[CML 014806] 原子力委3人に業界から寄付 5年間で1800万円 朝日新聞(3)

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2012年 2月 6日 (月) 07:39:34 JST


東京電力福島第一原発事故後の国のエネルギー政策を左右する原子力政策大綱。その会議に参加する原子力専門の大学教授3人が、原発業界から多額の寄付を受けていた。東電顧問らも名を連ねており、人選が推進派寄りとの指摘が内部からもあがっている。 

■「推進の話しかしない」 

 昨年10月3日、東京・平河町で開かれた原子力委員会の新大綱策定会議。議事録によると、福島第一原発事故で中断し、再開から2回目となるこの日のテーマは原発の安全性だった。 

 「原発依存を減らしたいのは大多数の国民の合意」。原子力以外が専門の大学教授からそんな意見が出る一方、東京大の田中知教授は主張した。「エネルギー政策は長中期的視点で冷静に考える必要がある」 

 議長の近藤駿介委員長から指名され、議論を締めくくったのは事故後に会議に加わった大阪大の山口彰教授。「福島の事故を受けて安全対策は随分とられている」「最新の炉は安全性も向上している」と語った。 

 昨年11月の会議では、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して再び使う核燃料サイクルが議題に。「失敗しているのに反省がないのは理解できない」という意見がほかの専門委員から出た直後に、山名元・京都大教授は「原子力は日本を支えていく大事なエネルギー」「(使用済み燃料を使う)高速炉の開発は続けるべきだ」と話した。 

 3教授は取材に「現場を知る者として持論を述べている」「適切だと考えることを発言する」などと話し、寄付の影響は受けないと語る。使い道については、備品を買ったり、学生が学会などに行く旅費に充てたりしたと説明する。 

 田中教授は日本原子力学会長、山名教授は電源別の発電コストを検証する国家戦略室のコスト等検証委員会の委員、山口教授は内閣府原子力安全委員会の小委員会主査を務めるなど、3人は原子力委以外でも原発関連の要職についている。 

 専門委員として会議に加わるNPO「原子力資料情報室」の伴英幸・共同代表は「3人は専門家なのに、まるで事故がなかったかのように原発を推進する話しかしない」と指摘する。 

■メンバーに東電顧問の名前も 

 2005年10月に閣議決定された現在の原子力政策大綱は「人類社会の福祉と国民生活の水準向上」を目的に原発の推進をうたう。新規の原発立地を目指し、50年ごろに高速増殖炉を商業ベースで導入することを目標としている。しかし、「国内外の原子力利用に様々な変化がみられる」として10年11月に設けられたのが、新大綱策定会議だ。 

 メンバーは、近藤委員長、元東電原子力技術部長の尾本彰・東電顧問ら原子力委員5人と、専門委員23人で構成されている。 

 専門委員には「意見の多様性に配慮する」としてNPO代表や消費者団体事務局長が選ばれる一方、高速増殖原型炉「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機構の鈴木篤之理事長、電力会社の団体「電気事業連合会」の会長(現在は関電社長)、電機関連メーカーでつくる日本電機工業会の原子力政策委員長、電力ユーザー代表としての日本商工会議所の副会頭、原発が立地する自治体の知事や市長らが選任されている。 

 会議は福島第一原発の事故後に一時中断。昨年9月の再開時に専門委員を一部入れ替えたが、尾本・東電顧問をはじめ、大半が続投した。 

 新しい大綱は8月にもまとまる。専門委員である慶応大経済学部の金子勝教授は取材に「脱原発の委員は少なく、人選の段階で結論を出しているようなものだ」と会議のあり方に疑問を投げかけている。(大谷聡、二階堂祐介) 


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