事業はまだないという。

 こうしたインフラ整備事業は、各国とも入札が前提のため、中国企業などが国をバックに、想定以上の安値で契約を取っていくケースが多かったことも背景にはある。

 中国企業はいったん契約すると、資材だけでなく大量の労働者を送り込んで来る。地元に雇用を生まないばかりか、完成後も、そのまま労働者が居着くことが多いため、各国では中国のインフラ輸出に対する警戒感が強まっている。

 さらに、欧州の金融危機で欧州連合(EU)各国のアジア進出に陰りが見え始めているだけに、日本企業にとっては、インフラ輸出に限らず、アジア市場への進出につなげる好機といえそうだ。

 ただ、PPP事業を展開するにしろ、相手国政府だけでなく国民の思いに、いかに沿うかが重要だ。例えばダム建設のようなものは、地域住民の反発を買いやすい。策定にあたっては、企業やコンサルタントだけでなく、地元で活動する国際NPOなどとも連携し、十分な情報収集が不可欠だ。それこそ中国にはできないことなのだから。(編集委員 宮野弘之)

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120126/mcb1201260502010-n1.htm 

 		 	   		  


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