[CML 014171] ●朝鮮情勢=中国の論評2題

kenju watanabe nrc07479 at nifty.com
2012年 1月 9日 (月) 11:15:57 JST


日韓ネット@渡辺です。   *BCC及びいくつかのMLに送ります。

遅ればせですが、新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

金正日総書記急逝という事態を受けた朝鮮半島情勢をめぐる中国の論評のなかで、
昨年12/24時点のものですが、興味深い2本を紹介します。

 ‘本はなぜ朝鮮に好意を示さないのか?
 ◆崢鮮半島の安定維持」は世界の共通認識(環球時報より)

参考までに。    *いずれも中国「人民網」(チャイナネット)日本語版サイトから 


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【日本はなぜ朝鮮に好意を示さないのか?】

 日本政府は22日、朝鮮の最高指導者・金正日総書記死去に公式に弔意を表明しない
と発表した。与党民主党の一部の国会議員は、金総書記死去の報を受け、韓国や米国
は対朝関係の改善を図ろうとしているが、日本だけが強硬な態度をとることで、日朝関 

係にマイナスの影響を与えるのではないかと懸念している。

 ◇弔意を表明するつもりはない

 日本人官僚の話では、政府は朝鮮政府の在日代表にあたる在日本朝鮮人総連合会
(朝鮮総連)を通じて朝鮮側に哀悼の意を表明するつもりもないという。

 一部の政治アナリストは、野田首相は拉致被害者や家族の感情や国内の世論に配慮
し、弔意を表明しない方針を明確にしたと見ている。

 朝鮮は2002年、朝鮮のスパイが70年代末に日本人を拉致したことを初めて認め、遺
憾を表明、数人の拉致被害者とその子女を日本に帰し、すでに亡くなった拉致被害者の 

遺骨と遺物を引き渡した。朝鮮は拉致問題はすでに解決したと思っているが、日本側は 

そう認識していない。これが日本が朝鮮への制裁を続ける理由の一つだ。

 ◇弔意に代わる代替案

 民主党内には、米国や韓国は対朝政策面で日本と協力してきたが、金総書記の死去
に対してはいずれも哀悼の意を表明しており、日本だけが取り残されるのを心配する声 

がある。

 これを機に対朝関係の行き詰まりを打開したいと考える米韓に対し、日本の強硬な
態度は朝鮮側の日本に対する反感を増し、拉致問題など日朝の課題解決を益々難し
くする恐れがある。この日朝関係改善の機会を逃したくはない野田政権は、正式な弔
意に代わる代替案を探す必要がある。

 一部の日本政府の官僚と民主党議員は野田首相に、朝鮮で告別式または中央追悼
大会が催される際、金総書記死去に関する声明を発表するよう提案するつもりだ。「声明 

の発表は正式な弔意ではないが、日朝関係の行き詰まりを打開するのに役立つ」という 

考えだ。

 ◇難局打開は困難

 1994年7月に朝鮮の指導者・金日成主席が死去した際は、当時の村山富市首相が直
接哀悼の意を表し、朝鮮に弔電を送っている。これにより、自民党、社会党など連立政権
の代表団が翌年3月に朝鮮を訪問し、両国の国交正常化に関する会談を早期再開する
ことで労働党と合意した。

 共同通信の論説によれば、村山氏が所属する左翼政党である社会党と朝鮮労働党は
友好関係にあり、日本国内では当時、拉致問題が日朝関係改善の障害だとは考えられ
ていなかったという。

 2002年9月、当時の小泉純一郎首相が朝鮮を訪問し、金正日総書記と会談、両国関
係改善を旨とする「日朝平壌宣言」を発表した。2004年5月、小泉氏は再び朝鮮を訪問、 

金総書記とこの宣言を再確認した。しかし、この2回の訪朝後、日朝関係は拉致問題が 

原因で難局に陥った。

 朝鮮総連は最近、祖国訪問の在日朝鮮人が利用する朝鮮の貨客船「万景峰92」号の
新潟港への入港許可を日本政府に申請した。日本は06年以降一方的に朝鮮への制裁
を加え、同貨客船の入港などを禁止した。保守派の議員団体は制裁措置を続けるよう
野田政権に訴えている。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年12月23日
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【「朝鮮半島の安定維持」は世界の共通認識】

 「環球時報」12月22日付け記事 
朝鮮中央通信社が金正日総書記の死去を伝えてから3日が経った。
朝鮮国内および西側諸国の反応は多くの人の予想を反し平静だった。

中国、米国、ロシア、韓国、日本の外相はそれぞれ「朝鮮半島の平和と安定維持に
非常に重要」と同じ言葉で表現した。クリントン米国務長官の態度は非常に冷静で、
韓国国会は最初もつれたが、結局ピョンヤンに弔電を送った。

これで金総書記の死去後、朝鮮半島の安定維持が世界の共通認識となった。

 朝鮮方面は、金総書記死去の報で、時間、場所、原因、病理報告まで詳しく公表し
た。こうしたことから、朝鮮当局は国内の安定のためデマによる騒動を懸念する一方
で、国内情勢の掌握にかなり自信があることが伺える。

 朝鮮が金総書記死去を発表した後の19日午後から21日まで、中国との国境通商口
は封鎖されなかった。緊急時には通商口を封鎖していた以前と違い、朝鮮の中国への
信頼と、今の経済状況に対中貿易が不可欠なことを示している。後継者の金正恩氏は
金正日総書記時代の対中友好政策を続けるだろう。

中国は国有企業、民間企業の朝鮮に対する経済協力活動を今後も支援していく必要
がある。

 朝鮮政局の安定のカギは、新しい指導層の権力配分が握っている。朝鮮国家テレビ
によると、朝鮮の最高指導者には金正恩氏が就任。ただ、金正日総書記の突然の死
で、政権の引継ぎが不十分との見方もあり、国防委員会の金永春副委員長、人民軍
副元帥の李用茂副委員長、労働党作戦部長の呉克列副委員長、労働党行政部長の
張成澤副委員長など最高指導部は金正日の指揮の下では互いに協力していたが、
権力の再配分において、彼らが金正恩氏にどう協力するか、まだ観察の必要がある。

また、金正日の妹で党中央軽工業部部長の金敬姫氏、人民軍第4集団軍軍長の金
格植氏、金正恩氏と同時に大将に昇格した崔竜海氏らが新しい指導者グループの中
で担当する職務にも注目が集まる。今月29日に行われる追悼大会での最高指導部の
並びに注視したい。

 朝鮮は今食糧問題を抱えており、首都ピョンヤン以外の地域の食糧価格高騰から食
糧不足は来年も続く見通しだが、90年代の「苦難の行軍」の時期に比べれば遥かにま
しで、昨年よりもやや好転している。今後、国際交流回復や対外貿易拡大にともない、 

食糧不足の問題は克服されるだろう。

 米日韓の金総書記死去に対する態度から、国内で政治・経済問題、国外では中東
問題を抱える米国にとって朝鮮半島の安定は非常に重要で、朝鮮の混乱は望んでい
ないことがわかる。ただ一方で、米日韓国内では金正恩氏の引継ぎがうまくいかない
と見る学者も多く、朝鮮の情勢に関して両方の備えをしていることも明らかだ。外部勢 

力が朝鮮半島の安定を乱す行動をみせた場合、中国は断固としてそれに反対しなけ
ればならない。

 韓国の一部団体は今年に入って以来ずっと中国側の朝鮮との国境付近で「反金組
織」の設立を叫んでいるが、中国の土地で第3国を狙う組織を設立することを中国は
絶対に許さないし、中国の関連部門が一切の転覆活動に厳重に対処するだろう。

 朝鮮社会の持続的安定と経済成長の維持は、中国の周辺外交政策および東北地方
発展にとって重要だ。朝鮮の党と政府は中国からの物資面などの支援を必要としている。 

中国は経済援助と国際社会の道徳で以って朝鮮国民が苦しい段階を乗り切る手助けを
し、朝鮮半島の長期的な平和と安定を断固守っていかなければならない。

                     (遼寧社会科学院辺疆研究所 呂超所長) 


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年12月24日


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