[CML 012457] Re: 差別集団・在特会メンバーを有罪とした京都地裁判決の判例評釈

Maeda Akira maeda at zokei.ac.jp
2011年 10月 9日 (日) 10:38:58 JST


前田 朗です。
10月9日


> 国際公法というカテゴリーに不思議な感じを覚えました。


う〜ん、「不思議な感じ」はどこから来るのでしょう。

1)「公法」でしょうか。

国内法にも、公法と私法の区別があります。

公法は、まずは憲法や行政法のことです。つまり、国家権力に直接かかわる法で
す。日本公法学会もあります。私が専攻する刑法・刑事訴訟法も国家刑 罰権に
関するので公法に入ります。

私法は、私益にかかわる、ないし、私人間の法律関係を規制する法です。民法、
商法、民事訴訟法などが私法です。もっとも、私法も、裁判所という国 家権力
が適用しますから、その意味では公法です。

2)「国際」公法でしょうか。

国際法の主体は、第一次的には国家です。国際法International Lawは、国家-間
-法、です。国際連合も、連合諸国United Nations、です。そうした国家間の関
係を直接規制するのが国際公法です。国連憲章、不戦条約、生物兵器禁止条約、
化学兵器禁止条約、さまざ まの国際人権条約など。

他方、国家だけでなく、企業や個人によって、国際的な商取り引き、決済が行わ
れます。私人間の国際的な法律関係を規制するのが国際私法です。国際 結婚・
離婚などもここに関係します。ここでは、A国とB国のどちらの法律を適用する
べきかという形で議論が行われることが多いです。

3)先に紹介した評釈は、実際には、日本刑法の適用に関する判例です。つま
り、国内の公法です。ただ、市民的政治的権利に関する国際規約や人種差 別撤
廃条約に関連します。また、ヘイト・クライムは諸外国に多くの実例があり、
「比較法」が不可欠です(比較法とは、異なる諸国家の法を比較研究 する分野
です)。このため「国際公法」の判例評釈として取り上げられています。

なお、刑法の判例としての評釈は私ではなく、別の刑法研究者が執筆する予定です。




>> 差別集団・在特会メンバーを有罪とした京都地裁判決の判例評釈です。
>>
>> 威力業務妨害、侮辱、器物損壊、建造物親友被告事件(京都地方裁判所平成23年4月21日判決)
> http://hayariki.net/
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