[CML 021312] 山田厚史氏(元朝日新聞社編集委員)のがらくたの論説にとりあえずひとつの反証を呈示しておきたい

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2012年 12月 3日 (月) 19:38:32 JST


以下は2012年12月10日付けで雑誌 「AERA」に掲載された元朝日新聞社編集委員の山田厚史氏の論「いきなり衆院選の第3
勢力に 嘉田党首の『卒小沢』度」に対するとりあえずのひとつの反証の提示として書きました。
(「AERA」記事は最下段をご参照ください)

山田厚史氏 wrote:
> 自民党にウンザリ、民主党にガッカリ。
> 双頭の維新のタカは右旋回。
> 思いを託せる政党がない、と苛立っていた有権者に、
> 「この指とまれ」と「卒原発」の日本未来の党が現れた。

上記は「『卒原発』の日本未来の党」に期待する、ということでしょう。しかし、日本未来の党は真に「卒原発」の党といえるのか?

例1。以下は2012年12月2日付けの東奥日報(青森県)の記事。

「日本青年会議所青森ブロック協議会(阿部吉平会長)は1日、衆院選本県1、2区の立候補予定者による公開討論会を青森市と
十和田市で開催。環太平洋連携協定(TPP)や消費税増税をテーマに、参加者が主張の違いを際立たせた。「卒原発」を掲げる
日本未来の党からの立候補を見込む「国民の生活が第一」の前職2氏は、使用済み核燃料の再処理事業や電源開発(Jパワー)
大間原発の建設は、継続を認める姿勢を示し、党の考えとは一線を画した。」(「衆院本県1、2区で公開討論会」)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2012/20121202001430.asp

上記のような主張を掲げる議員を擁しているのが国民の生活が第一という政党であり、その国民の生活が第一を擁する日本未
来の党という政党です。

日本未来の党を「卒原発」の党と評価することはできないでしょう。

例2。以下は2012年12月1日付けの毎日新聞記事。

「『卒原発』を唱える日本未来の党の嘉田(かだ)由紀子代表は1日午前、原発について『原子力規制委員会が安全性を担保し、
政府が必要だという判断をした場合、再稼働を認める』」と述べ、条件が整えば再稼働を容認する考えを明らかにした。未来が
掲げる『10年後の卒原発』については『目標』との認識を示した。嘉田氏は11月27日の結党会見で、原発再稼働の是非に言
及していなかった。」(「未来:嘉田氏が原発再稼働容認『政府の判断あれば』」毎日新聞 2012年12月1日)
http://mainichi.jp/select/news/20121201k0000e010199000c.html

ただ、嘉田氏は翌日になって前言を翻したようです。

「日本未来の党の嘉田由紀子代表(滋賀県知事)は1日午後、東京都内で記者団に対し、原子力規制委員会による安全性の担
保などを条件に「再稼働を認める」とした1日午前の自らの発言について、「どういう手続きが必要かを言った。個別の容認では
ない。誤解を与えたならばおわびする」と述べ、修正した。」(「日本未来の党:嘉田代表、『再稼働容認』一転否定 脱原発、発言
ぶれる」毎日新聞 2012年12月2日)
http://mainichi.jp/select/news/20121202ddm002010106000c.html

だとしても、「条件が整えば再稼働を容認する考えを明らかにした」ことに変わりはありません。こういう政党を「卒原発」の党と評
価することはできるか? 私は否、と思います。

マエキタミヤコ氏 wrote:
> 嘉田さんは、暮らしと自然環境の現場から日本の未来に危機感を抱いている。
> 政治を誤った方向に進ませないため、一歩を踏み出したんです

などと言うようにも評価できません。

上記、「政治を誤った方向に進ませないため」にひとつの反証を示しておきました。


付記:
「政治を誤った方向に進ませ」ているひとつの例として林田力氏は山本太郎氏の例を挙げています。見るべき論だと思います。
その林田氏の論と萩谷良氏の同論への返信を付記として以下に掲げておきます。この返信も見るべき論だと私は思います。

■ 山本太郎の立候補に批判(CML 林田力 2012年12月2日)
http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-December/021122.html
■Re: 山本太郎の立候補に批判(CML 萩谷良 2012年12月3日)
http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-December/021131.html


東本高志@大分
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http://mizukith.blog91.fc2.com/

いきなり衆院選の第3勢力に 嘉田党首の「卒小沢」度(「AERA」 2012年12月10日) 


自民党にウンザリ、民主党にガッカリ。
双頭の維新のタカは右旋回。
思いを託せる政党がない、と苛立っていた有権者に、
「この指とまれ」と「卒原発」の日本未来の党が現れた。


ニコニコ画像が11月28日に行ったインターネットでの
政党支持率調査で、日本未来の党が、日本維新の会や自民党を上回り、
いきなりトップに躍り出た。

「しょせん小沢の隠れ蓑」という見方もあるが、
環境広告クリエーターのマエキタミヤコさんは、こう反論する。

「永田町イスとりゲームで政治を語る人の見方です。
嘉田さんは、暮らしと自然環境の現場から日本の未来に危機感を抱いている。
政治を誤った方向に進ませないため、一歩を踏み出したんです」


京大探検部に所属

新党「未来」の党首に就任し、一躍時の人となった嘉田由紀子・滋賀県知事。
どんな人物なのか。

埼玉県本庄市の比較的豊かな養蚕農家に生まれた。
「女に学問はいらない」という祖父を押し切って熊谷女子高校に進んだ。
生徒会長を務めるなど人望は厚かった。

中学の修学旅行で比叡山、琵琶湖を回り「こんなところで暮らせたら」と、
京都大学農学部へ。
探検部に入り、タンザニアまで足を延ばした。
大学院で始めた農村研究でフィールドワークにのめり込む。
米国のウィスコンシン大学に留学し、視野を途上国農業に広げ、
帰国するとテーマを琵琶湖に絞った。
34歳で『水と人の環境史』(御茶の水書房)を恩師と共同で出版した。

琵琶湖の汚染を調べるため、周辺集落340カ所を訪れた。
飲み水も洗い物も琵琶湖と共にあった暮らしが、水道の普及で一変した。
便利さが汚染への感度を鈍らせていた。

2006年に知事選に担ぎ出されたとき、探検部の先輩で京大教授も務めた
夫(後に離婚)には「研究者は政治に踏み出すべきではない」と反対されたが、
研究者の手に負えない領域に踏み込む覚悟だった。

「もったいない」を標語に新幹線新駅・産廃処理場・ダム建設反対を掲げ、
自民党の一部からも支持を受けた。
公明・民主まで相乗りした現職候補を破り当選する。
少数与党の県議会では誠実な受け答えで味方を増やし、
翌年の統一地方選に向けて「対話でつなごう滋賀の会」が発足。
県議会で新駅反対派が多数を占めた。

「長崎のようなことになりたくなければ新駅を造れ」

07年4月に射殺された長崎市長の事件を暗示する脅迫がされたりしたが、
屈しなかった。

「女のひとだな、やっぱり(視野が)狭い」

と森善朗元首相に批判されると、

「女性蔑視だと言うのは控えたい。
問題の本質は財政。
男だから女だから、とは無縁」

と受け流した。

「欲も野心もない。
信念を貫くため妥協ができる人」

と日本未来の党代表代行になった飯田哲也氏はいう。

新党結成会見の27日、淡い緑のスーツで琵琶湖を背に、
22年までをめどに原発全廃を盛り込んだ「びわこ宣言」を発表。
「新たな勢力結集を」と訴えた。

3・11以降、電気にたよった便利な暮らしの向こう側に放射能と
過酷事故の危険がある原発の姿が明らかになった。
見せかけの効率ではなく、日本の豊かな自然と暮らしを未来に
残せる政治に舵を切りたい。
「卒原発」は琵琶湖の変化を見据えてきた研究者の当然の帰結だった。


「小沢さんの力を使う」

新党は国会議員の大多数が小沢グループ。
30日の党首討論で「小沢依存ではないのか」と記者に問われ、

「皆さん、なぜ小沢さんを怖がるのか。
私は国民が求める政治を実現するために小沢さんの力を
使わせていただきます」

と応じた。

大飯原発の再稼働阻止で橋下徹大阪市長と組みながら、
電力側の巻き返しを阻止できなかった悔しさは身に染みている。

「国防軍」に言及した安倍晋三・自民党総裁、
「自主憲法」を主張する石原慎太郎・日本維新の会代表。
民主党の失敗で一気に右傾化が噴出した政界。
嘉田旋風が選択肢を広げた。

(ジャーナリスト 山田厚史) 



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