[CML 021813] 市民派から見た生活の党の評価

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2012年 12月 27日 (木) 23:16:37 JST


日本未来の党の森裕子参院議員らは2012年12月27日、党名を「生活の党」と改め、代表を嘉田由紀子滋賀県知事から森氏に変更すると総務省に届け出た。生活の党が市民派の政党に成長することを期待する。 

そもそも「国民の生活が第一」が未来の党に発展的に解消したことは失敗であった。国民の生活が第一は、民主党がマニフェストを反故にし、国民の期待を裏切ったことへの批判として生まれた。国民の生活が第一と現在の民主党のどちらが国民の期待した政権交代時の民主党の精神に忠実であるか国民の審判を受ける意味があった。 

国民の生活が第一は政党名としては異質であり、宇多田ヒカルからキラキラネームと批判されたが、民主党マニフェストを体現する言葉としては明確であった。それが未来の党になったために自ら重要な争点を分かりにくくしてしまった。 

代わりに未来の党は卒原発をアピールしたが、脱原発は未来の党の専売特許ではない。未来の党の候補者の多くが脱原発で一貫していた訳でもない。国民の生活が第一から未来の党になることで自らの強み、自らの原点を没却させてしまった。 

国民の生活が第一の中心人物の小沢一郎氏の不人気は相当のものであった。それ故に嘉田氏を担いだことは一つの戦略である。しかし、嘉田氏は小沢氏の不人気を補うのではなく、小沢氏の否定に走った。それは民主党から分かれた趣旨すらも否定することになる。嘉田氏には「私は操り人形」と公言するくらいの余裕が欲しかった。 

未来の党の敗北を印象付ける選挙区は東京第15区(江東区)である。ここでは未来の党の現職代議士が落下傘候補の民主党公認候補に得票数で敗れた。腐っても民主党であった。未来の党は自分達こそ本来の民主党とアピールして民主党支持層に食い込むべきであった。 

未来の党の選挙戦は鈍かった。組織的な活動ができたとは言い難い。急ごしらえの新党結成が裏目に出た。その未来の党の選挙戦は素人のボランティアに支えられたと言っても過言ではない。選挙区に関係なく自分が応援する候補者を応援した。それは小さな力であるが、地域や業界団体、労働組合、宗教団体などの顔役が仕切る従来型の選挙活動よりも健全であり、民主的である。この動きを党運営に活かせれば市民派の政党になることができる。 

未来の党の選挙戦を支えた人々は古くから日本を改革できる政治家として小沢氏を熱烈に支持する傾向があった。彼らを小沢支持者と呼ぶ。小沢支持者の最大の功績は政治家を市民の側に近付けたことである。自民党幹事長であった小沢氏は市民派から見れば限界はある。それ故に教条主義的立場から小沢氏に足りない部分を指摘することは容易である。 

実は小沢支持者も主義主張の重なり具合は小沢氏よりも日本共産党の方が親和性は高い。しかし、共産党の党組織は市民派が政治参加する上では閉鎖的な印象を受ける。小沢支持者が共産党ではなく、小沢氏に期待することは主義主張の重なりではなく、政治参加という観点では合理性がある。そして保守本流の嫡流であった小沢氏が対米従属路線を批判し、国民生活が第一と唱え、市民派の集会に参加することは逆に驚くべきことである。ここには小沢支持者の熱烈な働きかけがあった。 

政治参加の王道は、自分達と同じ考え方の人を候補者として当選させることである。しかし、この点で市民派が十分な成果を得たとは言えない。むしろ、同じ考えにこだわるあまり、幅広い支持を失ってしまった。これに対して既存の有力政治家に働きかけて、自分達の視点をもってもらうことも一つの政治参加である。小沢支持者の活動は政治参加の大きな成功例である。彼らが未来の党の選挙戦を支えたことで生活の党という政党自体が小沢支持者の政治参加の場になる可能性がある。 
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但し、生活の党のオープン性には危険もある。放射脳カルトなどの異常者が入り込む余地があるためである。放射脳カルトだけでなく、「自民党は徴兵制を施行する」などのデマゴギーを拡散する。トンデモ層の支持率の高さはTwitterで小沢氏の支持者を探せば明らかである。それは良識的な市民を離反させる。 

放射脳も徴兵制も現実に苦しむ国民の生活課題から乖離している。その種の問題を一生懸命に拡散しても市民の共感は得られない。むしろ直面する生活課題から目をそらすために有害である。放射能汚染などの不安を煽ることで一時的に頭の弱い人の支持を得られる可能性があるが、良識派は離反する。不健全な快楽のために健康を蝕む脱法ハーブと同じである(林田力「山本太郎の立候補に批判」真相JAPAN第134号、2012年12月4日)。 

生活の党は総選挙の反省から、後援会や地盤重視の保守的な選挙活動に揺り戻しが来ると予想される。勝手連的な市民派の自発性は活かしつつ、良識によって放射脳カルトなどの非常識を排除し、地に足ついた活動を再構築することが再生の道である。 


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