[CML 015264] Re: 池田香代子さんと前田朗さんの「君」論について

Maeda Akira maeda at zokei.ac.jp
2012年 2月 27日 (月) 13:05:54 JST


前田 朗です。
2月27日

東本さん

ご教示ありがとうございます。

ご趣旨は理解しましたが、説得力がありませんので、若干疑念を表明しておきます。

>
>
> 第1。国会での「君」の呼称は、1890年(明治23年)の第一回帝国議会から 
> はじまったもので、当時、アメリカ議会では
> 議員の名前を呼ぶとき「ミスター~」と敬称をつけることになっていたものを 
> 和訳して「~君」としたものが始まりだった、
> という指摘があります。
> http://www.tisen.jp/tisenwiki/?%B9%F1%B2%F1

「指摘」というレベルではありません。上記サイトにはまったく根拠・典拠が示 
されていません。

1890年当時の日本政府の制度構築、法律制定、儀式進行などが圧倒的にドイ 
ツ(プロイセン法)の影響下にあったことは常識です。法律の世界で は、民法 
制定論争に明らかなように、「英米法は意識的に排除されていた」のが歴史的事 
実です。これを覆したいのであれば、明確な直接証拠が必要で す。


>
> 第2。第1と第2は帝国議会における「君」
> 呼称の複合的な要素になっているように思います。

関連性のない話を持ち出しても、帝国議会における話法・語法の説明にはなりま 
せん。


>
> 第3。「君」は「君主」の君であり、儒教にいう「君子」の君でもあります。 
> 「皇国史観の大家平泉澄は『君とは君主、天皇
> 陛下ただ一人である』として学生を決して『くん』『きみ』と呼ばず「さん」 
> 付けで呼んでいた」(wikipedia「敬称」)という話
> もあります。
> http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%AC%E7%A7%B0

同じく関連性がありません。平泉が何を考え、どう話していようが、それは平泉 
の個人的な趣味の話でしかありません。

私は国家権力と権威の話をしているのです。帝国憲法と帝国議会の法と慣習を説 
明するのに、長州の慣用や平泉を持ち出しても不十分です。本体となる 証拠が 
あれば、平泉の件を補強証拠とすることはありうるかもしれません。しかし、本 
体の証拠なしに、平泉の件を持ち出しても、何も証明できませ ん。

そもそも「君主」の「主」というもっとも重要な要素を抜いて「君」と言い出す 
こと自体ナンセンスです。「君主」は「君主」です。「主」ぬきの「く ん・き 
み」の用法は何も説明しません。


>
> 以上から、前田さんの「(帝国議会)議長は、天皇の代理として、議員を 
> 『君』づけしたのではないのですか?」という推
> 理は成立せず、池田さんのご認識の方が正鵠を射ているように思います。

池田さんの認識は「議長の権威」説です。上記の東本さんの説明では、池田さん 
の「議長の権威」説を否定することになるはずです。おかしいですね。

以上、疑念を表明しておきますが、ただし、前稿の私の主張に十分な説得力があ 
ると断定するわけではありません。「これ以上議論するつもりもないけ ど」と 
書いたのは、萩谷くん流に言えば、無責任に逃げているためです(苦笑)。




>
>
>
> -----Original Message----- From: maeda at zokei.ac.jp
> Sent: Sunday, February 26, 2012 11:28 PM
> To: 市民のML
> Subject: [CML 015252] Re: フランス政府のマドモアゼル廃止を歓迎:林田力
>
> 前田 朗です。
> 2月26日
>
> なんだか盛り上がってますね。
>
> 私はどっちでも構わないので、さして関心がないから茶々入れをしただけです 
> が、
> そんな投稿ならするなと萩谷くんに怒られるし、すり替えだと林田さんに叱られ
> るし(苦笑)。
>
> 昨日は「原発を問う民衆法廷第1回公判」、今日は「文明と野蛮を超えて」出版
> 記念会で多忙でしたので、もうこの件では黙っていようと思っていましたが、下
> 記のような書き込みを見ると、黙ってはいられません。
>
>
>>
>> 「君」は、たしかに現在は目下への呼びかけのニュアンスがありますが、古く
> は敬意をこめた横並びの関係で使われました(「近藤君」「土方君」とかね)。
>> 国会での「君」づけはこれを引きずっているのであって、議長や委員長が権威
> を確認するためではありません。
>>
>
> これはあんまりだと思います。
>
> 帝国議会における「君」づけが議長と議員の関係だなんて初めて聞きました。そ
> んなことがありえるのですか?
>
> 大日本帝国議会(貴族院および衆議院)は天皇の名によって、天皇の権威のも 
> と、
> 股肱の民であり臣下である議員たちが天皇を翼賛するために、開催された天皇の
> 議会です。議長は、天皇の代理として、議員を「君」づけしたのではないのです
> か?「確認」されるべき「権威」は天皇の権威だったのではないのですか?
>
> まあ、これ以上議論するつもりもないけど。
>
>
>
>
>



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