[CML 016193] Re: みどり派は橋下市長を評価?

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2012年 4月 5日 (木) 20:25:37 JST


服部さんの標題のご指摘は私はとても重要な指摘だと思います。

服部さんの紹介される朝日新聞(2012年3月28日付)オピニオン欄の「政治時評 2012」(ホスト:宇野重規(東大教授・政治
思想史)、ゲスト:稲村和美(尼崎市長・元「みどりの未来」共同代表))から稲村和美氏の発言の該当部分を抜き出すと次の
ようになります。

   「宇野 大阪市の橋下徹市長も、リスクをとって変革をすると主張しています。 


   稲村 政治に失望していたであろう多くの人たちを、再び政治に引きつけた。すごいと思います。「決められる民主主義」
   を旗印に、正解がわからない世の中で「僕はこう思う」と言う。抵抗する勢力を徹底的にたたく手法には危うさも感じます
   が、彼を独裁者にしてしまうか、そうしないかは、橋下市長が投げたボールを有権者、ほかの政治家がどう打ち返すか
   で決まると思います。

   宇野 教育や労働組合の問題をみるにつけ、私は危うさを感じますが、既成の政治家にはない言葉のセンスを持ち、多
   くの人の心を引きつけているのは事実です。

   稲村 労組や教育関係者の懸念も分かります。彼らが守ってきたものが大切だとも思います。でも、彼らがそれを守る
   ため、橋下市長の論理に対抗できる、時代に合った論理と言葉を持っているでしょうか。問われているのはそういうこと
   です。/小泉純一郎さんの構造改革の時もそうでした。激しい公務員バッシングを止める論理を他の政治勢力は持っ
   ていなかった。その結果、守るべき公共まで狭められてどうするのと、いら立っていました。私は「新しい公共」の推進論
   者です。行政はスリムになるべきですが、公共は大きいほうがいい。担い手は「官」でなくても構わない。尼崎市ではソ
   ーシャルビジネスでみを立てたい若者を呼び込み、公共の助けを必要とする人のセーフティーネットの一端を担ってほ
   しいと考えています。」
   http://midorinotable.sakura.ne.jp/sblo_files/greens-mirai/image/20120328asahi_opinion_inamura.jpg

上記の言説からも元「みどりの未来」の共同代表の稲村和美氏(尼崎市長)が橋下現大阪市長を高く評価していることは明
らかです。上記で稲村氏は一応「抵抗する勢力を徹底的にたたく手法には危うさも感じます」と橋下氏を全面評価するわけ
ではないというポーズをとっていますが、あくまでもポーズにすぎません。橋下評価に関する彼女の本音は「『決められる民
主主義』を旗印に、正解がわからない世の中で「僕はこう思う」と言う」」「すごいと思います」というところにあるのは明らかで
す。橋下べた褒め(全面)評価といってよいでしょう。思想調査アンケートをはじめとする橋下の反民主主義施策の危険性を
見抜くことのできないきわめて凡庸で危険な橋下評価だといわなければならないように思います。

以前にもご紹介したことがあるのですが、稲村氏の評価する橋下の「決められる民主主義」について政治学者の浅井基文
さんは次のようにその本質を喝破しています。

   「私はかつて、拙著『新保守主義 -小沢新党は日本をどこへ導くのか-』(柏書房 1993年)において、小沢の考え方
   を分析したことがあります。(略)彼が「国内政治の改革」ということで意味したことは、「意思決定がすんなりと行えるよ
   うな政治の枠組み」(p.157)を作ることであり、かつ、それに尽きていたのです。『つまり、彼の政治改革論の最大の眼目
   は、速やかに意思決定が行える政治制度を作り出すことにある。そのためには、主義主張が似通い、従って政権交代
   も行い易い二大政党制が適当だということ』(p.159)だったのです。/そして、それを実現するための選挙制度としては
   小選挙区制導入が是非とも必要でした。今回のインタビューで、「細川政権で小選挙区制を決めたのは政権交代可能
   な政治体制をつくることでした。(例を挙げた上で)小沢の考え方が20年来一貫していることを示しています。」

   「つまり、小沢にとって重要なことは迅速な意思決定メカニズムの構築であり、『民主主義はいかにあるべきか』というこ
   とではないのです。(略)彼にとっては議会制民主主義とは、『(国民が)自分たちの代表を一人選んで自分の意思表示
   をきちんとするという意味で、その目標と意義は全然変わっていない』ことにあるのであり、そのあとは『主義主張が似
   通い、従って政権交代も行い易い二大政党制』にすべてを白紙委任するということなのです。/このように見てくると、
   小沢が橋下の「『決定でき責任を負う民主主義・統治機構』…という主張は全く同感。我が意を得たりだ」と述べた意味
   が明らかになります。つまり、ポイントは「決定でき責任を負う」点にあるのであり、「民主主義」はお飾りにすぎないので
   す。橋下のこれまでの言動から判断すれば、橋下における認識も大同小異と見て大過ないでしょう。」
   http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2012/429.html

このような「反民主主義」の本質を持つ橋下の「決められる民主主義」について稲村氏はまったく理解していません。その橋
下の言う「決められる民主主義」が多様な発言の場と少数政党を排除する悪名高い「二大政党制」とセットになっている反
民主主義的な理念であることにも当然気がついていません。日本の戦後政治の悪政の成り立ちをまったく理解していない
愚かな認識だといわなければならないでしょう。

朝日新聞紙上での宇野重規東大教授との対談を瞥見すると、稲村氏の認識には橋下評価以外にも民主主義の観点から
はたくさんの評価できない認識が含まれていることがわかります。

「財政的に厳しい時代です。増税の余地も少ないとすれば、サービスを削減するしかない」という現状の自民党→民主党の
大企業の利益確保優先の政治・経済制度には決して批判の矛先を向けない現状を肯定したままの二者択一の認識。「国
民もそうしたリーダーに変革を託したいのではない」かというこれも反民主主義的な英雄待望論。すなわち、ポピュリズム政
治擁護論。「自民党の長期政権が続くなかでは、2大政党による政権交代可能な仕組みがベターだと思いました」という案
の定の「二大政党制」擁護論・・・ 彼女の主張はネオリベの主張とほぼ瓜二つです。彼女が橋下市政に違和を抱かないの
も不思議ではない、と妙に納得できたりします。

問題は稲村氏個人に限りません。稲村和美後援会「未来へつなぐ尼崎の会」なる市民団体も上記の稲村氏の朝日新聞イ
ンタビュー記事について「今をときめく橋元大阪市長に対する考えも、稲村市長らしい言葉で答えております」などと民主主
義の課題などなんのそののピンボケの「政治理念」を発露しています。
http://miraihetunagu.blogspot.jp/2012/03/2012.html

「緑の党」や新環境政党「グリーンアクティブ」をこれまで称揚してきた人たちはこの稲村氏の政治認識や政治姿勢をどの
ように思うのか。脱原発の新しい政治を実現するための新党結成であるというのならば、彼ら、彼女たちにはその明確な
応えが求められているといわなければならないでしょう。


東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/

━━━━━━━━━━━━Original Message Started━━━━━━━━━━━━
From: 服部 一郎
Sent: Wednesday, April 04, 2012 8:54 AM
To: civilsocietyforum21 at yahoogroups.jp ; cml at list.jca.apc.org
Subject: [CML 016147] みどり派は橋下市長を評価?
服部です。

みどりの未来のホームページに元共同代表で尼崎市長を勤めている稲村さんが行った対談を掲載した朝日新聞の記事を紹介しています。

http://site.greens.gr.jp/article/54694027.html

その中で稲村さんは大阪の橋下市長を評価し政治的なキャッチボールを望んでいるかのように発言しているように僕は感じました。
市長就任後、デマや違法行為で徹底的に労働組合を攻撃し、なおかつ公共サービス沖利下げなどを堂々と公言し実行できるような人物と政治的に提携できるとでもみどり派の人たちは考えているのでしょうか?みどり派は新自由主義と近い立場に実はあるのか、詳しく検証されている方がいるのであればぜひ教えてください。よろしくお願いします。
━━━━━━━━━━━━Original Message The end━━━━━━━━━━━━ 



CML メーリングリストの案内