[CML 014118] 満蒙開拓と戦後開拓に生きた

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2012年 1月 7日 (土) 14:00:27 JST


 坂井貴司です。
 転送・転載歓迎。
 
 明治から昭和40年代まで、日本は国策として海外移民と開拓を進めました。
少子高齢化の今の日本からは想像もできないことですけれど、40年前までは人
口過剰感に悩まされていました。
 
 「日本は人口が多すぎる。放置すれば食料や教育、雇用の面で深刻な問題が起
きる。それを解決するために、移民として外国に送りだそう。移民が外国の土地
を開拓し、事業を展開すれば日本の利益になる」
 
 それで、南北アメリカ大陸、フィリピン、植民地にした朝鮮や台湾、南サハリ
ン、太平洋諸島へ多くの移民を送り出しました。
 
 その中で国策として最も大規模に行われ、かつ悲惨な結末になったのが、満蒙
開拓移民でした。
 
 1931年の満州事変で、満州(中国東北分)を占領した日本は「ラストエン
ペラー」溥儀を担ぎ出し、傀儡国家「満州国」をでっち上げました。日本政府及
び陸軍はは、この満州を完全に日本のものにするため、100万人の日本人移民
を送り出す計画を作りました。
 
 新聞・雑誌・ラジオ・映画などのマスメディアを使って「行け!満蒙へ!」と
大々的に宣伝しました。また、都道府県や市町村の職員、学校教員を動員して、
「満州に行けば広大な土地が手に入る。開拓し農地にすれば豊かな生活ができる」
と勧誘しました。
 
 これに乗せられて、多くの人々が夢を抱いて満州に移住しました。
 
 宣伝では無人の荒野を開拓するものと聞かされていました。その通りの開拓地
もありました。しかし、多くの開拓地は先に耕作地になっていた所でした。日本
人よりも先に入植した中国人が開拓した土地を強奪したものだったのです。
 
 入植した日本人は、冬のマイナス30度以下の寒波と病害虫に悩まされながら、
畑を耕し、家や学校を建設し、一生懸命働きました。日中戦争や太平洋戦争の影
響はほとんどありませんでした。おおむね平穏な生活を送っていました。
 
 それが1945年8月9日のソビエト軍侵攻で崩壊しました。開拓移民を守る
ものと信じられていた日本軍は、人々を見捨てて逃亡しました。移民達は大混乱
の中、必死で逃亡しました。その移民たちに対してソビエト軍は無差別攻撃を行
いました。虐殺や集団レイプが至るところで行われました。中国人住民の報復も
行われました。これにより、集団自決が相次ぎました。
 逃亡生活で多くの人が餓死や病死に追い込まれました。この悲惨な状況をさら
に悪化させたのが、満州での主導権を握ろうとした中国共産党と国民党の対立で
した。それにソビエトが絡んで情勢は複雑化しました。日本人移民はその政治状
況に翻弄されました。
 混乱で一家離散が数多く発生しました。中国残留孤児や残留婦人問題はこの時
に発生したものです。
 
 命からがら日本に帰国した移民たちに対して、日本政府はまたもや開拓を押し
つけました。これまで耕作されることがなかった山間部や高原地帯へ入植させた
のです。食糧不足解消のためと称された戦後開拓です。
 
 元移民たちは、満蒙開拓の悲惨な記憶を抱えながら、森を切り開き、石を片付
け、やせた土地を必死に開墾しました。主に野菜を栽培し、牛を飼いました。し
かし、戦後開拓の多くは失敗しました。かろうじて成功した所でも、今度は高度
経済成長による過疎化と農産物輸入自由化による農産物価格下落、オイルショッ
クによる燃料費高騰で苦しむことになります。
 
 この満蒙開拓と戦後開拓の二つの開拓を描いたドラマがNHKBSプレミアム
で放送されます。
 
 NHKBSプレミアム
 
 「開拓者たち」
 http://www.nhk.or.jp/program/kaitaku/
 
 <本放送> BSプレミアム
第一回「新天地へ」  1月1日(日)    午後9時〜10時30分
第二回「逃避行」    1月8日(日)    午後10時〜11時15分
第三回「帰国」    1月15日(日)   午後10時〜11時15分
第四回「夢」     1月22日(日)   午後10時〜11時30分

<再放送> BSプレミアム
第一回「新天地へ」  1月8日(日)    午後4時30分〜
第二回「逃避行」    1月15日(日)   午後4時45分〜
第三回「帰国」    1月22日(日)   午後4時45分〜
第四回「夢」      1月29日(日)   午後4時30分〜
 
坂井貴司
福岡県
E-Mail:donko at ac.csf.ne.jp
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「郵政民営化は構造改革の本丸」(小泉純一郎前首相)
その現実がここに書かれています・
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