[CML 014245] 太陽光と原子力のコスト――歴史的交差点/1月21日松戸「いまからできること!~放射能とエネルギーのはなし~」(田中優さん講演会ほか)

OHTA, Mitsumasa otasa at nifty.com
2012年 1月 12日 (木) 10:04:01 JST


[転送・転載歓迎します。重複受信の際はご容赦ください。]

田中優さんが昨年あたりの講演で、米国では太陽光発電のコストが下がり続け、新規原発の発電コストが上昇し続けている結果、2010年に両者のトレンドラインが交差したという主旨のことを紹介していました。典拠が私にとって不明でしたが、米デューク大学名誉教授のジョン・ブラックバーンらが2010年に発表した論文であるようです。その抄訳を東日本大震災被災者支援千葉西部ネットワークのブログに載せています。

太陽光と原子力のコスト――歴史的交差点
http://2011shinsaichiba.seesaa.net/article/245449247.html

その田中優さんの話を含むイベントが1月21日に松戸市民会館で開催されます。放射能のホットスポットとなってしまった千葉県東葛地域の学校やPTAで孤立しながら子供たちを守る活動に取り組んでいるお母さんやお父さんたちが中心になって企画してきたもので、1200人の参加を目指して頑張っています。

いまからできること!~放射能とエネルギーのはなし~
http://tohkatsunet.wordpress.com/imakara/
http://2011shinsaichiba.seesaa.net/article/237572918.html
チラシファイル
http://tohkatsunet.files.wordpress.com/2011/12/imakara_flyer_v3.pdf

日時:2012年1月21日(土)
   14:00~ 知る見るバザール!
   15:10~ 田中優さんのおはなし
場所:松戸市民会館 ホール(全席自由・車いす席あり)
   JR常磐線・新京成線 松戸駅 下車・徒歩2分
   http://www.morinohall21.com/kaikan/k_chizu.htm
参加費:500円(資料代として)

☆託児あり 事前予約制(14日まで)
☆授乳コーナー、おむつ替えコーナー設置予定
☆手話通訳あり(講演のみ)
☆助産師さんも来るよ!

主催:「田中優さんの講演会」実行委員会
連絡先・代表サイト:こども東葛ネット(担当 増田、脇)
          http://tohkatsunet.wordpress.com
          kodomo.tohkatsu.net at gmail.com

ロビーでは第一部として特別な時間枠で「知る見るバザール」を実施。多様な団体がホットスポットでの生活で直面する食や除染などの広範な問題をアピールします。実行委員会に参加している東日本大震災被災者支援千葉西部ネットワークなどが中心となって千葉西部12自治体に放射能対策の質問・要請を行ってきた活動の成果なども報告される予定です。

第二部が田中優さんの講演で、太陽光と原子力のコストの関係のように目からウロコの話をたくさん聞くことができるはずです。

ブログやツイッターなどで1・21の宣伝をしていただくとともに、当日参加していただければ幸いです。

合わせて、千葉西部ネットでは昨年来、南相馬市の子どもたちに野菜を毎週届ける活動を継続してきましたが、カンパをよろしくお願いします。

南相馬市給食センターに野菜を送ろう
http://2011shinsaichiba.seesaa.net/article/230432885.html
郵便振替口座 口座番号 00130-3-385863
口座名称 雑誌たんぽぽ 震災被災者支援ネット千葉
電話 047-360-6064


太田光征

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太陽光と原子力のコスト――歴史的交差点
http://2011shinsaichiba.seesaa.net/article/245449247.html


太陽光と原子力のコスト――歴史的交差点
Solar and Nuclear Costs – The Historic Crossover – A Report by Dr. John Blackburn
http://www.ncwarn.org/2010/07/solar-and-nuclear-costs-the-historic-crossover/
http://www.ncwarn.org/wp-content/uploads/2010/07/NCW-SolarReport_final1.pdf

米デューク大学名誉教授・前学長のジョン・ブラックバーンらが「太陽光と原子力のコスト――歴史的交差点」と題する論文を2010年7月8日に発表した。太陽光の発電コストは下がり続ける一方であるのに対して、新規原発の発電コストは上昇し続けており、ついに2010年に両者のトレンドラインが交差し、ノースカロライナ州では前者が後者を下回ったたことを示している。

太陽光と原発の1kWh当たりコストの比較(グラフ)
<img src="http://2011shinsaichiba.up.seesaa.net/image/The20Historic20Crossover.jpg" width="450" height="" border="0" align="" alt="太陽光と原発の1kWh当たりコストの比較" />
原子力発電のコスト(クーパー、2009)- 稼働中の原発と計画中の原発(グラフ)
<img src="http://2011shinsaichiba.up.seesaa.net/image/Cooper_Nucler_Power_Generation_Cost.jpg" width="450" height="" border="0" align="" alt="原子力発電のコスト(クーパー、2009)" />

以下は抄訳。

ノースカロライナ州における商業規模の太陽光開発企業は既に1kWh当たり14セント以下で電力を供給している。デューク・エナジーとプログレス・エナジーは原発計画を推し進めているが、完了すれば1kWh当たり14~18セントになると予想される。

太陽光も原発も補助金を受けてきたが、太陽光はこの先10年以内に補助金なしでコスト競争力を付けることが確実に見込まれる。

ノースカロライナ州では2010年中頃に、大規模太陽光発電システムは当たり12~14セント以下、住宅用の中規模システムは当たり13~19セントで、平均すると1kWh当たり16セントとなる。

屋上太陽光発電については中規模クラスのコストが1kWh当たり14~19セント、商用規模では約14セント。

新規原発は風力、太陽光、コージェネより高い。

最新の推計では、原子炉1基の建設に100億ドルかかる。

ウエスティングハウスのAP 1000型原子炉は2009年9月までに17回の設計変更が施された(それだけコストが当初見積もりより上昇)。

1kWh当たり7セントという原発の発電コスト見積もりは18セントを超え、送配電コストによって最終コストは22セントになるだろう。これはノースカロライナの住民が大手電力会社に現在支払っている料金の2倍である。

バーモント・ロースクールのマーク・クーパー(2009)によれば、新規原発の発電コストは1kWh当たり12~20セントで、中間が16セントとなる。クーパー論文が発表されて後に電力会社がプラントコストの上昇を発表したので、クーパーの数字は楽観的なものである。

Cooper, Mark. “The Economics of Nuclear Reactors:Renaissance or Relapse?” Institute for Energy and the Environment, Vermont Law School. June 2009.

ノースカロライナ州では2010年に原発の発電コストは太陽光発電のコストを上回るようになった。

送配電コストを加算すると、新規原発は住宅用に1kWh当たり22セント、商用では1kWh当たり18~19セントになると予測される。

太陽光発電による電力は風力や水力、バイオマス、天然ガス発電による発電網に接続し、既存の貯蔵技術やスマートグリッド技術と併用すれば、断続性は完全に管理可能であることが多くの研究で実証されている。

Eastern Wind Integration and Transmission Study,” prepared for the National Renewable Energy Laboratory, Enernex Corporation.January, 2010.

“Western Wind and Solar Integration Study,”prepared for the National Renewable Energy Laboratory, GE Energy. May, 2010.

Blackburn, John. “Matching Utility Loads with Solar and Wind Power in North Carolina: Dealing with Intermittent Electricity Sources.” Institute for Energy and Environmental Research. March 2010.

Similar studies are underway at Stanford University and in Europe.

実際、連邦エネルギー規制委員会委員長は風力、太陽光、スマートグリッド技術の発展によって、風力や太陽光に伴う距離や断続性といった問題を緩和することができるため、石炭や原子力による新規発電所の必要性を退けている。

U.S. utilities, regulator disagree on generation | Reuters
http://uk.reuters.com/article/2009/05/05/us-utilities-awea-wellinghoff-idUKTRE5447HI20090505

北東に位置するニュージャージー州は太陽光資源に恵まれない州だが、太陽光発電設備の導入では米国有数である。

[参考]
U.S. FrontLine:アメリカ・日本・世界の政治・社会・経済情報速報ニュースサイト
http://www.usfl.com/Daily/News/09/08/0805_025.asp?id=72060

ノースカロライナ州における雇用を生み出す効果については、同じ投資額で比べた場合、太陽光パネルや太陽熱温水器の設置の方が、原発の建設・運転よりも3倍高い。

Garrett-Peltier, Heidi. “$1 Million = More jobs for green industries.” Political Economy Research Institute, University of Massachusetts Amherst.

エンバイロンメント・ノースカロライナは、2030年までに同州で太陽光発電による発電量を総発電量の14%に増やすことで、質の高い常勤職2万8000件が生み出されるとみている。

Madsen, Travis and Elizabeth Ouzts. “Working With the Sun: How Solar Power Can Protect North Carolina’s Environment and Create New Jobs.”
Environment North Carolina, Research & Policy Center. May 2010. 11 June 2010
http://www.environmentnorthcarolina.org/uploads/ca/80/ca809d139d551c92990e082edc6e4b15/Workingwith-the-Sun.pdf

ナビガント・コンサルティング(2008年)によれば、2016年まで続く太陽光発電の連邦税控除30%により、米国で常勤職44万件が生み出されるとみられる。

Navigant Consulting, Inc. “Economic Impacts of Extending Federal Solar Tax Credits.” 15 September 2008. 22 June 2010
http://seia.org/galleries/pdf/Navigant%20Consulting%20Report%209.15.08.pdf

連邦政府の研究によれば、最悪でないケースの事故による損害額は5000億ドルを超える。

Brookhaven National Laboratory. “Severe Accidents in Spent Fuel Pools in Support of Generic Safety Issue 82.” NUREG/CR-4982. 1997.

米エネルギー省の2011年度予算要求額において、原子力関係予算18億ドルはエネルギー開発総予算の44%を占める。

Institute for Southern Studiesによれば、2009年7月段階で提案されている原発プロジェクト17件のうち2件で建設債が「ジャンク」に、13件がジャンクの1つ上と格付けされている。

Friends of the Earthが実施した分析によれば、ケリー・リーバーマン法案(温暖化対策法案)では提案されている助成金計355億ドルに97億~573億(原子炉の型と数に応じて)の減税が輪をかけるとみられ、この法案が成立すれば原発企業は実質的にリスクを負わないで済む。

Koplow, Doug. “Massive tax subsidies to nuclear in Kerry-Lieberman legislation.” Friends of the Earth. 17 June 2010. 22 June 2010.
http://www.foe.org/more-kerry-lieberman-nuclear-subsidies/

ノールカロライナ州は2007年、他の南東部諸州と共に電力会社に対して原発建設コストの一部を電気使用者に事前請求することを許す法律を通過させた。デューク・エナジーは同州住民にさらなる財務リスクを転嫁することを直に追求するとほのめかしており、これは明らかにまた建設仮勘定という手法によってデューク・エナジーないしプログレス・エナジーが公益事業委員会付託のレートケースでコストの検討をせずにコストを自動的に消費者に転嫁するものだ。

ノースカロライナや南東部諸州のほとんどで再生可能エネルギーの導入にもたついている1つの理由は、サービスエリアの独占が認可されていること。電力会社はこれらの州において、原発建設の財務リスクを電気使用者に転嫁する法律の制定に成功している(前述)。

デューク・エナジーは太陽光と風力の重要プロジェクトを開発しているが、それらは同社が市場シェアを競う必要がある他州でのプロジェクトである。

*

グラフ作成に使用したデータ

太陽光発電設備の過去のワット当たり設置コストはソーラー業界の資料や公的研究機関、特にローレンス・バークレー国立研究所のデータに基づいた。太陽光発電設備の現在の設置コストはノースカロライナの設置業者のデータを使用した。将来のコスト見積もりは業界分析資料や第三者の研究に依った。

Wiser, Ryan, Galen Barbose, Carla Peterman, and Naim Darghouth. “Tracking the Sun II: The Installed Cost of Photovoltaics in the U.S. from 1998–2008.”Lawrence Berkeley National Laboratory, October 2009.
http://eetd.lbl.gov/ea/emp/reports/lbnl-2674e.pdf

Projected solar electricity costs, 2010 to 2020,were based on:Bradford, Travis. Solar Revolution: The Economic Transformation of the Global Energy Industry. MIT Press, September 2006.

Denholm, Paul, Robert M. Margolis, and Ken Zweibel. “Potential Carbon Emissions Reductions from Solar Photovoltaics by 2030.” Tackling Climate Change in the U.S.: Potential Carbon Emissions Reductions from Energy Efficiency and Renewable Energy
by 2030. Ed. C. F. Kutscher. CH-640-41271. Boulder,CO: American Solar Energy Society, 2007. 91-99.

International Energy Agency. “Technology Road map,Solar Photovoltaic Energy.” May 2010.

Teske, Sven, Arthouros Zervos, Christine Lins, and Josche Muth. “Energy [R]evolution: A Sustainable Energy Outlook.” European Renewable Energy Council and Greenpeace International. June 2010.
15 June 2010
http://www.greenpeace.org/raw/content/usa/press-center/reports4/greenpeace energy-r-evolution.pdf

United States Department of Energy Solar Energy Technologies Program. “Solar Energy Industry Forecast: Perspectives on U.S. Solar Market Trajectory.” 27 May 2008. 11 June 2010
http://www.earthday.net/files/doe.ppt

Also consulted were:Appleyard, David. “PV Global Outlook: A Bright Future Shines on PV.” Renewable Energy World,4 June 2010. 14 June 2010
http://www.renewableenergyworld.com/rea/news/article/2010/06/pv-global-outlook-a-bright-future-shines-on-pv

“China Still Holds Commanding Lead in Global Clean Tech Race.” GreenBiz.com. 16 March 2010. 7 June 2010
http://www.greenbiz.com/news/2010/03/16/china-holds-commanding-lead global-cleantech-race

Helman, Christopher. “A Competitive Boost for Solar Energy.” Forbes.com. 25 November 2009.
7 June 2010
http://www.forbes.com/2009/11/25/solar-power-prices-business-energy-electricity.html

2010年から2015年までの予測値は、米エネルギー省ソーラー・アメリカ・イニシアチブによる2010年の予測値に一定の減少率を適用して求めた。

原子力発電による2001年から2008年のkWh当たりコストはクーパー(2009)のデータに基づいた。2009年から2020年についてはクーパーによる2008年の平均予測値に年間価格上昇率1.67%を適用した。

Cooper, Mark. “The Economics of Nuclear Reactors:Renaissance or Relapse?” Institute for Energy and the Environment, Vermont Law School. June 2009.

この原子力発電コストの上昇率見積もりは保守的であって、最近のトレンドについては付録B(原子力プラントコストの見積もりと上方修正)を参照のこと。



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