[CML 016233] Re: 転載:「4月15日伊方原発の再稼働に反対する中国・四国・九州市民の合同緊急集会のご案内」の「広瀬隆さんの問いかけに答えて」という部分の批判

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2012年 4月 7日 (土) 14:03:49 JST


前田さん wrote:
> 第1に、広瀬隆さんの主張が、時に誤り、不正確で、科学的でない場合があるこ
> と自体はずっと以前からよく知られた事実ですから、広瀬さんを「反原発の闘士」 

> 『脱原発の雄」とみている人はそう多くないと思います。でも、広瀬さんが4半
> 世紀つくってきた運動の基本線が、みんなから受け入れられ、評価されているの
> だと思います。そして、広瀬さんの活躍のおかげで、原発の問題性を知った人々
> が自ら学んで、より科学的な判断で運動を継続してきたのではないでしょうか。

「広瀬さんを『反原発の闘士』『脱原発の雄』とみている人はそう多くないと思います」という前田さんのご認識は私の
実感と大きく異なります。広瀬さんを「反原発の闘士」「脱原発の雄」と見ている人はかなり多いというのが私の実感
です。

下記の弊ブログ記事で昨年の11月3日に私の地元の大分市で開かれた広瀬氏の講演会の模様のことを書いて
いますが、この広瀬氏講演会には私の記憶ではこの種の講演会ではこれまで見ることのなかった1000人近くの
聴衆が集まりました。そして、その講演会の終わりに45分ほどの質問の時間があったのですが、10人ほどの質
問者のうち私を除くすべての人が広瀬氏賛辞の質問に終始していました。
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-362.html

私ひとりが広瀬氏の「福島 あんなところ」発言を問題にする質問をしたのですが、広瀬氏は私の質問に当然のご
とく反論しました。が、私から見れば、広瀬氏の反論は話をはぐらかす体のものでまったく反論になっていなかった
のですが、それでもその広瀬氏の「反論」には会場から割れんばかりの拍手がありました。おまけに講演会が終わ
った後、私を追いかけてくる人がいて「あなたの広瀬さん批判は間違っている。あの割れんばかりの拍手がなによ
りの証拠だ」と言い募られる始末でした。

そのとき、私は、平成17年にあった佐賀県主催の小出裕章VS大橋弘忠プルサーマル公開討論会のときの模様
を思い出したものです。あのときあの「プルトニウムは飲んでも大丈夫 」発言の大橋弘忠東大教授の上から目線
の発言には会場から万雷の拍手がありましたが(おそらく動員者の拍手でしょうが)、その大橋氏の「いまのところ
(プルトニウムで肺がんになって死亡したという)有意だという結果は出ていないというふうに聞いていますけど」と
いう小出氏に対する茶々に小出氏が「こういうものは大変難しいのです・・・」と反論しようとしたときにどっという感
じで沸き立った会場からの嘲笑の渦(下記ビデオの5:33頃)。私はその愚かしい風景に背筋の凍る思いがしたもの
です。
http://www.youtube.com/watch?v=6byKIUiuBcg

上記のエピソードは拍手が多いから正しいとは限らないということの格好の例証というべきものです。とまれ、広瀬
氏を「反原発の闘士」「脱原発の雄」と見ている人はかなり多いというのが私の実感だということです。さらに私の
実感では、「広瀬さんの活躍のおかげで、原発の問題性を知った人々が自ら学んで、より科学的な判断で運動を
継続してきた」ということとは逆に、この広瀬氏現象は、私がこのところ批判し続けている脱原発を主張する人たち
のある種の現代カルト化現象(軽々しい非合理的な情報の拡散)の遠因になっているような気がしています。だか
ら私は「危険」だと言っているのです。

第2の前田さんの「科学的に正しいとは、何を意味するのか」などという抽象論のレベルの問題はここで問われて
いる問題とは別の問題だろう、ということを申し上げておきます。少なくともここでの問題ではないということ。また、
「科学とは、利潤追求のみをめざす総資本の代理人の走狗にすぎない」という「科学」評価も一面的なものでしか
ありえません。そういう論理で広瀬氏を擁護しようとするのはナンセンスでしょう。

第3のご指摘については、いろいろな立場の脱原発派はいても当然いい、と私も思いますが、そのことと「科学的
に正しいとか正しくないとか、そんなことはどうでもいい」ということとは違います。科学的に正しくないことは言うべ
きではありません。脱原発派の信用を貶めるだけです。そうした指摘をすることを「インチキ科学者」などとそれこ
そ貶めるのはまさになにをかいわんやといわなければならないでしょう。

第4の点については、小林秀雄が若き日、酒を呑んでプラットホームから線路に転がり落ちたことがあったけれ
ど、ちょうど窪みのところにはまって助かった、という話があります。このことを小林は「おっかさんが蛍になって
助けてくれた」と書いています。この話を私は信じます。が、「放射能には酵母菌の入った手作りの生味噌がよく
効く」という説は大いに疑問だということを改めて述べておきます。

ちなみに先の飯田哲也氏の評価に関する前田さんとのやりとりの中で、前田さんは、大阪市が関西電力に原発
再稼働を認める条件として大阪市が「絶対的な安全性の確立」「使用済み核燃料の最終処分方法の確立」の要
求を突きつけたことに対し、その要求の起草者のひとりとしての飯田氏を「不可能な条件を突き付けることによっ
て脱原発への道筋を示そうとしている」と高く評価していましたが、飯田氏に対する次のような指摘を見ると、飯
田氏には過去に原発推進派と自然エネ普及を巡って妥協を重ねた前歴があります。また、事実上、原発をバッ
クアップ電源として使うオバマのグリーンニューディールを称賛した書籍を原発推進派である寺島実郎と共著で
出版していたりもしています。

寺島実郎と飯田哲也の共著『グリーン・ニューディール―環境投資は世界経済を救えるか』:
http://ow.ly/667TM
寺島実郎が原発推進論者であることを証する寺島自身の文書『米国のエネルギーパラダイムシフト』:
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/column/20110811/107720/?P=1
飯田氏が過去に原発推進派と自然エネ普及を巡って妥協を重ねたり、事実上、原発をバックアップ電源として
使うグリーンニューディールを称賛した書籍を執筆していることなどを指摘するサイト:
http://togetter.com/li/177227
http://www47.atwiki.jp/goyo-gakusha/pages/1041.html

その飯田氏を前田さんのように「脱原発への道筋を示そうとしている」人とみなすことはできません。端的に言っ
て前田さんの飯田氏評価は誤っています。また、広瀬氏評価も。


東本高志@大分
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http://mizukith.blog91.fc2.com/

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From: maeda at zokei.ac.jp
Sent: Saturday, April 07, 2012 9:54 AM
To: 市民のML ; 市民社会フォーラム
Subject: [CML 016231] Re: 転載:「4月15日伊方原発の再稼働に反対する中国・四国・九州市民の合同緊急集会のご案内」の「広瀬隆さんの問いかけに答えて」という部分の批判

前田 朗です。
4月7日

東本さん

ご苦労様です。

基本的には賛同しますが、個別には、ちょっと違うかな、という印象です。以下、
思いつきを並べます。


第1に、広瀬隆さんの主張が、時に誤り、不正確で、科学的でない場合があるこ
と自体はずっと以前からよく知られた事実ですから、広瀬さんを「反原発の闘士」
『脱原発の雄」とみている人はそう多くないと思います。でも、広瀬さんが4半
世紀つくってきた運動の基本線が、みんなから受け入れられ、評価されているの
だと思います。そして、広瀬さんの活躍のおかげで、原発の問題性を知った人々
が自ら学んで、より科学的な判断で運動を継続してきたのではないでしょうか。


第2に、科学的に正しいとは、何を意味するのかです。福島第一原発事故で明ら
かになったことは、科学や科学者がいったい何者であるか、ということです。科
学とは、利潤追求のみをめざす総資本の代理人の走狗にすぎない、という現実を
前に、科学的営みを一からやり直さなければならないのではないでしょうか。そ
して、必ずしも科学的とは言えない広瀬さんのほうが信用できたとしたら。


第3に、脱原発の運動について考える場合、もともと、科学的に正しいことが必
ずしも必要なわけではありません。科学的に正しいとか正しくないとか、そんな
ことはどうでもいい、と考える脱原発派がいてもいいのです。それを「正しくな
い」と貶めるインチキ科学者は相手にされなくなります。環境派、健康派、もし
かしたら宗教的脱原発があってもいいのです。


第4に、下記の断定は疑問です。

>> ●広瀬氏の「放射能には酵母菌の入った手作りの生味噌がよく効く」という説
(実は娘の店の宣伝にすぎない根拠のな
> い説)
>



私など、[civilsocietyforum21]上で、「放射能に効く純米吟醸酒を呑んで寝ま
す」とか書きましたが、管理人の岡林さんも「放射能に効くビールを呑むんだ」
と言っていました。この言説に「根拠がない」と断定できますか? これにつ
いては、まじめに反論しないでくださいね(笑)。


ちなみに、ご指摘の『文化評論』の野口邦和さんの論文、懐かしく思い出しまし
た。一つは、文化評論と文芸春秋に原稿二重売りをして社会的話題になったこと
(おかげで広瀬さんのほうが株を上げたのです)。次に、同じ号に私も、公務員
職権濫用罪についての論文を掲載してもらったこと(神奈川県警盗聴事件批判の
論文です)。


ではまた。
━━━━━━━━━━━━Original Message The end━━━━━━━━━━━━ 



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