[CML 014451] ある「脱原発」主義者との問答――「原発推進」政党の民主党やみんなの党に投票するという「脱原発」主義者を脱原発主義者といいえるのか?

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2012年 1月 19日 (木) 19:28:43 JST


先の私の「脱原発を掲げた新党結成現象は政治革新の原動力になりうるか? ――私は否定的です。」(2012.01.17付)
という論に対して「東本さんの定義では、現状のどの党が「革新政党」なのでしょうか?」という軽いカウンター・パンチ
(ご本人はおそらくそのつもりだったでしょう)を打ってきたある「脱原発」主義者がいます。以下は、その人との問答の
記録です(構成は少し変え、文章も要約しましたが内容はそのままです)。この問答を通じて、はからずもそのある「脱
原発」主義者が「脱原発」を言いながらみんなの党の某議員を支持していることがわかりました。

果たして「脱原発」を主張することと「原発推進」政党としてのみんなの党や民主党(の議員)を支持することは両立す
るのでしょうか? 「脱原発」を主張しながらあれこれの理由をつけて選挙ではみんなの党や民主党を支持する(小沢
氏を支持することも菅氏を支持することも当然含みます)という人は想像以上に多い、というのが残念ながらの私の実
感です。こうした「われわれ」の側の現実の矛盾、理念の矛盾。思想の矛盾。その元のところをまずかえなければ「脱
原発」は絶対に実現しない。「原発推進」政党を支持するという彼ら、彼女たちの「脱原発」の主張(それも強硬な)とは
いったいなんなのか。と、その彼ら、彼女たちの思想と理念の矛盾の甚だしきに歯噛みし、憤りを隠せないのですが、
一方でこれがこの国の〈市民〉の民主主義感覚、民意というものの限界というべきなのか、という悲観と諦念の思いも
あります。 

しかし、そうではないだろう。政治を変えることでしか実際には脱原発を実現する手立てはありえない。そうではありま
せんか? と、改めて問いかけたい思いで下記の問答をまとめました。



【私】 革新・リベラルの側からの脱原発を掲げた新党結成現象(「緑の党」や「緑の日本」の新党構想を含む)は政治
革新の原動力になりうるでしょうか? ――私は否定的です。
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-380.html

【ある「脱原発」主義者】 「革新政党間の選挙協力 」ということですが、東本さんの定義では、現状のどの党が「革新
政党」なのでしょうか?

【私】 現有の国会議員を有している勢力として考えられるのは共産党と社民党が一応の革新政党だと思っています。
「脱原発」を明確に言っているのもこの2党だけというのが私の評価です。民主党は政党としては「原発推進」政党と
いうべきであり、その点でも革新政党とはいえない、というのが私の判断です。この私の判断をもちろん人さまに強制
することはできませんが、私は民主党は断じて革新政党とはいえないことを強く訴えていくつもりです。そうしなければ
ならない、と考えています。

【ある「脱原発」主義者】 つまり、東本さんは、「民主党に属している議員個人はすべて、原発推進派とみなす」 とい
うことでしょうか。 政党というのは普通、シングルイシューではありません。自民党にも公明党にも、原発推進政策に
批判的な議員はいるでしょう。「政党単位」の東本さんの論理に疑問を感じるワケです。いま、一般国民の最大のイシ
ューは「原発」【放射能」への不安でしょう。ほかの多くの政治課題では意見がまとまらなくても、原発反対のシングル
イシューなら、大同団結出来るかもしれない。そのチャンスでしょう。いまは、原発反対/廃絶のために、ほかのことは
目をつぶるべし、私はそう思います。

【私】 では、「民主党に属している議員個人」の中で「原発推進派」でない人、すなわち「脱原発派」の人がいるという
のであれば具体的にその議員名をあげてみていただけますか? あなたは何度も民主党の菅直人前首相を前首相
を「脱原発派」の人のように言っていますが、そうでないことは私も何度も論証しています。その菅直人前首相を含め
て一部の人から民主党「脱原発派」と称揚されている人が実はそうではないことを下記でも論証していますので再掲
しておきます。あなたは「いまは、原発反対/廃絶のために、ほかのことは目をつぶるべし、私はそう思います」とおっ
しゃいますが(私はそうは思いませんが論点を拡散させないためにこれ以上のことはここでは述べないことにします)、
その「原発反対/廃絶」なら「原発反対/廃絶」をシングルイシューとして明確にしている民主党議員とはどういう人のこ
とを言っているのでしょう? 私はとんとそういう民主党議員に心当たりはありませんのでご教示いただければ幸いで
す。しかし、そうではないことを反証して見せます。
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-374.html

【ある「脱原発」主義者】 「原発推進政策に批判的」かどうか、政治家それぞれについての判断は有権者個人の問
題です。自分の選挙区にいないひとについて云々しても仕方ありません。私の場合は、「みんなの党」の浅尾慶一
郎がいます。防衛問題については、まったく見解が違います。しかし、原発反対については「みんなの党」は明確で
す。いや、そうではない、とあなたが「反証」してもそんなことは私の判断に影響しません。

【私】 みんなの党は先の2010年参議院選挙時の同党のマニフェストでは原子力、原発政策については特に明確
な言及はありませんでした。が、3・11以後の昨年の3月31日にあった「日本からヨルダンに原子力技術を供与す
るための原子力平和利用協定締結承認案件」の国会での投票においては全員賛成票を投じました。参院での投票
結果は以下で見ることができます。むろん衆院でも全員賛成票を投じました。この中にはあなたのいう浅尾慶一郎
氏も含まれています。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/177/177-0331-v013.htm
  関連記事:
  ■「ヨルダンとの原子力協定案を可決 原発事故後初の国際協定」(共同通信 2011/03/31 )
  http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011033101000806.html 

  参院は31日夕の本会議で、日本からヨルダンに原子力技術を供与するための原子力平和利用協定締結
  承認案件を、与党などの賛成多数で可決した。協定は参院先議。衆院でも近く可決、承認される。東京電力
  福島第1原発事故発生後、初の原子力協定承認となる。/政府、与党は韓国、ベトナム、ロシアとの協定の
  早期承認も目指している。/原子力協定は、日本企業が原発関連機材、核物質、原子力技術を他国に供与、
  移転する際の法的根拠。今回の協定案は、日本とヨルダン双方の原子力利用を平和目的に限定することな
  どを明記した。/ヨルダンでは三菱重工業とフランスのアレバの企業連合がロシア、カナダ勢と受注を競って
  いる。ヨルダン側の判断に、福島原発事故が影響する可能性もある。
口先で脱原発を言っても日本の原子力技術の外国への供与に賛成するような政党、人の「脱原発」の主張は端的
に言って〈うそ〉というほかありません。ちなみに浅尾慶一郎氏は「電力の発送電分離と自由化」について肯定的な
見解を語ったことがあり、そのことについてあなたは「脱原発」政策の一環として大変評価されていたことがありまし
たが、「電力の発送電分離と自由化」と「脱原発」の主張が直接リンクするわけではないことは上記の弊論でも再度
指摘し、論証しておきました。
http://www.youtube.com/watch?v=M4xcEbyZytk

あなたは「いや、そうではない、とあなたが『反証』してもそんなことは私の判断に影響しません」などとおっしゃいま
すが、まったく非論理的な精神というほかありません。「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」(「論語」学而)とは昔
からの論理と倫理の基本です。また、あなたが日頃言っていることとも違います。

またあなたは「自分の選挙区にいないひとについて云々しても仕方ありません」などともおっしゃいますが、私たち
はいま「国政」を論じているのです。「自分の選挙区」以外のことは「云々しても仕方」ないという論理は、自民党型
のこれまでの利益誘導型政治とたやすく結びつきやすい脆弱な性質を持つ論理であるとは以前から指摘され、指
摘され尽くしていることです。

【ある「脱原発」主義者】 噛み合わないからもうやめましょうね。



東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/


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