[CML 021866] 東京都知事選挙から都議選に向けて

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2012年 12月 31日 (月) 14:38:10 JST


2012年12月16日投開票の東京都知事選挙で宇都宮けんじ氏は残念な結果に終わったものの、宇都宮けんじ勝手連の超党派の枠組みは大きな成果である。長期的目標は2013年の東京都知事選挙となる。順当に行けば4年後になるが、石原慎太郎氏が放り出したように時期が早まる可能性もある。築地市場移転予定地の土壌汚染問題など石原氏が都知事を投げたしたくなる状況は何も変わっていない。 

短期的目標としては東京都議会議員選挙の支援を提言する。都議選に何もしないで眺めることはもったいない。以下に理由を述べる。 

第一に地方自治は首長と地方議会が車の両輪であり、都政を変えるためには都知事だけでなく、議会も変えなければならないためである。勝手連の活動は宇都宮氏を当選させることが究極の目的ではない。宇都宮氏の掲げる政策を実現することである。それには議会の議決も必要である。 

第二に「人にやさしい東京」を支持する議員を増やすことは猪瀬都政への監視になる。もともと猪瀬直樹氏は議会対応がウィークポイントとなると指摘されているが、野党議員が増えるならば猪瀬都政にとって大きな障害になる。都知事を放り出す可能性も大きくなる。 

第三に次の東京都議会選挙はチャンスである。有権者の投票行動には振り子の傾向がある。東京都知事選挙で猪瀬氏は大量得票になったが、その反動が来る。揺り戻し票を獲得できるように対立軸を明確化したい。 

第四に「人にやさしい東京」を支持する議員を増やすことは次の東京都知事選挙に有用である。都知事選挙に勝つという目的だけを考えたとしても、都議の協力は重要である。 

第五に都知事選挙で支援した都議会議員を応援することは道義に適う。 

一方で勝手連が東京都議会議員選挙を支援することにはデメリットがある。以下に理由を述べる。 

第一に勝手連の枠組みを破壊しかねない。勝手連には特定政党を支持する人、超党派・無党派を貫きたい人が存在する。統一候補を立てる必然性のある都知事選挙と異なり、都議会議員選挙は政党間の選挙戦の性質が強い。特定政党の候補者を支持しなければならないならば結束が壊される。 

第二に都議選は政党間の選挙戦の性質が強く、政党間に協力する動機が乏しい。 

第三に都議選支援となると、宇都宮氏の推薦政党の候補者がベースになるが、宇都宮氏の敗北は推薦政党支持層以外に広がりが欠けたことである。美濃部革新都政は「国政選挙では自民党に入れたが、都知事選挙では美濃部氏に投票した」という有権者が多かったから誕生した。 

今回の都知事選挙では、推薦候補を出さない民主党とみんなの党の支持層が草刈り場になる筈であったが、それすら猪瀬氏に持っていかれた。ここには宇都宮氏の支援者に特定の推薦政党の色が強すぎたとの批判もある。推薦政党と密接になることは広がりの芽を潰す可能性がある。 

デメリットの第一は致命的である。都議選支援のために彼らを排除することは都知事選の勝手連として本末転倒である。そのために宇都宮勝手連有志を主体とした都議選勝手連とすることが現実的である。 

個々人が各自の支持する候補者の陣営に個別に参画するよりも、宇都宮勝手連をベースとした勝手連組織で活動する方が望ましい。それが「人にやさしい都政」のプレゼンスになり、次の都知事選へのアピールにもなるためである。 
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それ以外のデメリットは反論可能である。第一のデメリットについて政党側には協力する動機は薄いとしても、市民の側にはある。たとえば脱原発について各政党が微妙に異なる主張を展開したから、争点が曖昧になった。脱原発派にとっては原発推進か脱原発かである。政党側には「卒原発」などの新しい言葉を使って差別化する動機があるが、市民の側が対立軸を明確化し、人にやさしい都政に収斂させるようにしていくべきである。 

第二のデメリットについて、民主党やみんなの党支持層に食い込むことは重要な課題である。それ故に都議選では所属政党の国政での活動とは切り離して、都政に対する候補者の見解や過去の言動を踏まえて支持不支持を是々非々で判断することが望ましい。それが都政で多数派を築く上で本筋である。 

但し、現実の宇都宮支持層の政治志向と政治状況を踏まえると、困難もある。まず、宇都宮支持層は推薦政党を軸に国政でも同じ対立軸で戦うことを志向する傾向が強かった。それを象徴する出来事が選挙戦最終日に野田首相に向けられた激しい敵意である。「人にやさしい都政をつくる会」声明でも「東京都知事を変えることは、日本の右傾化を阻止する力になる」と都民の生活とは縁遠い目標を掲げた。 

また、都議選は参議院選挙と重なる。好むと好まざるとに関わらず、国政の対立軸とリンクされる。宇都宮支持層の多くは参議院議員選挙を「憲法を守る闘い」と位置付け、イデオロギー色を一層強くする可能性がある。それが裏目に出て、一層少数派に転落する危険もある。この点でも都議選で宇都宮氏の政策を軸とした戦いを盛り上げていくことが重要である。

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