[CML 021285] 最高裁判決も無視して報復人事・オリンパス第二次訴訟

hayariki.net info at hayariki.net
2012年 12月 1日 (土) 16:08:18 JST


報復人事を受けた内部通報者によるオリンパス第二次訴訟(平成24年(ワ)25114号・損害賠償請求事件)の第2回口頭弁論が2012年11月30日に東京地方裁判所で開かれた。 

オリンパスの営業チームリーダーであった濱田正晴氏は2007年に取引先から従業員を引き抜こうとする上司の行為をコンプライアンス窓口に通報した。ところが、濱田氏は逆にチームリーダーの職位を剥奪され、配置転換を命じられ、上司からの暴言や不当な業務評価などのパワーハラスメントを受けた。これは通報者に不利益を与えてはならないというオリンパスの規定に違反している。 

濱田氏は2008年に配転の無効と損害賠償を求めてオリンパスを提訴した。この第一次訴訟は一審・東京地裁では屈辱的な和解強要を拒否し、敗訴した。尚、オリンパスは一審判決言い渡し直前に新たな配転を命じている(第二配転)。仮に一審判決でオリンパス敗訴となっても配転そのものを無意味にする姑息な手法である。 

濱田氏は控訴し、控訴審・東京高裁では逆転勝訴となった。オリンパスが上告したが、上告棄却となった。これによって第一・第二・第三配転は無効となった。しかし、オリンパスは敗訴後も対応を変えず、原告は配転先で満足な仕事も与えられないまま孤立・放置されていた。そのために東京高裁判決弁論終結後のハラスメントに対する損害賠償請求として第二次提訴を2012年9月3日に提起した。 

オリンパスは9月27日に新たな配転命令を出した(第四配転)。これに対して濱田氏は第四配転命令が報復人事からの不利益回復ではなく、報復人事を継続するものとして抗議文を提出した。抗議文への回答はなされなかったが、11月12日に新たな配転命令が出された(第五配転)。チームリーダーの呼称が付与されたが、部下はいないという珍妙なものであった。企業によっては「担当課長」などのように部下なしの役職を設ける例もあるが、オリンパスでは聞いたことがないという。 

濱田氏は第五配転の無効と損害賠償を求めて提訴した(第三次訴訟)。ここではオリンパスだけでなく、総務人事本部長個人も被告とした。 

第2回口頭弁論では原告側が提出した書証の証拠調べが中心であった。原告側は甲第1号証で第一次訴訟の判決を提示したが、「これは正本である」という紙を付していなかった点を被告代理人が指摘し、原本から写しになった。また、原告側はパワハラの実態を記録した日記も提出したが、被告代理人は原本と事前提出した写しに差異がないか丹念にチェックしていた。これについて傍聴人からは「嫌がらせ」との感想が寄せられた。 

裁判所は第二次訴訟と第三次訴訟の関係、第二次訴訟の審理対象について関心を示した。原告代理人は「第三次訴訟の方で第二次訴訟と併合して審理する動きは出ていない。第二次訴訟では第五配転までに継続的な不法行為を対象とする。請求は拡張しない」と説明した。詳細は次回期日までに文書で提出することにした。 

傍聴者からは「(執拗に報復人事を続ける)オリンパスの意図が分からない。恥の上塗りではないか」との声が出た。原告代理人は「司法の権威が落ちている」と答えた。また、裁判を傍聴した仙波敏郎氏は「濱田さんへのジェラシーがある」と説明した。加えて「よく耐えていると思う」と濱田氏を思いやった。 
http://www.hayariki.net/7/10.htm
企業による裁判無視は東急不動産だまし売り裁判でも共通する。東急不動産だまし売り裁判は東急不動産(販売代理:東急リバブル)が不利益事実(隣地建て替えなど)を隠して新築マンション・アルス東陽町301号室をだまし売りした問題である。購入者(林田力)が消費者契約法による契約取り消しを求め、売買代金返還で決着したが、東急不動産の売買代金返還時にトラブルが再燃した。 

東急不動産はアルス東陽町301号室の所有権移転登記の登記原因を自社に都合の良い内容にすることを要求し、購入者側が拒否したところ、売買代金の返還を拒否した。このトラブル3ヶ月間続き、最終的に購入者側の主張で決着した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』「東急不動産の遅過ぎたお詫び」)。この経験があるためにオリンパス訴訟は他人事ではない。 


CML メーリングリストの案内