[CML 012497] 浅井基文さん(政治学者)の5日の日本記者クラブでの志位講演の評価 瓢箪から駒であってほしい

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2011年 10月 11日 (火) 17:21:12 JST


先に私は「原水禁統一問題を脱原発運動の転換軸と見る朝日新聞記者の視点と赤旗記者の問題意識
の欠如にみる報道の落差」(10月6日付)という記事を発信し、そこで5日にあった日本記者クラブでの共
産党委員長の志位氏の講演の内容を報じる朝日新聞と赤旗の記事の比較をして原水禁運動統一問題
に関してある種の問題提起を試みたのですが( http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-349.html )、
現在の原水禁運動の分裂を深く憂慮し、長年一日でも早いその統一を呼びかけてこられた今年の3月
まで広島市立大学広島平和研究所所長だった政治学者の浅井基文さんがやはり5日の志位共産党委
員長の講演を報じる6日付け(インターネット版は5日付)の朝日新聞記事に注目し、ご自身のホームペ
ージに「脱原発を目指す上での新しい動き(?)」というクエスチョンマークつきの下記のような論評を書か
れていています。

ご紹介させていただこうと思います。

浅井さんの論評を読んで、朝日新聞記者が原水協と原水禁の統一・協力問題を記事にできたのに、な
ぜ赤旗記者は記事にすることができなかったのかの私のクエスチョンの一端が理解できたような気がし
ました。

浅井さんがおっしゃるように志位委員長のこの問題での発言は司会者(記者)の質問に答える形の受
身のもので、「朝日新聞が書いているようには明確に原水禁運動の協力にまで積極的に踏み込んだも
のとは」私にも「受けとめられませんでした」(朝日紙は「原水協や原水禁の流れがあっても、協力がで
きたらなというのが私たちの願いだ」とカギカッコつきでこの問題での志位委員長の発言が真であるか
のような体裁で書いていますが、ビデオで私も確認しましたが同委員長はそういう発言はしていません。
この点、朝日新聞記者のミスリードです)。「もし、この発言に共産党が重きを置いているのであれば、
赤旗の紙面でも取り上げていたはずだと」私も「思います」。

しかし、記事の内容は正確な引用という点で朝日新聞記者のミスリードではありますが、同記者の問
題視点は誤まっていないと思います。瓢箪から駒ではありませんが、ミスリードがかえって幸いして福
になることを私は期待したいと思います。

以下、浅井さんの論評です。

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■脱原発を目指す上での新しい動き(?)(浅井基文 2011年10月8日)
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2011/index.html

 10月6日の朝日新聞に「原水協と原水禁「協力を」 共産・志位委員長が期待」という見出しの興味ある
記事が載っていました。それは、共産党の志位和夫委員長が、5日の日本記者クラブでの講演で、「「原
発をなくそうという方向で協力できたら……」と、脱原発で旧社会党系の人たちとの歴史的な対立を乗り
越え、連携する必要があると訴えた」という内容のものでした。

 また、その記事の横には、「発言録」という欄があり、社民党党首の福島瑞穂氏が4日に連合会長・古
賀伸明氏が「原発のない社会を目指す」と発言したことについて、「連合が「脱原発」の政策転換を打ち
出したことは大変大きい」「民主党の支持母体でもあり、政権に影響を与えるものではないか。高く評価
したい」と評価する発言を定例記者会見で行ったことも紹介していました。ちなみに、ネットで検索したと
ころでは。古賀会長は4日の連合の定期大会の席上、「最終的には原子力に依存しない社会を目指して
いく必要がある」と述べたようです。この発言を伝えた記事には、「連合はこれまで原発の新増設推進を
掲げていたが、東電福島第1原発事故を受け方針転換した」という説明もありました。上記福島発言は、
こういう報道を基にしたものと思われます。確かに、これまで原発推進路線だった連合が「脱原発」に方
向転換したとすれば、連合の強い財政的影響力のもとにあった日本原水禁としてもこれからは気兼ね
なしに脱原発を含む核廃絶をはっきり言えるようになるわけですから、古賀発言は注目に値します。た
だし、ケチをつけるわけではありませんが、報道ぶりを見る限りでは、古賀氏の発言はそれほど歯切れ
がいいものではなく、「最終的には原子力に依存しない社会を目指していく必要がある」というものです
から、手放しの楽観ができるほどのものかどうかはまだよく分かりません。

 とはいえ、日頃から、原水爆禁止運動が分裂していることが日本の核廃絶・平和運動の低迷の大きな
原因となっているという認識を表明してきた私としては、志位委員長及び古賀会長の発言に関するこの
記事は、とても見逃すことのできないものでした。

 しかし、この志位発言があった日本記者クラブでの同委員長の発言を報じた6日付の赤旗には、朝日
新聞が報じた内容は全く触れていませんでした。そこで、日本記者クラブのホーム・ページを見たところ、
志位委員長の発言がYou Tubeで全文納められていることを知り、早速聴取しました。

 そこから分かったことは以下の諸点です。

 まず、志位委員長の冒頭発言で、彼が自らこの問題に踏み込んだ発言をしたということではない、と
いうことです。そうではなくて、質疑に入ってから会場からの質問でこの問題が提起され、志位委員長が
答えたという内容でした。質問者は4つの問題を提起し、その中の一つが原水禁運動について、脱原発
の一点で原水協と原水禁が協力できないのか、という趣旨の質問が提起されたのです。

 これに対する志位委員長の回答は、おおむね次のようなものでした。

  「原発をなくそうという一点で大同団結することは望ましい。(脱原発に関しては)世論の広がりがあり、
  7月7日の明治神宮での集会や9.11の大江健三郎さんなどによる「さよなら原発」集会は、いろいろな
  立場の人々、市民が6万人も集まる大集会となった。私も一参加者として出席したが、1973年の小選
  挙区制反対の時以来の、その時をも上廻る大盛況だった。立場の違いを超えて可能な運動をしてい
  くこ  とが望ましい。」

 You Tubeを聞きながらのメモですので、必ずしも正確ではない部分もあるとは思いますが、いずれにせ
よ、朝日新聞が書いているようには明確に原水禁運動の協力にまで積極的に踏み込んだものとは受け
とめられませんでした。もし、この発言に共産党が重きを置いているのであれば、赤旗の紙面でも取り上
げていたはずだと思います。

 もちろん、私は、以上の志位委員長、古賀会長、福島党首の発言を無視することは適当ではないと思
います。なぜならば、脱原発を願う市民的な声の高まりが彼らをしてこのような発言をせざるを得なくした
ことは間違いないと思うからです。志位委員長は相変わらず、1963年当時の部分核停条約問題にも言
及するなど、日本原水協と日本原水禁との協力促進を考える立場からすれば、「相変わらずだな」と思
わざるを得ないことも口にしていました。しかし、福島の事態を受けて目覚めつつある一般市民の「原子
力平和利用」神話への疑問の高まりがこれまでの原水禁運動に新鮮なエネルギーを送り込む可能性は
あると思いますし、私としては、そういううねりが起こることを期待しながら見守っていきたいと思います。
(10月8日記)
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東本高志@大分
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