[CML 013427] IK原発重要情報(59)

河内謙策 kenkawauchi at nifty.com
2011年 11月 30日 (水) 11:10:25 JST


       IK原発重要情報(59)[2011年11月29日]

  私たちは、原発についての情報と脱原発の国民投票をめざす市民運動についての情報を発信しています。よろしく、お願いいたします。(この情報を重複して受け取られた方は、失礼をお許しください。転送・転載は自由です。)

弁護士 市川守弘、弁護士  河内謙策

連絡先 〒112-0012  東京都文京区大塚5丁目6番15-401号 保田・河内法律事務所(電話03-5978-3784、FAX03-5978-3706)
Email: kenkawauchi at nifty.com

脱原発の国民投票をめざす会
http://2010ken.la.coocan.jp/datsu-genpatsu/index.html

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            第3回 意見聴取会 を傍聴して

 日本の原発推進派が原発運転再開に執念を燃やしていること、原発運転再開の「理論的正当化」のためにストレステストに取り組み、これをバネに運転再開に突き進もうとしていることは、よく知られているとおりです。
 これまで原子力安全・保安院に提出された大飯原発3号機の第1次ストレステストの報告書は、以下のサイトから入手可能です。
http://www.meti.go.jp/press/2011/10/20111028006/20111028006.html
  大飯原発については、4号機の第1次ストレステストの報告書も提出されています。ご注意ください。
http://www.meti.go.jp/press/2011/11/20111117003/20111117003.html
  伊方原発3号機の第1次ストレステストの報告書は、以下のサイトから入手可能です。
http://www.meti.go.jp/press/2011/11/20111114003/20111114003.html
  これら3基の第1次ストレステストの報告書を受け取って、保安院は、「発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価に係る意見聴取会」というものを始めました。まず、「専門家」による検討を経た、専門家も安全だと言っている、という体裁をとろうというわけです。「専門家」11人のリストは、以下のサイトからアクセスできます。意見聴取会は、すでに2回やられています。
http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/800/29/001/231114.html
http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/800/29/800_29_index/html
  私は、昨日、経済産業省別館1028号会議室で行われた第3回目の意見聴取会を傍聴してきましたので、私の理解しえた限りでの審議の状況を報告させていただきたいと思います。

 昨日の第一議題は、ストレステストの進め方について、でした。
進行役が、保安院推薦の岡本孝司・東京大学工学研究科原子力専攻教授にきまりました。
 保安院が、「第1回意見聴取会における意見とそれに対する考え方」をまとめて提出し、それを認めるべきかどうか、でまず議論が沸騰しました。保安院のまとめでは「想定以上の地震・津波が来ても、福島原発事故のような状況にならないことを技術的に確認する」「地元の方へ説明し意見を伺う方法については別途検討する」「ストレステストは現行の基準に照らして、各プラントが現時点でどの程度の安全余裕を有するか、またその余裕が福島原発事故と同様の事故を防ぐ観点で十分かを確認するもの。別途実施される耐震バックチェックなどにより、想定する地震や津波が変更されれば、それだけ余裕が減少することとなるが、これらの作業は同時並行で進めていく」「テロ等については公開の議論には馴染まないことから、別途検討する」「ストレステストにおいても配管破断事象などは排除されないが、地震と
配管破断などが重畳するかどうかはプラントの特性によるため、個別プラントの議論において検討する。なお、福島原発事故から得られる技術的知見の整理については『東京電力株式会社福島第一原子力発電所の技術的知見に関する意見聴取会』において検討しているが、これまでの知見では地震により耐震設計上の重要度の高い安全系の配管破断が発生していたとの事実は認められない」等となっていました。
 後藤政志委員からは、「ストレステストは何のためにやるのか。安全確保するのが目的でないか。福島の事故で何が起こったのか、それを反映するのが重要ではないか」、 井野博満委員からは、「先日は、ストレステストが有効かどうかを見るため、福島第一原発に適用してみたらどうか、という意見を申し上げ、他の意見からも賛成があった。それなのに、なぜ、しないのか」という意見も出されましたが、「東電の事故収束の負担になる」「三大臣の統一見解に基づくストレステストということで了解したい」ということで、最終的には「整理として了解したい」という岡本孝司委員のまとめにより討論が打ち切られました。これに見られるように、後藤政志委員や井野博満委員の正論を、司会役とこれに同調する少数の委員が強引に討論を打ち切って行ったのが第3回目の意見聴取会の特徴でした。「中立的」と思われる委員の沈黙は、何を意味していたのでしょうか。

 第2議題の大飯原発3号機、4号機の問題については、井野博満委員からは、「単にバックチェックでやったことを繰り返しているだけではないか、本当に余裕を調べるというのであれば、地震波の長さやスペクトルの分析も必要なのにやっていないのではないか」という質問がなされ関西電力の係員も「それはやっていない」と答えたのに、「それはストレステストがやることではない」と横槍が入る始末でした。ある委員の「少なくともボトムラインを示してもらったという点で意義がある」という見解にたいしては、後藤政志委員から「そうではない。[ボトムラインかどうかにふさわしい吟味がなされていない。にもかかわらずボトムラインと考える]そのような考え方が危険なのだ」という批判がなされました。「この意見聴取会は、欧州のやりかたを参考にしながらやっていく」「この会は、新指針による基準値振動を前提にやっていく」「この会はクリフエッジを評価することがミッションだ」ということが繰り返し強調されました。また、関西電力からは、「天正地震によって若狭湾に津波が生じた可能性は低い」「地層全体の試料分析・総合評価を完了するには、1年程度必要と考えているが、約400年前に発生した天正地震による津波の痕跡の有無については、対象とする地層の深度が浅いため、年内を目処に結果をとりまとめ、報告したい」という見解が表明されています。討論は継続ということになりました。

 第3議題の伊方原発3号機についての四国電力の報告は、驚いたことにMOX燃料の使用を前提にしていました。後藤政志委員から「セキュリティという観点から見ると、確実に対策が取られる必要がある。それはむずかしいのではないか」という指摘がなされましたが、四国電力からは「だからこそ、訓練を積み重ねている」という答弁がなされました。伊方原発3号機の問題についても、討論は継続ということになりました。

 全体としての感想を述べてみます。
 まず、原発推進派の驚くべき執念にびっくりしました。全国的な原発推進派の一部は、大前研一のように「転向」しましたが、全体としては、福島原発から何も学ばず、逆に、この間、脱原発派によっていじめられたという怨念を蓄積しているようです。それが、意見聴取会によく現れていました。
 また、「意見聴取会」に大きな期待をいだくことはできないこともはっきりしたと思います。にもかかわらず、井野博満委員や後藤政志委員は奮闘していますし、原発推進派の論理はよくわかりますから、この「意見聴取会」に引き続き注目することは重要だと思います。
 全体としては、年内に結論を出すことは誰が見ても無理ですから、
年内に原発運転再開が決定ということにはならないだろうと思います。しかし、脱原発派の運動のほうは大丈夫でしょうか。急がなければならないと思います。戦後の日本の民衆運動は、受動的であるという特徴がありました(問題が大きくなってから動き始めるのです)。しかし、原発運転再開反対の運動は、先制的に攻勢をかけなければ絶対勝利できない運動です。戦後の民衆運動の悪癖が、現在の脱原発運動にも受け継がれているのではないか、と心配しています。

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                         以上 






  






 












 








  





   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      

 

  

    

 

  

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      

 

  

    

 

  

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 
 



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