[CML 019179] 生活保護制度に関する天台宗の見解

まさすけ sea_of_wine_colour at yahoo.co.jp
2012年 8月 10日 (金) 20:52:34 JST


みなさま

こんばんは。
まさすけでございます。

我が家の宗派は、天台宗です。その天台宗が、その機関紙『天台ジャーナル』
において、現在の日本の生活保護制度について、見解を述べています。
以下、その記事を引用します:

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「生活保護」

「自力で生活できない人を政府が助ける必要はない」と答えた日本人が38%で、世界中でトップだった、という意識調査結果がある。調査によると第2位が米国で28%。日米以外の国は8%〜10%とおしなべて低かった。

この低い数字は、洋の東西・経済水準・文化・宗教・政治体制を問わず同じで、日本だけが突出して高かった。意外な数字がネットでも騒がれたが、生活保護をめぐるお笑い芸人への激しいバッシングはこの数字を裏付ける現象だったのかもしれない。

年収5千万円のお笑い芸人の母親が生活保護を受給していたことが多くの人の反発を招いたのは理解できる。だがこれは特殊なケースである。それに不正受給でもなかった。問題にされている不正受給は全体の0.4%にすぎない。行政の「水際作戦」が見事すぎるほど成功しているのである。

したがって生活保護の喫緊の政治課題は、元々少ない不正受給の防止でも、近親者間の扶養義務の強化でもなく、数十万から百万の有資格者が受給から漏れている現実の解決である。

だが、お笑い芸人の謝罪会見があったその日に小宮山厚労相は給付の10%削減と近親者の扶養義務の強化を国会で答弁した。そもそもお笑い芸人の問題が表面化したのも自民党の「生活保護に関するプロジェクトチーム」による働きかけがきっかけだった。これでは生活保護に対する国民の感情的反発を煽って問題の本質を逸らしていると疑われてもしかたないであろう。

日本の生活保護給付は先進国中で最低水準である。もし制度が正常に機能していたなら、ワーキング・プアやホームレスがこれほど増加することもなかっただろう。生活保護給付が最低賃金より高いことを批判するよりも、憲法25条が約束する最低限の生活すら維持できないような企業の劣悪な待遇が問われなければならない。

生活保護制度がそうした「ブラック企業」での就労を拒否できるだけの生活レベルを保障できてこそ、セーフティネットが機能していると言えるのではないか。


【出典】
連載コラム「過ぎゆく風景」第76回
『天台ジャ−ナル』112号(平成24年7月1日号)天台宗出版室 発行
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以上



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