[CML 021574] <テント日誌 12/12(水)――経産前省テントひろば 458日目>

Kimura-m kimura-m at ba2.so-net.ne.jp
2012年 12月 16日 (日) 08:31:16 JST


<テント日誌 12/12(水)――経産前省テントひろば 458日目>
        それでも変わらぬ師走の日々

 巷でもあまり選挙の騒音は聞こえずいつもの師走というべき光景がある。師走になるとカレンダ―が登場する、友人から贈られてくるものもあって楽しい。テントのなかにもいくつものカレンダ―が届いている。あまり考え事をしない人のためせめてトイレくらいではというわけか、トイレに飾るカレンダ―がある。トイレに座りながら目にする文言が綴られている。なるほどと思う。
 昔、印刷所に出入りしていてたくさんのカレンダ―があるのに驚いたものだ。その美しさに見とれていたこともある。でも、私ならもう少し別のものを作るのにと思ったこともあり、なかなか満足の行くものは少ないのだとも思ったのも事実だ。誰か私を驚かすカレンダ―を届けてくれないか(?)

 今年は寒いのだろうか(?) 一般的な気象診断は知らないが寒い。特に夜は寒い。深夜の不寝番は寒さのきつい時期に入った。誰が探してきたのか湯たんぽがあって寝るときは重宝である。私たちの子供のころは湯たんぽの時代だったのだが、人のあまり行かないところでこのお世話になったこともある。なるほどねと感心したものだが今年は役だつのだろう。

 テントのうちにはYさんの遺影が飾られている。誰が持ちこんだのか知らないが穏やかな表情である。でも、向かい合うと何を言ったらいいか戸惑いもする。彼のことは前回に書いたのだが、少し付け加えれば彼は結構激情的なところもあって怒鳴り合いのようなこともした。この歳で怒鳴り合いなどすると後に引くものだが、それはなかった。不思議なことだがそれは気持ちがよかった。
 それに彼は人に対する気遣いは細やかであった。活動家生活での苦労から身に付けたものか、活動する人への見えないところでの配慮ができていた。

 テント設立のはじめのころKさんという女性がいた。彼女も昨年の暮れに亡くなったのであるが彼女は従来の活動スタイルから見れば異質な存在で周りからは反発もあった。泊りのメンバ―が足りなかったとき彼女は率先してそれをやってくれた。そして、朝一番で自転車でゴミを自分のアパートまで運び処置してくれた。
 そんな彼女のことに何くれと気配りしていたのはYさんであり、彼女を影で支えてもいた。彼女のことは彼からも相談されたこともある。今頃はあちらの世界で再会してテントのその後のことも話しているのだろうか。

  財務省の前に選挙の宣伝カーが停まり演説をはじめた。某宗教団体の車で教祖が登場するとあって動員された信者が経産省前などにも人が集まっていた。選挙の風景としては良く見るものだが、これが財務省前というのは見なれないものである。この団体の政治宣伝であるためだろうか。
 帰りにテント前を通る信者たちはテントの人たちが金で動員されていると悪口をわめいて行くが、これは自分たちが金で動員されていることを告白している(?)のだろうか。街宣車の右翼も良く似たことを言うのだが、これは彼らの実態の裏返された表現なのだろうと推察しえる。せめて政治的な信念や主張で批判をすればいいのにと思うけれどなかなかそうはならない。

 前回、書き残した愛媛大学の先生の話を記す。愛媛大学では農業や漁業に携わる科が設けられその最初の卒業生たちが就業したとのことだが、高校に自然エネルギーへの転換の対応する科の設置構想を持っているのだという話だった。
 脱原発の運動は社会の転換を内包しており、それは原発からのエネルギ―転換が経済社会の構造を変えていくということでもある。これは自然発生的な形での再性エネルギ―等への投資等として現れている。原発再稼働がなければ飛躍的に進むものであり、産業経済のイノベーションとしても内需拡大としても進展するものだ。第二次産業経済を中心とした高度成長経済の転換が不可避な今、これは未来の道である。
 
 そうした人材を育成する構想だったのだがいい話だった。見えないところでこういうことをやっていることはこちらも元気づけられる。再稼働反対という政治的運動の背後にはこうした社会的行為が呼び起こされているのであり、これが以前の脱原発からは発展している要素であり可能性である。社会の構成の転換に呼応することで官邸前行動のテントも政治的枠組みを超えた広がりを形成している。ある程度は想像できることだがその動きが見えるのは嬉しい。
 逆にいえば官僚や電力会社という独占体の再稼働はこうした社会の動きを押しつぶそうとしている。そこに彼らの既得権益が侵される恐怖があり、敵対戦略がある。こうした直接には見えない関係で広がるところに脱原発運動の可能性があるのだが、それを実感させてくれる話だった。
  (M/O)



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