[CML 016727] 大黒・恵美須市場

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2012年 4月 29日 (日) 00:40:32 JST


 坂井貴司です。
 転送・転載歓迎。
  
 「超おすすめ」という言葉が1000あっても足りないくらい、良い番組です。
 
 「タレント」の空虚なバカ笑い番組が氾濫する中、それでも良い番組があるこ
とを示しました。
 
 再放送です。
  
 NHK総合
 
 にっぽん紀行・選「ありがとう わたしの市場」
 http://www.nhk.or.jp/program/nipponkikou/
 
 放送日:4月30日
 放送時間:午前5時15分〜5時40分
 
 私は郵政民営化が実施された日、労使協調路線のJP労組を脱退し、戦う労働
組合の姿勢を保ち続ける郵政労働者ユニオンに加入しました。
 
 郵政ユニオンの九州地方本部が、長崎県長崎市の長崎中央郵便局(長崎支店)
にあるため、私は何度も長崎市に行きました。
 
 あるとき、長崎中央郵便局の裏に異様な姿の建物があることに気づきました。
木造三階、二階建ての建物が細長く続いていました。無理矢理に増築したような
作りでした。
 
 組合の行事が終わって、私は気になっていたその建物を見に行きました。その
建物は、幅1メートルの通路に覆いかぶさるように建っていました。通路を覗く
と、両側にはシャッターを下ろした店舗のようなものが続いていました。通路は
薄暗かったですが、2,3軒煌々と灯りを付けた魚屋や果物屋がありました。魚
と野菜が混じったような匂いが漂っていました。
 
 これが、今年3月31日をもって閉鎖された「大黒・恵美須市場」でした。
 2年前訪れた時はこのように営業している店がまだありました。
 
 今は廃墟になっています。
 
 この市場は、長崎市中心部に点在していた露天や小さな商店を一カ所に集めて
1956年に誕生しました。魚屋を中心に肉屋、果物屋、八百屋などの食料品を
扱う商店がありました。長崎地中心部に住む市民の食を支えました。
 
 川にふたをして建設されたことから、バブル景気時の「地上げ」を免れ、「昭
和」の面影を色濃く残す商店街になりました。
  
 幅一メートルの通路の両側には最盛期90軒の店舗が軒を連ねました。高度経
済成長に沸いた1960年代から70年代は、歩くのも困難なくらいの買い物客
で早朝から深夜まで賑わいました。今の大型ショッピングセンターにはない店主
と買い物客のふれあいがありました。
 
  「サバが安いよ!イワシも生きが良いのが入ったよ」
 
 「このアジを下さい。3枚に下ろして下さい」
 
 「あいよ!ところでお母さんは元気?近頃姿を見せないね」
 
 「うん。病気で寝ているから」
 
 「それは大変だね・・・」
  
 しかし、オイルショックによる造船不況と200海里規制による水産業の衰退、
ドーナッツ化現象、大店法廃止による大型ショッピングセンターの隆盛で198
0年代ころからこの市場の買い物客は減りました。
  
 今から6年前、建物の老朽化を理由にこの市場は閉鎖が決まりました。店主の
高齢化が進み、多くの店がシャッターを下ろしました。
 
 そんな中でも最後の日まで営業を続けた、果物屋、魚屋の姿を追ったのがこの
番組です。
 
 私は4月はじめ、この市場を訪れました。閉鎖されてから1週間しか経ってい
ないのに、荒廃が進んでいました。まもなく取り壊されるでしょう。
  
 そこに一匹の白いネコが座っていました。「ここは私の家だ。どこにも行かな
いぞ」と決心したかのような表情でした。
 
 その白いネコがこの番組に「出演」していました。
 
坂井貴司
福岡県
E-Mail:donko at ac.csf.ne.jp
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「郵政民営化は構造改革の本丸」(小泉純一郎前首相)
その現実がここに書かれています・
『伝送便』
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