[CML 019585] IK原発重要情報(171)

河内謙策 kenkawauchi at nifty.com
2012年 8月 31日 (金) 16:30:48 JST


        IK原発重要情報(171)     [2012年8月31日]

  私たちは、原発についての情報と脱原発の国民投票をめざす市民運動についての情報を発信しています。よろしく、お願いいたします。(この情報を重複して受け取られた方は、失礼をお許しください。転送・転載は自由です。)

       弁護士 市川守弘、弁護士  河内謙策

連絡先  [1月1日より新住所です。御注意ください。]
〒170-0005 東京都豊島区南大塚3丁目4番4-203号
河内謙策法律事務所内(電話03-6914-3844、FAX03-6914-38
Email: kenkawauchi at nifty.com
 
脱原発の国民投票をめざす会
http://2010ken.la.coocan.jp/datsu-genpatsu/index.html

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       原発推進派の次の一手
 
(以下は、河内の個人的見解です。)

 田中俊一らの原子力規制委員会の人事案を国会の同意可決の形で強行しようとした原発推進派の企みは、挫折しました。それで、次の一手は何か、が問題となります。

 私が調査して分かったことを、記載します。

 国会は、事実上の休会ですが、国会が休会中であっても、会期中ではあるので、再び会議を開催することは可能です。かつて、休会中の国会が、再び会議を開き法案を可決した前例があるそうです。ただし、与野党が激しく対立している場合は、このような形はむずかしい、と言われています。

 昨日、民主党の輿石幹事長が、国会が難しいのなら、首相が任命すればいいのだ、と言い出しました。(以下のサイトの8月30日19時17分のニュースを見てください)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120830/k10014658751000.html

 私は、このような見解は、現時点では、法律の裏づけを欠いている(!)暴言だと思います。問題の法律は、原子力規制委員会設置法です。この法律は、以下のサイトから見ることができます。この法律は悪法なので(一読して意味が分からない)、私の読み間違いがあるかも知りません。法律に強い方、法律家の方は、ぜひともチェックして、私の誤りの有無を点検してください。御願いいたします。
http://hourei.hounavi.jp/hourei/H24/H24HO047.php

 国会の同意可決の方式によらないで、原子力規制委員会の人事が決まる場合を定めているのは、同法の7条3項・4項、7条5項・6項、付則2条3項・4項、付則2条5項・6項、の4つの場合で、それ以外ありません。付則の2条に「(最初の委員長及び委員の任命)」という見出しがあることからすれば、今回のケースで問題になるのは、付則の方であると判断されます。

 付則の2条3項は、以下のように定めています。
「この法律の施行の日が国会の会期中である場合であり、かつ、この法律の施行の際原子力災害対策特別措置法第十五条第ニ項の規定による原子力緊急事態宣言がされている場合において、両議院又はいずれかの議院が原子力緊急事態宣言がされている旨の文書を添えた第七条第一項の規定による同意の求めがあった日[略]から国会又は各議員の休会中の期間を除いて十日以内に当該同意に係る議決をしないとき(他の議院が当該同意をしない旨の議決をしたときを除く。)は、内閣総理大臣は、同項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、この法律の施行後最初に任命される委員長又は委員を任命することができる。」
 輿石幹事長が、この規定を意識して発言したのだとすれば、同意人事案には「原子力緊急事態宣言がされている旨の文書」が添えられていませんので、2条3項の要件を満たさず、内閣総理大臣の任命はできません。(文書が添えられていないことは、内閣官房原子力規制組織等改革準備室の職員が明言しています。もっとも、同職員が虚言を弄した可能性もあります。そこまでは調べ切れていません。なお、福島第一原発関係の原子力緊急事態宣言は3月11日に出され、現在も継続中です。福島第ニ原発関係の原子力緊急事態宣言は3月12日に出され、12月27日に解除されています。)

 付則の2条5項は、次のように定めています。
「この法律の施行後最初に任命される委員長及び委員の任命について、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第七条第一項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから委員長及び委員を任命することができる。」
 輿石幹事長が、この規定を意識して発言したのだとすれば、輿石幹事長が間違っています。なぜなら、この規定は、まだ施行されていない(法律が公布されただけで、まだ実際の効力を有していない)からです(付則1条本文)。この規定が法律的効力を有するには、政令が必要であり、また今国会が閉会になった後でなければならないのです(逆に言うと、今国会が閉会になった後では、この規定に基づき内閣総理大臣が任命する危険性が大きいということです。)

 以上の調査結果からいえば、今国会の会期末までは、野党の一部の裏切りによる同意人事の可決の可能性に注意をしなければならないこと、今国会の終了後は、総理大臣による任命の可能性にも十分に注意を払って脱原発運動を進めなければならないということです。

 日本の原発推進派は、国民の約7割が脱原発に踏み切ったことにより追い詰められています。彼らが意図している方向は、全国的レベルで脱原発依存と称して原発を温存すること、原子力規制委員会の人事を原発推進派に有利にすることにより、原子力規制委員会のお墨付きを得て原発再稼動を進めること、なのでは、ないでしょうか。
 私たちが、全国的にも、それぞれの地方でも、おおきく連帯して、原発推進派を圧倒していくことが求められていると思います。

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                    以上
 



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