[CML 015202] 広原盛明さんのマスメディア批判の論 ――橋下&大阪・維新の会的なものを打破するために(その1)

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2012年 2月 24日 (金) 18:30:04 JST


すでにご存知の方が多いだろうと思いますが、大阪府労働委員会は22日、橋下市長が強行突破を図っている思想調査
「アンケート」について、「『(不当労働行為の)支配介入に該当するおそれのある(質問)項目があるといわざるを得ない』
として、橋下徹市長らの責任で調査続行を差し控えるよう勧告」(朝日新聞 2012年2月23日)しました。

■大阪市アンケート「違法のおそれ」 府労働委が勧告書(朝日新聞 2012年2月23日)
http://www.asahi.com/national/update/0222/OSK201202220230.html
■大阪市:職員調査 府労委「不当行為の恐れ」 市に中断勧告(毎日新聞 2012年2月23日)
http://mainichi.jp/kansai/news/20120223ddn001010004000c.html
■大阪市職員の組合・政治活動調査に凍結勧告…府労委(読売新聞 2012年2月23日)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120223-OYO1T00181.htm

大阪市労働組合連合会(市労連)はこの13日に府労委に対し「組合運営に介入する不当労働行為にあたる」として救済
を申し立てていましたが、この「職員労働組合側の救済申し立てが認められる可能性が高い」(同上)というのがメディア
の報じるところです。

しかし、「アンケート」問題が発生してから上記の報道に至るまでのメディアのこの橋下問題をめぐっての報道ぶりは目に
余るものがありました。「この2週間余り、『大阪市職員アンケート調査』をめぐる一連の報道のなかで明らかになったの
は、橋下市長が思想調査など国民権利の『破壊者』としてマスメディアから批判されるのではなく、逆に政権交代で行き
詰まった国政の政局を打開する『改革者』として評価されるという驚くべき事実」(広原盛明「ハシズムの分析、その11」)
でした。

このメディアの退嬰というも愚かなり、とでも蔑みたいその退嬰ぶりの批判については、以下にご紹介する広原盛明さん
(都市計画・まちづくり研究者)の論に譲りたいと思いますが、その前に各メディアによって同時期に行われた橋下人気
に関する世論調査の結果をご紹介させていただこうと思います(一部既報)。おぞましい限りです。

■橋下大阪市長、府民支持7割 朝日新聞・ABC世論調査(朝日新聞2012年年2月21日)
http://www.asahi.com/politics/update/0221/OSK201202200190.html
■橋下さんらグループの国政への進出を「評価する」60.8 %「評価しない」26・5 %(日本テレビ 2012年年2月12日)
http://www.ntv.co.jp/yoron/201202/soku-index.html
■「大阪維新の会」を率いる大阪市の橋下徹市長の国政進出を「期待する」との回答が64・5%(産経新聞 2012年2月13日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120213/stt12021311460001-n1.htm
■大阪維新の会が「国会で影響力を持つような議席を取ってほしい」54%(朝日新聞 2012年2月13日)
http://www.asahi.com/special/08003/TKY201202120241.html
■維新の会の国政進出、「期待する」66%(読売新聞 2012年1月15日)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120115-OYT1T00033.htm
■大阪維新の会の国政進出については61・2%が「期待する」と回答、「期待しない」は32・8%(共同通信 2012年2月19日)
http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012021901001450.html

この橋下人気はなんに起因するのか? この異様な橋下(ハシズム)現象を打破するためにそのさまざまな理由につい
て考えていきたい、というのが本稿を書きはじめようと思い立った動機ですが、その理由の第一にはやはりジャーナリズ
ムとして朽ち果てたマスメディア批判は必須だと思われます。下記の広原盛明さんの論に見るもはや惨憺たるとしか形
容しえないマスメディアのスカスカの「橋下賛美論」、「橋下改革者論」こそがこの異様な橋下人気を下支えしている、あ
るいは上げ底している大元凶であることが明らかであるというべきだからです。

以下、広原盛明さんの論です。

■橋下市長が国民権利の「破壊者」として批判されるのではなく、国政の「改革者」に祭り上げられる理由(ハシズムの
分析、その11)(リベラル21 2012.02.24)
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-1907.html

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 この2週間余り、「大阪市職員アンケート調査」をめぐる一連の報道のなかで明らかになったのは、橋下市長が思想
調査など国民権利の「破壊者」としてマスメディアから批判されるのではなく、逆に政権交代で行き詰まった国政の政
局を打開する「改革者」として評価されるという驚くべき事実だった。

 この間の経緯を追ってみると、橋下市長が全職員を対象に政治活動や組合活動に関する「アンケート調査」の実施
を表明したのは2月9日、回答期限は1週間後の16日だった。この「アンケート調査」をめぐって大阪市労連が「思想・
信条の自由を侵害し、組合運営に介入する不当労働行為だ」として大阪府労働委員会に救済を申し立てたのが13日、
続く14日から16日にかけて、「アンケート調査は違憲そのものの思想調査に他ならず、即刻中止を求める」との会長
声明が大阪・東京両弁護士会および日弁連から相次いで出された。そして急速に高まる世論の批判の中で、特別顧
問の野村弁護士が「調査は当面は凍結する」と記者会見をしたのが17日のことである。

 このように2月9日から17日までの間は、「橋下アンケート調査」をめぐって世論が沸騰したにもかかわらず、マスメ
ディア各紙はほとんどこの話題を取り上げようとせず「ダンマリ」を決め込んでいた。本来ならば、今回の東京・大阪弁
護士会および日弁連の会長声明の内容は、各紙とも1面トップに掲げてもおかしくないほどの重要な意味を持つもの
だ。ところが各紙の取り扱いは片隅のベタ記事に近いもので、これらの声明はほとんど無視されたといってよい。その
一方、「アンケート調査」が世論の反撃で“凍結”に追い込まれるに及んで、事態を無視できなくなった18日の紙面か
ら漸く本格的な報道が始まったのである。

 しかしこれに輪をかけてもっと驚いたことには、この間の各紙の論説が「アンケート調査」問題などを全く度外視して、
「橋下改革者論」「橋下賛美論」に終始していたことだ。これを掲載順に紹介すると、まず朝日新聞が2月12日に「オ
ピニオン欄」の全面を使って、「インタビュー、覚悟を求める政治」という提灯記事を掲載したのが始まりだ。このイン
タビューが行われた2月9日は、橋下市長がちょうど「アンケート調査」の実施を表明した当日のことだった。だがイン
タビューの中のどこを探してもそんな記事は見つからない。

 しかも念が入ったことに、朝日はその後の2月15日、タイトルを見るだけでも恥ずかしい『橋下徹さま、ぜひ第2Rを』
という論説をインタビュアー(政治部次長)の写真・署名入りで掲載した。その内容たるや「言われっぱなしでは意味が
ないが、不毛な論争にはしたくない」との口実で橋下氏に対する一切の批判を避けたことを自ら正当化し、それに乗じ
ておとなしく出た橋下市長を「あえて自分を小さく見えるのは本当の自信がなければできない。橋下氏は首相を狙うの
か。(略)橋下さん、第2ラウンドはいかがですか?」と天まで持ち上げる始末だ。

 次は、2月19日の『橋下さんに感謝しよう』という、これまた朝日と同様に恥ずかしい毎日新聞の論説だ。論説委員
長自らの執筆とあってどんなことを書くか注目したが、何のことはない。他紙の「橋下改革者論」を紹介する形で16日
付の「既成政党への挑戦状」という自社の主張を自画自賛し、「この論が届いたか。16日早速自民党内から対立一
辺倒でいいのか、という批判が出てきた。民主党内にも政権与党としてふがいなさを反省する声が聞こえてきた。橋
下人気が既成政党の覺醒と正常化につながるのであれば、むしろ感謝しなければならない」とまで言い切っているの
である。
(以下、省略。全文は上記URLをクリックしてご覧ください)
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東本高志@大分
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