[CML 015012] 訂正:原発国民投票は地獄に通ずるバラ色の道・・・

hagitani ryo liangroo at yahoo.co.jp
2012年 2月 15日 (水) 21:18:29 JST


原発に関する国民投票を推進する動きに2通りあることをうっかり知らずに両者
を混同してきましたので、お詫びのうえ、以下のように改めます。
 運動は、ひとつが「みんなで決めよう『原発』国民投票プロジェクト」で、事
務局長のジャーナリスト今井一氏が中心になって行われています。
 もうひとつは「脱原発の国民投票をめざす会」で、弁護士の市川守弘、河内謙
策両氏が呼びかけているものです。
 今井氏のものは、「原発」国民投票で、市川・河内氏のものは「脱原発の」国
民投票である点がちがいます。私の立場からは、後者のように立場の明 瞭なも
ののほうが、よりましと言うべきでしょう。
 ただ、私は、後者はサイトを見るかぎり、まだ内容が明確でないとは思います
が、両者に共通部分が多いと考えるので、以下、区別はしますが、並べ て論じ
ていきます。

*****

 脱原発国民投票推進の運動をしているみなさん、
 地獄への道は善意で敷き詰められているという言葉をご存じですか。
 あなた方の活動は、自殺行為になります。ただちにやめてください。

1)フクシマのことはまずフクシマ に。フクシマに原発を押しつけて電力を
使ってきて、石原 に投票した都民がフクシマ県民と同じ票の効力をもつとい う
のは不公平です。フクシマ県民は二〇〇万強、東京都民は一三〇〇万。このうち
選挙権のある人はそれぞれの一部ですが、まちがいなく東京はフクシマの数倍
にのぼるでしょう。その過半数が原発推進、震災の被災者は天罰と公言した石原
の再選を支持したのです。

2)フクシマのことは一国民だけでなく全世界の問題です。世界投票を呼びかけ
るべきではないでしょうか。しかも、↓

3)フクシマの放射能を浴びるのは在日外国人もいっ しょです。 河内、今井
両氏の運動では、 外国人投票権を認める方向のようです(Q&A を見る限りで
は)が、今井氏の運動は、認 めるのと認めないのの自由選択です。はっきり
と、 外国人にも投票権を与えようと言わないのは外国人に対する軽視だと思い
ます。

 今井氏がこの点を明らかにしないには、もちろん重要な理由があります。
 それは、今井氏が、脱原発の呼びかけはしないと言っていることに通じるもの
で、国民投票への支持を得るためには、原発推進派の支持も必要だと考 えてい
るからです。
 つまり、脱原発よりも国民投票が重要目的だと考えているということです。
 ならば、その国民投票とは、どのようなものか、ということが重要になります。

4)国民投票は改憲のためにある制度ですから、 利用してはなりません。国民
投票ならなんでもいいと考えるなら、たいへん危険です。直接民主制は望ましい
ことですから、国民投票を目標として掲げること は、決して間違ってはいませ
ん。問題は、どんなにいいことでも、やり方や時期があるということです。

5)イタリアでは国民投票で脱原発を決めたという例を引き合いにだして、日本
でも、と言っているひとは、イタリアについて、次のことを思い浮かべ てほし
いものです。
イタリア人は、ムッソリーニを自分達で捕 まえました。日本では天皇の退位す
ら実現しませんでした。
イタリア人は、ベルルスコーニもやめさせ ましたし、彼の出した有害な雇 用法
改正案は毎日300万のデモで廃案に追 い込みました。
イタリアでは、イラク戦争反対も100万単位のデモが出 ました。
イタリアでは、左翼新聞の女性記者がイラクで人質になると、殺 さないで、と
いう嘆願デモが毎日数十万繰り出し、記者が無事帰還したときは、ベルルスコー
ニですら、特別機で迎えに行って、彼 女を抱擁するという、心にもないサービ
スをせざるを得なかったのです。日本では小泉首相が、3人の日本人がファルー
ジャで人質になるといち早く 「テロには屈しない」と言って、率先して3人を
危機に追い込みました。
ローマのコロッセオには超大型の照明装置があって、世界のどこかで死刑の減刑
や廃止があるとライティングをして祝います。人情味豊かで、さばけ た、人生
の楽しみを知る人たちの多いラテン文化の面目がよく現れています。
 日本といかに条件がちがうかを、あなたも思い知っているのではありませんか?


6) 直接民主主義は必要です。それでヨーロッ パでは、熟議の民主主義といっ
て、ひとつの課題に ついて1年以上かけて国民的議論をすることが、最近増えて
います。ところが今井氏も、河内氏も、このことを全く述べていません。
 今井氏は今年の311に 間に合わせて国民投票制度を国会に提案すると言っ
ています。・・・ これでは、電力企業、政府、マ スコミ、財界、労組のデタラ
メな情報に騙 されている国民が原発についてま ともな認識を持つような時間は
まったくありません。これでは、熟議ということに無関心なのだと思わざるをえ
ません。それというのも、今井氏が、原発の問題 より直接民主制のほうに関心
があり、日本の歴史に自分の名を刻むことにのみ急だからでしょう。河内氏も、
日頃の発言からは、市民運動蔑視の姿勢を 感じさせます。

7)重大な問題は、いったい、そのようにして国民投票請願を受け取った国会で
は、どの党がどのように問題を処理するか、です。
 ここで、今井氏の基本戦略である「脱原発は言いません」ということが、重大
な意味をもつことでしょう。(河内氏は、脱原発は鮮明ですが、具体的 な案は
ないと思われます。無責任だと思います)。
 永田町は、国民の熟議を嫌います。日本の戦後の保守政権、したがって財界
は、60年あまりも、国民を騙し続けてきたのですから(このことは当ブ ログの
「逆よいこ」にも及ばずながら少しずつ書き始めています)


8) 今井氏の提案している国民投票の選択肢(稼働を認める /2022年までの段
階的閉 鎖)は、どういう根拠で10年待つなどと言っているのでしょうか。それ
自体が国民的熟議の議題であるべきことを、勝手に決めているのは、軽率だし傲
慢で す。

9)狭い地域の範囲でならば、脱原発派は力を発揮できますが、全国規模では、
資本力のある原発推進派のほうが圧倒的な宣伝力をもつでしょう。今井 氏はこ
のところ矢継ぎ早に世に送っている著作のなかで、日本でも住民投票が優れた成
果をあげた例を示して、日本人は愚民だから国民投票になじまな いという主張
は成り立たないと、日本人の心をくすぐるレトリックを駆使していますが、全国
レベルのことと地方での住民投票の例を混同してはなりま せん。地域の人たち
にはその地域のことはよくわかっているのです。東京のど真ん中でのうのうと生
きて石原再選を支持する連中とフクシマで家を捨 て、仕事を捨てるかの選択を
迫られるひとでは、意識が違いすぎます。

)フクイチ事故は日本だけでなく世界全体の問題です。広汎な世界的世論を巻き
起こすべきです。そしてそれを背景に、堂々と脱原発のためだけの市民 投票を
全国で行うことにしましょう。

 私たちは直接民主制という謳い文句にころりと参ってしまうのですが、
 ほんとうの直接民主制をめざして、もっと手堅く前進したいものです。
 どうか、この趣旨をご理解いただきたいと思います。

(現在、今井氏の著作および国民投票運動のウェブサイトを検討中です。今後認
識が進めば、上記の一部に改訂を加えることがあるでしょう。また、今 井氏ら
が進歩すれば、私の主張する線に歩み寄ることがありえますが、まだまだ彼らに
はヤマっ気が多すぎるから、無理だろうと思います)




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