[CML 019374] 【報告】第488目報告★原発とめよう!九電本店前ひろば★

青柳 行信 y-aoyagi at r8.dion.ne.jp
2012年 8月 20日 (月) 07:43:16 JST


青柳行信です。8月 20日。

【転送・転載大歓迎】
☆原発とめよう!九電本店前ひろば第488日目報告☆
    呼びかけ人賛同 8月18日現在 総数2477。
★原発とめよう!の輪をひろげる【呼びかけ人】を募っています。 
★ さよなら原発! 福岡  http://bye-nukes.com/fukuoka 

★私たちの声と行動で原発・再稼働は止められます。★ 
<ひろば・想い・感想・ご意見等 嬉しいです>

★ 横田つとむ さんから:
青柳さま
お疲れさまです。
今日も 気分転換と称して また 釣りにいきました。
釣果は先日よりも もっと悪い状況でした。
たぶん 漁師さんたちが 網を入れたのではなかろうか?と思いました。

 あんくるトム工房
釣りにいきました     http://yaplog.jp/uncle-tom-28/archive/2002
 今日は糸が ぶつぶつ切れて 仕掛けが飛んで行ってしまいました。
4セットくらい無くなりました。釣りの糸だって 古くなれば 切れます。
原発だって パイプが破損しますよ。 これは事故につながります。
原発は 事故が起こる前に廃棄しましょう。

★ 橋本左門 さんから:
  無核無兵・毎日一首
☆新盆や復興遠き被災地の「はるか彼方は相馬の空かよ」(左門 8・19―23)
  ※「 」内は、ご存知、新相馬節の出だしの言葉です。「煙いばかりで泣くじゃない」! 

★ 木村京子 さんから:
青柳様
休みない闘いの日々に心から敬意を表します。
首まきの保冷材、グッドでした。
電気が足りてる夏から、再稼働を画策するであろう秋へ
体力も温存しましょう。

★ 岩本 さんから:
おはようございます。
 18日、九州電力本社前のテントで抗議行動をしている青柳さんとお話しをする機会がありました。
このテント、前から気になっていたのです。古い仲間の消息もご存じでした。
お話しの最中に警官隊がやってきて、撤去を求めて、ちょっと緊張した場面もありました。
 ふくおかは町田と違い、震災も福島産放射能の心配もないところですが、目標は同じ。はげみになります。
 ペン型の放射能測定器、5700円也をヨドバシカメラで購入しました。
19日朝の飛行機で羽田に戻ります。それではまた。

★ 舩津康幸 さんから:
おはようございます。
今朝の西日本新聞では、2面に、
1.「除染土壌 中間貯蔵 候補地示す 12箇所 政府、福島で調査要請:」とあり、ネットに、
2.「政府、汚染土中間貯蔵で協力要請 福島県や双葉郡と意見交換会」 西日本8月19日 18:35
⇒http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/319430
記事「・・・調査候補地は幹線道路からのアクセスや地形を勘案した。3町長は終了後の取材にいずれも「持ち帰って検討する」と述べ、受け入れるかどうかの明言を避けた。会合
には平野達男復興相、細野豪志環境相らが出席した。」
他紙の記事も、
3、「調査候補地に3町12カ所=中間貯蔵、地元に受け入れ要請―政府」時事通信 8月19日(日)18時31分配信
⇒http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120819-00000066-jij-soci
4.「<中間貯蔵施設>大熊に9カ所、困惑…候補地提示」毎日新聞 8月19日(日)21時58分配信
⇒http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120819-00000050-mai-pol
すぐ横に、
5、「楢葉、富岡町でも 復興庁が意向調査 『仮の町』構想」とあり、次に紙面にはないがネットに、
6.「福島県双葉町が復興会議 町民全員で議論 」西日本8月19日 19:57 
⇒http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/319445
記事「・・・約60人が参加し、グループに分かれて意見を出し合い発表した。町民が「『仮の町』の場所も示されていないのに議論するのは現実と懸け離れている」と会議の目的
をただし、一時騒然とする場面もあった。」・・・・この発言が紙面に紹介されていないのは遺憾ですね。
・・・・戻りたいが戻れる見込みが立たない地をどうするのか、悩ましい議論が開始されています。
28面社会欄に、昨日紹介した記事にあった福島を訪問中の女子高校生のその後の行動を伝えています。いわき市の復興ということであろうが、高校生が多く参加する催しの開催に
は賛成しかねますがどうでしょう。
7.「福島で復興願いフラ甲子園 全国15校がダンス競う 」西日本8月19日 20:13 
⇒http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/319443
8.「フラガールの甲子園、100人が熱演 福岡・純真高も初出場」 西日本8月19日 20:38 
⇒http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/319449
9.きょうの九電のでんき予報」は、92%とありますが、数日前の火力発電所の停止の影響です。
紙面にはないネットにあった記事、
10.「セシウム汚染水を浄化技術開発 函館の土建会社 」西日本8月19日 17:33 
⇒http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/319412

★ 河内謙策 さんから:                     
   原子力規制委員会の人事  新エネルギー政策  電力不足問題 
 多くの人が心配し、反対の声をあげている田中俊一氏らの原子力規制委員会の人事問題、お盆明けの国会で急進展の可能性があります。今国会の会期末は9月8日ですから、9月8日
までは目を離せません。
 輿石民主党幹事長は、今国会の残る重要課題として、赤字国債法案、選挙制度改革、原子力規制委員会の人事、を挙げています(『日刊 ゲンダイ』8月15日号)。竹島や尖閣問題
も「急浮上」していますが、原子力規制委員会の人事問題は、ここで「解決」しないと、原子力規制委員会が発足できないと「原発推進派」は焦っていますから、油断は禁物です。
 福島瑞穂氏は、今週火曜日の本会議の可能性もあると警鐘をならしています。
https://twitter.com/mizuhofukushima/status/236724385434714112

  政府は、国家戦略室を中心にして、エネルギー・環境に関する選択肢を提示し、国民的議論を進めて、8月中に革新的エネルギー・環境戦略を決定し、それを基礎に新エネルギー政
策を決定していくと述べていましたが、その戦略は破綻しました。国民の約7割が原発ゼロを選択したからです。
 全国12箇所で行われた意見聴取会では、意見表明希望者1477人中、原発0%支持が984人・69%に上りました。
http://www.asahi.com/politics/update/0804/TKY201208040443.html
 新しく試みられた「討論型世論調査」でも、原発ゼロの意見が目立ち、原発ゼロへと意見を変えた人もいると報告されています。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012080602000095.html
 8万件を超えたといわれるパブリックコメントでも、原発ゼロの意見が圧倒的だといわれています。政府は、全体の数字を公表せず、意見の一部を公開しています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120817-00001228-yom-bus_all
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/archive11.html
 政府は、完全に当てが外れた形ですが、国民の意見を採用することなく(!)、なんとか国民の意見を捻じ曲げて、国民の声を基礎にした新たな政策という形にもっていこうとしてい
るようです。その方向として、「エネルギー・環境調査会の設置」「有識者会議の設置」の声が聞こえてきました。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120812-OYT1T00524.htm
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120813-00000100-mai-bus_all
 脱原発を願う人々は、国民の7割が脱原発を望んでいることに確信を持ち、更に国民の8割・9割へ向けて奮闘すること、国民投票を含めて、どういう形で最終的な脱原発を実現す
るのか、大いに議論をすることが求められていると思います。

 町田徹氏が、「原発の運転停止で電力不足は起こったか? 大飯原発再稼動40日の状況で分かった原発必要論の大ウソ」を書いています。これは、今後大きな問題になる点です。一
言で言えば、大飯原発を再稼動しなくても電力は足りていることが数字により明らかになったということです。政府と関西電力の嘘が、またまた明らかになっているのです。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120814-00000001-gendaibiz-bus_all

★ 松元 さんから:
みなさまへ     
「安全神話」の学問的裏づけに邁進する被爆国日本の「研究者」たちに注目して
きた東京大学の島薗進氏が、あらたに、「放射線のリスク・コミュ ニケーショ
ンと合意形成はなぜうまくいかないのか?」という連載を開始しました。

放射線リスクの「「専門家」の役割と責任を明らかにしておきたい」という著者
の了解を得て、連載を紹介させていただきます。今回その(2)は、 「リスク
認識が劣った日本人という言説」です。

◆ブログ:島薗進・宗教学とその周辺 より
http://shimazono.spinavi.net/

=====以下、その(2)全文転載(改行をしています)=====
■放射線のリスク・コミュニケーションと合意形成はなぜうまくいかないのか?
(2) ――リスク認識が劣った日本人という言説

政府側に立つ放射線の健康影響の専門家は、100mSv以下では健康被害はほぼ無視
してよいという発言を繰り返したが、他方、100mSv以下で も健康被 害はあり、
そのためにできるだけ被曝線量を避けるべきだという科学的知見も多い。楽観論
の言説と慎重論の言説が分裂し、両者が向き合って討議する 場は設け られな
い。政府や福島県、あるいは大手メディアは楽観論の専門家に従うよう市民に強
いるばかりで、異論に応じる気配はない。しかしまったく無視し きること もで
きないので、言うことが首尾一貫しない。そのために多くの市民の信頼を失っ
た。結局、放射線の健康影響については何が真実か分からないで、混 乱が続い
ているというのが現状だ。だが、政府側の専門家たちは、それは市民が放射線の
リスクについてよく理解できないためだと、市民の側に非があるかのよ うに見
な すのを常とする。

 山下俊一氏が拠点リーダーを務めた長崎大学グローバルCOEプログラム「放
射線健康リスク制御国際戦略拠点」が2012年3月に刊行した『福島 原発事
故 ――内部被ばくの真実』の山下氏による「序」については(1)で紹介した
が、この書物の編者であり、放射線の健康影響の疫学的研究の専門家である 柴
田義貞 氏の「福島第一原発事故一周年に寄せて――あとがき」を見てみようp203-4。
 柴田氏は「福島第一原子力発電所の事故は日本人の精神構造を改めて明らかに
したと言えないでしょうか」と述べる。「第一は、歴史に学ぶ姿勢に欠 けると
い うことです。政府による避難区域の設定は、政府の関係者がチェルノブイリ
原発事故の教訓をほとんど学んでいなかったことを示しています。」情報が 提
示され なかったために、かえって線量の高い地域に移動してしまった人が多数
出た。これは政府批判だが、専門が異なる分野については暗に政府寄りの専門家
を批判し ている。専門家が批判されてはいるが、それは自分たちの領域ではな
い専門家のものであり、自分たちが批判されるのはとばっちりだとのニュアンス
だ。だが、 これについても柴田氏のような放射線の専門家も原発推進派の一翼
を担ってきたのであって、責任を分有していないだろうか。

 続いて柴田氏のはリスク論にふれる。「第二は、確率の考え、したがってリス
クの考えが、なかなか受け入れられないということです。黒か白か、安 全か危
険 か、と二者択一を迫る傾向にあります。放射能あるいは放射線に対する異常
なほどの恐怖心は科学的思考の欠如を示唆していますが、その遠因は確率の 考
えを受 容しないことにあります」。日本人は確率の考え方が受容できない特性
をもち、それは科学的志向の欠如を示すものだという。

 「第三は、第二と密接に関連しますが、数字には強いが、その出自に無頓着で
あるということです。換言すれば、統計リテラシーに欠けているという ことで
す」。同氏は食品安全委員会の食品健康影響評価書案へのパブコメ(パブリッ
ク・コメント)の評価がその証拠という。パブコメは8割が案を支持と述 べて
いる ことを問題にしているが、パブコメは母数がないわけだから、8割は支持
率でも何でもないのに、その数を重視しています。これが日本人が統計リテラ
シーに欠 ける証拠だという。

 「第四は、論理的思考が欠如しているということです。福島第一原子力発電所
の事故後に起こった健康事象の原因を事故による放射線被ばくに求める 例が
多々 みられますが、現時点ではすべてアリストテレスによって論理的に誤りと
されたポスト・ホック(前後即因果)な論法です。子どもの鼻血や紫斑を放射
線被ばく による急性症状と診断した医師がいることに唖然とします」。

 柴田氏はこうした事柄が「日本人の精神構造」の劣った点だとするのだが、納
得する人はどのぐらいいるだろうか。きわめて説得力の乏しい論述が重 ねられ
て いる、柴田氏を含む専門家仲間のリスク評価と一致しない考えをもつ人が多
いのに、異なるリスク評価をつきあわせて検討する場は設けられなかった。 し
かも専 門家の言うことがコロコロかわった。そのために専門家は市民の信頼を
失った。だが、この失敗の原因は主に市民の側にあったというのが、柴田氏の主
張であ る。

 次に、東大医学部の放射線科の准教授で福島原発事故後、放射線の健康影響に
ついてやや極端な楽観論を活発に発信してきた中川恵一氏の『放射線の ひみ
つ』 (朝日出版社、2011年6月) を見よう。中川氏は言う。「日本は、
「ゼロリスク社会」と言われてきました。この言葉は、「リスクがない社会」で
はなく、「リスクが見えにくい社会」を意 味します。そもそも生き物はすべて
死にますから、私たちに「リスクがない」わけがありません。放射線でがんが増
えますが、日本はもともと、「世界 一のがん 大国」。2人に1にんが、がんに
なり、3人に1人が、がんで死にます。/放射線を含めて、リスクの存在を認
め、それにどう向き合うかという課題 は、「限り ある時間を生きる」 私たち
にとって、とても大切です。」

 日本人は「ゼロリスク」という幻想にはまっているが、それを克服しなくては
ならない――こういう言説がある。これは安全保障や治安の分野で言わ れてきた
ことなのだろうか。食品や環境の安全の問題や科学技術のもたらすリスクにも適
用されるようになったものだろうか。新自由主義の時代に乗り遅れ、リ スクを
冒 して起業する精神が足りないという議論に由来するのだろうか。よく分から
ない。
 だが、国際関係や犯罪にしろ、食品・環境・科学技術にしろ、それぞれの分野
で日本人が「ゼロリスク」の幻想にふけってきたという証拠はあるのだ ろう
か。 そうであったとして、そもそも日本人があらゆる側面で「リスク認識が甘
い」などということが示せるだろうか。これは人文学や社会科学の領域の事柄
だが、そ の分野の研究者の一人としてはありえないことだと思う。武道や格闘
技の愛好という事実ひとつとってみても、リスクをかけて戦うことを好む態度の
表 れではな いか。著名な冒険家も多く出ている国だし、日本人はギャンブルぎ
らいなどという説も聞いたことがない。

 中川氏の認識は異なるようだ。「ゼロリスク社会の中で、がん患者さんだけ
は、「自分の死」という最大のリスクを意識せざるを得ません。リスクな どな
いと 「勘違い」している一般市民とがん患者の「死生観」を比較するための調
査 研究をしたことがあります。その結果、がん患者さんは、「あの世があ
る」、「死んで生まれ 変わる」などと考えない反面、「生きる意義」を感じ、
「使命感」を持っていることがわかりました。リスクを意識することが、「生き
る意味を深める」ことに つながるのではないかと感じました。」p155

 この調査結果は私も見ているが、そうかんたんにこのような結論が引き出され
るものではない。データの解釈の仕方に恣意性が伴うのは言うまでもな いこと
だ。他国の調査研究も含めて、他の結果と比べてみなくてはならないし、ただひ
とつのこのような小さな調査から大きな結論を引き出すのは適切でな い。

 また、死を意識することをリスクの意識と関連づけることはできようが、それ
をリスク認識の典型と見てよいものか。覚悟を決めて長期留学を試みる 人も、
株 やギャンブルに大金を投ずる人もリスクを意識する傾向の人だろう。また、
リスクを意識することが「生きる意味を深める」ことであるなら、放射線に 侵
される リスクを意識しつつ原発事故の収束のために働いている作業員たちは
もっとも「生きる意味を深め」ていることになるが、中川氏はそう考えるのだろ
う か。

 このように危うい議論を展開しながら、言いたいことをまとめるとどうなる
か。――自分たちは熟したリスク認識をすることができるが、市民はリス ク認識
に 大きな欠陥を抱えている、ゼロリスク社会の幻想にふけり、リスクがないの
が当然で安全はタダだと勘違いしている。適切にリスクを認識すれば、この 程
度の放射線汚染は耐えることができる、と。実際にリスクを示すことによっては
説得できないので、専門外の社会心理や精神文化の領域に踏み込ん で、「あな
たのリスク認識は誤っている」と印象づけようとするものだ。「日本人のリスク
認識」について深く理解しようとすれば、人文学や社会科学 の広い知識と洞察
力が必要となるだろう。そういう領域にやすやすと踏み込む医学者や放射線影響
学者の知的冒険のリスクを問うてよいかもしれない。

 以上は、3.11以後、すなわち福島原発事故後になされた発言だが、こうし
た発言は2011年に始まったものではない。以前からなされていたも のだ。
放 射線に関するリスクコミュニケーションを味方にしようとする考えが原発推
進勢力の間で強く意識され、実行に移されていた。長崎大医学部のグローバ ル
COE 「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」が『リスクコミュニケーション
の思想と技術』(2009年)、『リスク認知とリスクコミュニケーション』
(2010 年)、両書を合冊した『放射線リスクコミュニケーション』
(2012年)を刊行しているのは、そうした動向をよく表している。だが、長
崎大以前に もそうし た探求はさかんになされていた。それを振り返る前に、こ
こで「リスクコミュニケーション」とは何かについて、かんたんにまとめておこう。

 「リスクコミュニケーション」という言葉は、科学技術のもたらす害を懸念す
る市民が登場してくるなかで、1970年代にアメリカで提唱された (平川秀
幸 他『リスク・コミュニケーション論』大阪大学出版会、2011年、)。環
境汚染、食品の安全、遺伝子組み換え植物の問題など問われる事柄は次々と 出
てく る。だが、「なかでも大きな問題となったのは、原子力発電でした」と同
書で土屋智子氏は述べている(p168)。当初から原発が主要な論題であ り、
「説 得」や「教育」が課題と理解されていた。だが、スリーマイルやチェルノ
ブイリの事故等を経て、事情は変化してくる。「行政・企業・専門家の信頼を
低下させ る深刻な事故が起きた」ためだ(p169)。

 「1989年、アメリカの学術会議であるNational Research Council (NRC)
は、多様な分野の専門家を集めてリスクコミュニケーションを再考した結果、こ
れまで考えられてきた説得や教育といったリスクコミュニケーションは効果がな
いという結論を出しました。そして、NRCが出した新しいコミュニケーション
の定義は、「個人、機関、集団間での譲歩や意見のやりとりの相互作用 過程」
で す。プロセスですから、何らかの結果をめざすものではありません。NRC
は、リスクコミュニケーションの成功を、「リスク問題にかかわってリスク コ
ミュニ ケーションをした人たちが、どちらも自分の意見が十分言えた、自分の
意見は十分聞いてもらったと満足する状態ができたら成功である」と定義しまし
た。注意 していただきたいのは、十分に意見交換をしたからといって合い得手
の気もちが変わるわけではないかもしれないし、合意に至ることもないかもしれ
な いという 点です」(p169-170)。

 このような新しい段階でのリスクコミュニケーションは、日本の放射線健康影
響の分野では積極的になされてこなかった。むしろ、「説得」、「教 育」こそ
が リスクコミュニケーションの中心的な意義であると考える人たちが、政府寄
りの専門家たちであり、そのような態度で原発の立地の、また原発事故等の 際
の住民 の懸念に対処しようとしてきた。要するにリスクの認識と評価は全面的
に専門家側に握られており、それをどう受け入れさせるかがリスクコミュニケー
ションの 問題という古い理解である。

 放射線健康影響専門家や彼らに賛同する人たちが、福島原発事故前からそのよ
うな態度をとってきた例は多い。まず、菅原努『「安全」のためのリス ク学入
門』(昭和堂、2005年)を見よう。京都大学の医学部長をも務め、医学と生
物学をまたぎながら放射線の健康影響を研究してきた菅原は、低線量被 ばくに
は しきい値がありそれは370mSvだとする論文の共著者でもある
http://shimazono.spinavi.net/?p=302  。

 その菅原は、放射線健康影響の専門家としては早くからリスク問題に取り組ん
できたが、その著書でこう述べている。「「リスク」とは、本当は人々 により
心 配の少ない、心豊かな生活を提供することを目的として使われるべき概念だ
と、私は考えています。しかし今や、その「リスク」という言葉があちこち で
濫用さ れてしまい、かえって人々の恐怖の種となってしまっています。」「こ
うしたリスクの概念は、元々日本にはなかったものだけに、なかなか一般的な理
解が広 がっていきません。「危険のことを口にすると危険が本当になる」とい
う日本独特の「コトダマ」的感覚も、将来の危険を先取りして考えるリスクの考
え方とは 相容れないものと言えるでしょう」p18-19。

 次のような論述もある。「リスクの考え方は、初めから人工の町を作ってきた
アメリカでは受け入れられても、欧 米以外の、古い農村を中心とする長い歴 史
のある地域では、何か異様な感じで受け取られても仕方がないのかもしれませ
ん。このあたりが日本の一般の人々がリスクの考え方を理解する上での障害とな
るように思われます」p206。

 きわめて根拠の薄い推論だが、日本人はリスク認識が苦手だと印象づけること
によって、自らが是とするリスク認知、リスク評価が優れていることを 示すの
には役立つ議論と思えたのだろう。(以上、その(2)転載終わり、(3)へ続く)

★ 吾郷健二 さんから:
第11回福岡オルターナティブ研究会へのご案内
友人の皆様へ
 第10回福岡オルターナティブ研究会は、さる6月30日(土)、「参加型ア
クションリサーチとは」と題して、講師に成元哲さん(ソン・ウォン・チョル、
中京大学現代社会学部教授)を迎えて、14名の参加で、行なわれました。司
会は、守山正樹さん(福岡大学医学部教授)が務めて下さいました。
 成報告は、次のような構成でした。まず、成さんの「立ち位置」について、
「避難できずに放射能汚染下に生きている福島の人たち、ことに母子に寄り添
うためには何をしたらいいのか」という問題意識であることが説明され、次に
具体的に、「放射線下の『生活変化認知マップ』(司会者の守山さんの考案に
基づく)を利用したワークショップ企画」について、企画の目的、ワークショッ
プの手順が詳細に説明され、過去のワークショップ実施例が紹介された。最後
に「水俣病の経験から何を学ぶか」と題した成さんの学会での報告が簡単に紹
介された。要約すると、水俣病の特徴として、三点(contested illness, col
lective trauma, distressed communities)が指摘され、それぞれ、被害の運
動(水俣)とリスクの運動(福島)の違いや分断と連帯の双方の動きが生まれ
ていること、水俣では(おそらく福島でも)単に自然環境や人間の身体だけで
なく、精神的健康や地域社会の関係性も打撃を受け、「水俣病曝露」とでも言
うべき社会的共同性や関係性の破壊/喪失があったこと、単に個人の健康問題
だけでなく、地域全体が心理社会的なストレスにさらされていることが指摘さ
れ、水俣病の社会疫学が示すこととして、人々が属している地域や集団の属性
が人々の健康に強い影響を及ぼすことが述べられ、地域社会の支援体制や社会
的つながりの強化が必要であると結ばれた。
 討論では、とくに、「なぜ母子か?」として、ジェンダーの問題が大きく議
論された。イクメンをされている参加者から提起された「父が排除されている
のではないか」という疑問をきっかけに、「男の世界」と「女の世界」につい
て、その違い、具体的データ、両方の問題をそれぞれ明らかにすべきではない
か、といったことが議論され、また、水俣と福島とシカゴ(犯罪都市としての)
が比較されているが、前二者はシカゴと違って国家(政府)が重要なアクター
となっており、そのことを明確にすべきではないかといった指摘や、報告者は
「避難の権利」に否定的で、福島から人々が「逃げられない」(「逃げる自由
がない」)ことを強調しているが、日本の歴史上には、村毎離村した事例が数
多くあることが指摘され、「逃げられない」ことの背後にある<構造>を問題
とすべきではないかといったことが議論された。さらに、福島での放射能リス
クについて、「分からない」「不安」「未知」がしきりと強調されているが、
情報の開示や共有や海外との交流や積極的な接触や討論を通じて、「未知」で
はなく「既知」に変えることで、それらを乗り越えることが可能となるのでは
ないか、そういったことを差し置いて、ワークショップが解決できるものは何
なのかという質問が提出された。
 私個人の印象としては、「放射線下の生活変化認知マップを利用したワーク
ショップ企画」は、伝統的な「専門家による一方的な情報提供の講話」ではな
く(それすらも、西欧と違って、日本では、原発推進派のみによる一方的な話
が大半であって、行政が批判派を含めた両方の立場からの専門家による情報提
供をすることはまったくない)、「当事者自身が参加し、他者の多様な判断に
触れ、対話することによって、共に考える場を作る」ものとして、意義がある
ものと考えるが、同時に、当日の出席者の一人である馬頭忠治さん(鹿児島国
際大学教授)が指摘されたように、そのような身近なワークショップの「現場」
(それは当然に様々な制約と限界にさらされている)と「大きな問題」(原発
そのものやエネルギー政策)をどう繋げて行くのかという大きな課題が残ると
思われた。
 さらに、報告を聞いていて、また報告を聞いた後に、私には二つの感懐が浮
かんだ。一つは、チェルノブィリ基準では強制的な移住地域(空間線量が年5
ミリシーベルト以上)となる福島の広範な地域に子どもを含む多くの人たちが
「平然と」(?!?)(ではないはずだが)残っているという事実(成報告で
「逃げられない」とされた現象)に関して。外部(あるいは外国人)の目には、
なぜ、人々は、避難しないで放射能汚染を甘受するばかりか、東電や国に対し
て怒りをぶつけ、賠償や集団移住や従前の所得と生活の保証を要求して、集団
行動を起こさないのか、まったく理解できない、奇異な現象として映る(一部
の人たちはどこでも常に闘っているが、やはり少数者にとどまる)。私には、
それは日本人特有の「無関心」や「諦念」や「長いものに巻かれろ」などの言
葉では片付けられない、「行動できない(しない)日本人のメンタリティ」と
して、日本人論の根幹に係わる難問だと改めて考えさせられた。
 もう一つは、水俣の教訓に関わる。報告ではこの点はまったく言及されなかっ
たが、フクシマの1年数ヶ月後という現時点で(後知恵的に)振り返ってみれ
ば、水俣の最大の教訓とは、科学の果たす役割だと私には思われる。ミナマタ
をフクシマに重ねるならば、科学(医学)が「因果関係の厳密に科学的な証明」
なる言辞を弄することによって、無数の患者(放射能被曝者)を切り捨て、チッ
ソ(東電)と国の責任を免罪する最強の論拠となった事実である。この教訓は、
フクシマに生かされていないどころか、教訓としてすら認識さえされておらず、
結果として、「科学的証明」なるものが今でもなお大手をふってまかりとって
いる。ミナマタにおける原田正純氏とフクシマにおける山下俊一がその格好の
対称となろう。今は亡き原田さんは、その最晩年において、「自分は、水俣病
の症例を科学的証明のために非常に狭いものに限定してしまい、結局、たくさ
んの患者を切り捨ててしまった」と痛恨の情を込めて反省された。我々は、「
客観性」や「エビデンス(証拠)」や「科学」といった言葉に対して、感覚を
鋭敏に研ぎすましていなければならないのだ。
 
 次回、第11回福岡オルターナティブ研究会は、9月29日(土)、講師に
渡邉知明さん(九州大学研究員)を迎えて、電子製品の廃棄物の越境(国際)
移動のお話をしていただきます。放射能瓦礫の「広域処理」の問題とも係わっ
て、「公害輸出」の問題は「資源リサイクル」の新たな装いをこらした、いま
なお古くて新しい問題であることを痛感させられます。

第11回志民社会学習会 「環境正義とリサイクル」

日時:2012年9月29日(土)、午後2時〜5時
場所:福岡市NPO・ボランティア交流センター「あすみん」セミナールーム
   福岡市中央区大名2-6-46青年センター5階(西鉄グランドホテル・
   大名小学校横)
   電話:(092)724−4801
テーマ:「国境を超える電子廃棄物と環境リスク
   ―グローバル化する資源循環と環境正義の行方」
講師:渡邉智明さん(わたなべともあき、九州大学研究員)
講師略歴:2005年、九州大学大学院法学府博士後期過程単位取得退学
    現在、九州大学大学院法学研究院専門研究員(政治学・国際政治学)
    福岡教育大学、佐賀大学ほか非常勤講師
報告要旨:
 現在、日本の家電リサイクル法をはじめとして、先進国を中心に資源リサイ
クルの制度形成が進んでいる。しかし、この制度下で、回収・再資源化される
はずのパソコン、冷蔵庫などの家電製品のうち少なからぬ量が、発展途上国に
流出している。途上国では、都市周辺の低所得者が、廃棄された電化製品から
鉄などの資源回収を行い、生計を立てている例も少なくない。しかし、この作
業過程において、十分な労働衛生、環境対策は取られておらず、住民・労働者
は環境汚染の危険に曝されている。本報告では、先進国と途上国の間の経済格
差、環境規制の差異に由来する、このような「公害輸出」の現状と国際社会の
対応について考察していきたい。
参考文献:
石渡正佳(2004)『リサイクル・アンダーワールド』WAVE出版。
小島道一編(2010)『国際リサイクルをめぐる制度変容―アジアを中心に』ア
ジア経済研究所。
細田衛士(2008)『資源循環型社会のリスクとプレミアム』慶應義塾大学出版
会。
Smith, Ted, et al. eds. (2006) Challenging the Chip.  Temple
University Press.
参加費:無料(会の趣旨に共感される方はどなたでも参加できます)。
    終了後、近くの居酒屋で講師を囲む懇親会を予定しています。
主催:福岡オルターナティブ研究会、FNA(ADB福岡NGOフォーラム)、くるんて
〜ぷの会
 資料準備の都合上、参加を希望される方は事前にご連絡頂ければ助かります。
 連絡先:kenjialter at gmail.comまたはFax:092-885-1132

○−−−−−集会のお知らせ−−−−−○ 

● チェルノブイリ・ドイツ・フクシマ ●
   真実はどこに…?
日 時  9月1日(土)18:30〜
会 場  福岡市民会館 小ホール福岡市中央区天神5-1-23
  地図 http://tinyurl.com/8cyqfyz
資料代  500円
第1部 弁護団による現地調査報告
    3.11の爪痕が生々しく残る飯舘村や浪江町、南相馬市や郡山市など視察し、
    現地の被害者や営農者たちの生の声を聞いてきました。
第2部 「チェルノブイリ・ドイツ・フクシマ」真実を求めて
         ドイツの理学博士でドイツ放射線防護協会会長を務めるセバスティアン・プフルークバイルさんの話。
         「3.11」以降数回にわたり福島を訪れ、精力的に調査。この日も福島での調査後の講演。
主 催  原発なくそう!九州玄海訴訟
協 賛  さよなら原発!福岡集会実行委員会 核・ウラン兵器廃絶キャンペーン福岡 
連絡先(近藤)E-mail kondouh-y at f-daichi.jp
詳細: http://tinyurl.com/8q86jzs

● さよなら原発! 9・23福岡集会 ● 
日 時:9月23日(日)
    14:00 集会開始 15:00デモ出発
場 所:福岡市・冷泉公園 
 さよなら原発! 福岡  http://bye-nukes.com/fukuoka 

● 元原発労働者の梅田隆亮さんの労災認定を求める裁判 ● 
    第3回口頭弁論期日
10月10日(水)14:30 福岡地方裁判所303号法廷。

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     ★☆ 原発とめよう!九電本店前ひろば★☆
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           18日12時から開設。19・20日お休み
     ♪ みなさん、一緒に座って・語り合いませんか☆
   場所:九州電力本店前 福岡市中央区渡辺通2丁目1−82 
   地図:http://www.denki-b.co.jp/company/map19.html
      ★☆ (ひろば・テント080-6420-6211) ☆★
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〒812-0041
福岡市博多区吉塚5-7-23
       青柳 行信
電話:080-6420-6211
y-aoyagi at r8.dion.ne.jp
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青柳  y-aoyagi at r8.dion.ne.jp


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