[CML 021689] 「リベラルはこの総選挙で何を学んだのだろう」 【山田厚史の「世界かわら版」】 中道左派=リベラル退潮の理由 溝埋められぬ旧左翼と市民運動

石垣敏夫 motoei at jcom.home.ne.jp
2012年 12月 20日 (木) 10:21:10 JST


山田厚史氏はわかっていない。

民主党が主権者との約束を守らず、
自公との約束を守ったこと。
民主党政権を否定したのであって
★他党を評価したのではない。
棄権者の増大はその証左の一つ
事実を見ることが必要、
主権者はそんなに愚かではありません。
民主党に代わる政党が育っていなかった、
準備ができていなかったことは事実ですが。
民自公の消費税密室談合(議会制民主主義の否定)
を批判しないマスコミの責任は大である。
山田氏はそれを指摘したのでしょうか。
             石垣敏夫


Subject: [CML 021688] 「リベラルはこの総選挙で何を学んだのだろう」 【山田厚史の「世界かわら版」】 中道左派=リベラル退潮の理由 溝埋められぬ旧左翼と市民運動


山田厚史の「世界かわら版」
【第25回】 2012年12月20日
http://diamond.jp/articles/-/29695

山田厚史 [ジャーナリスト 元朝日新聞編集委員]

中道左派=リベラル退潮の理由
溝埋められぬ旧左翼と市民運動

自民圧勝の総選挙は「中道左派=リベラル」の退潮を印象付けた。米国でオバマ大統領を支えたのはリベラルであり、フランスのオランド大統領は社会党だ。格差を生み出すグローバル市場主義に平等志向で対峙する中道左派はなぜ日本で支持を得られないのか。

答えは明白だ。旧左翼と市民運動の間に「深い溝」がある。越えようとする覚悟がない。組織防衛が先に立ち「妥協」を拒む。負け癖がついて敗北に危機感が伴わない。

リベラルはグローバリズムの反作用であるナショナリズムに押され気味だ。不況への苛立ちから拝外主義や強い政府を求める空気は欧米でも起きている。尖閣・竹島・北のミサイルなど近隣の不愉快な動きが右の追い風になり、中道左派は結束できないまま自民党の独走を許した。

反原発で共闘の機運も
既成政党の厚い壁に阻まれ

東京5区で日本未来の党から立候補した丸子安子さん(44)は、

「選挙がこんなに孤立した戦いとは思わなかった。党からの応援はなく、NPOに頼んでも政治活動はしないと断られ、身内だけの選挙運動では有権者に浸透しようがなかった」

と振り返る。3.11以前は子育てしながらファッションデザインに励むワーキングマザーの一人だった。広がる放射能汚染に危機感を抱き、原発停止を求める署名集めに加わった。自然エネルギーへの転換を求め、国会議員に働きかけるロビー活動もした。政治を他人任せにしていたことが「原子力ムラ」や「安全神話」を生んだと反省し時間や労力を反原発の活動に振り向けた。

明治大学の中沢新一教授を中心に、ドイツで台頭する環境政党「緑の党」のような反原発を掲げる市民運動・グリーンアクティブが始動し、この中から「反原発の候補者調整ができないものか」という声が上がった。嘉田由紀子滋賀県知事を担ぎ政党に候補者調整を促す動きが密かに進められた。

こうした中で丸子さんはタレントの山本太郎らと共に「原発をなくしたいという声は圧倒的に多い。ここを軸に政治を変えられれば」と選挙に出る覚悟を固めた。

だが既成政党の壁は厚く社民党も共産党も自前の組織で選挙を戦う構えを崩さなかった。 


「原発だけで統一候補を立てるのは無理。政策の一致がなければ候補者調整はできない」 


市民団体の提案は相手にされず、候補者調整は暗礁に乗り上げる。嘉田擁立の条件は整わなかった。それが告示直前、「国民の生活が第一」の小沢一郎代表の強力な後押しで「日本未来の党」が決まった。

反原発勢力の受け皿として画策されたものの「民主党離脱者の受け皿」になってしまった。有権者には小沢色が強く意識され、結果として反原発ネットワークとして機能しなかった。

丸子さんは未来の党から立ち、山本太郎は無所属で東京8区から出た。この選挙区は来年の参議院選挙に候補者を立てる地域政党「緑の党」の牙城だ。立候補予定者のすぐろ奈穂杉並区議は緑の党共同代表者。山本擁立は国政進出に向けた前哨戦でもあった。

来年の参議院選挙には「みどりの風」も候補者を立てる。消費税増税をめぐる不一致で民主党を飛び出した参議院の谷岡郁子、舟山康江、行田邦子と国民新党を離脱した亀井亜紀子の各議員が7月に旗揚げした政治団体で「環境主義、共生主義」を掲げている。総選挙では民主党を出た山崎誠議員ら3人が合流し、政党要件を満たしたが、未来の党が決まると3人は抜けて未来から立候補するという顛末になった。

乱立する政党を眺めると「脱原発」を鮮明にしているのは未来の党、共産党、社民党、みどりの風、緑の党、みんなの党である。いずれも「消費税増税反対」を掲げ、みんなの党を除けば「反新自由主義主義」でも一致する。

リベラルの要素を平等社会・環境との共生・平和重視に置くなら、未来の党から緑の党まで、あるいは民主党の一部まで、多少の温度差はあっても理念は共通している。現実の政策では脱原発、反消費税増税、TPP反対、憲法9条改正反対などの国政の骨格である政策で足並みが揃っている。

だが組織の事情や過去のいきさつなど些細な対立で足並みが揃わない。いい例が東京都知事選だった。

都知事選・宇都宮陣営でも
幻に終わった「リベラル勢力結集」

日弁連会長だった宇都宮健児候補を社民・共産・未来が支え市民団体も加わって反自民公明の統一候補が生まれたかのような印象だが、内部は複雑だった。宇都宮さんを擁立したのは社民党に近い人たちで、これに共産党が乗った。かつての美濃部都政のように社共共闘への市民勢力の合流が呼びかけられた。賛同者に反原発で活動する顔ぶれが加わったが、内輪もめが起きた。

反原発の市民団体には「有権者の意思で原発を止めよう」と主張する反原発都民投票に取り組む人たちがいた。若者や主婦など既成政党に属さない人たちで、宇都宮候補に「知事になったら都民投票実現に動くと約束して」と迫った。宇都宮さんはクビを縦に振らなかった。担ぎ出した社民党が都民投票に難色を示している、という事情があった。都民投票をめぐるごたごたが足並みの乱れを招いてしまった。

官邸前で毎週金曜日、反原発のデモが続いている。これまで運動に参加していなかった顔ぶれが自発的に始めた新たな動きとして注目されている。主催者は首都圏反原発連合という緩やかな集まりだが、総選挙では全く動かなかった。

様々な政党が「脱原発」「卒原発」などと唱え、特定の政党を応援することはできない、となったからだ。反原発の新たな盛り上がりも、総選挙で風を起こすことはできなかった。

「反原発勢力が一本化すればデモに参加する人たちの投票行動もはっきりしたと思う」 


と主催者の一人はいう。

矛盾や格差が拡大する中
リベラルはどう支持を集めていくのか

雇用不安、若者の貧困、増税、原発事故。リベラル勢力が標的にしやすい難題を日本は抱えている。

国防軍を明記する憲法改正草案を掲げて選挙に臨んだ安倍自民党。平和憲法破棄を主張する石原慎太郎前都知事を代表に据えた日本維新の会。右派が勢力を伸ばすが、左派は共産党も社民党も支持者の高齢化が進んでいる。大学でも学生の政治活動は下火だ。社会に関心のある若者はボランティアやNPO活動に向かう。矛盾に目を向ける若者は決して少なくないが、こうした層にリベラルのメッセージは浸透していない。

現状に疑問を感じながらも政党が乱立する選挙では一票を活かすことができないと思い、投票所に向かわなかった「潜在的支持者」が多数いるのではないか。

自民党は圧勝したが前回総選挙に比べ、得票数も得票率も減らした。「非自民票」が分散し、死票と無投票の中で自民党単独過半数が起こった。

小選挙で選挙をすれば「1位総取り」は避けれられない。選挙制度に歪みがあるにせよ、今の制度が続く限り選挙協力なしに小政党は議席を得られない。

市民活動家や文化人が、高い立場から政党に結集を促すことが必要になるだろう。

大江健三郎に代表される文化人は、名前は貸すが自ら積極的に動いているようには見えない。乱立する政党の間で、迂闊に動けないと思っているのかもしれない。

3年前の政権交代が挫折し、振り子は一気に右に振れた。ちょっと前までは想像もしなかった憲法改正さえ現実味を帯びている。グローバル資本主義が社会を揺さぶるいま、日本社会や人々の暮らしが痛んでいる。

リベラルはこの総選挙で何を学んだのだろう。 



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