[CML 013349] Fw:本日の原子力損害賠償紛争審査会

杉原浩司(Koji Sugihara) kojis at agate.plala.or.jp
2011年 11月 26日 (土) 02:25:36 JST


東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/みどりの未来)です。
25日(金)午後に行われた原子力損害賠償紛争審査会について、阪上武
さん(福島老朽原発を考える会)の報告を転送します。[転送歓迎/重複失礼]

………………………………………………………………………………………

みなさまへ

今日の審査会は、自主避難者等(避難者と残留者)への賠償についての案は出ず、
賠償のイメージと称した文書を元に、賠償の範囲や期間などについて討論しただ
けでした。具体的な額や地理的な範囲についてはほとんど議論はありませんでし
たが、自主避難者と残留者を同額にする、一律一括にする、直後の避難について
は全員、その後の避難については子どもと妊婦に限定する、といったことが話し
合われました。

以下、傍聴しての印象です

非常に問題の多い審査会だったように思います。

一番の問題は、残留者との「同額」にこだわり、生活費の増加や何度も往復する
交通費や子どもや妊婦の付き添いで必要な家族の避難にかかわる費用など、避難
に関わる実費を算入することをせず、一律一括の慰謝料的なものとして、実際に
避難にかかった費用に比べて大幅な減額となる可能性が出てきたことです。

私たちは、避難者にも残留者にも賠償をと主張してきました、まず、私たちは避
難に際して実際にかかった費用についてあくまで「賠償」を求めているのであっ
て、お情け頂戴的な見舞金のようなものを求めているのではありません

また、残留者と避難者が分断することのないよう、バランスのとれた賠償が必要
ですが、それは「同額」ということではないと思います。

避難者にしてみれば、生活費も交通費といったもう既に出て行った出費がありま
す。借金をしている人もいます。費用は、避難区域からの避難者と変わらないで
しょう。これがすべて賠償されるのは当然のことです。これに対し、残留者が追
加で支出した金額は相対的に少なく、「同額」にこだわれば大きなアンバランス
が生じるでしょう。

それに「同額」へのこだわりが、残留者への賠償を引き上げる圧力になる分には
いいのですが、残留者のほうが圧倒的に多いことからも、実際には逆に避難者
への賠償を減額させる圧力となるでしょう。支払い方法を、実費も慰謝料もなに
もかもごっちゃにうやむやにして一括一律うん万円にしてしまおうというのです
からその可能性が大きいと思われます。

これまでは、自主避難者への賠償を認めようとする法律家の委員とこれに抵抗す
る原子力ムラ出身の委員との攻防でした。今回も、賠償の時期をめぐってはその
ような構図がありました(原子力ムラ出身委員は、なんと緊急時避難準備区域を
解除した9月で賠償を打ち切れと主張!)。

しかし、上記の自主避難者の実費の賠償を、残留者と同額にして一括一律にする
ことによりうやむやにしてしまう流れについては、大塚委員と高橋委員を除き、
能見会長を含めたすべての委員が賛同し、しまいには2人の委員も同調してしま
うという構図でした。原子力ムラ出身委員の誰も抵抗していないのに、はじめか
ら妥協の線で走っていて、一体誰に、何に気を使っているのか、事務方なのか、
除染派なのか何なのか、非常に不可解でした

それにしても、同額・一律の根拠は無茶苦茶でした、行政的実務が煩雑にならな
いように(行政的実務ではない!)とか、自主避難者と残留者の区別が難しいと
か(自己申告で済む話!)

自主避難者たちは、お情け的な見舞金など求めていません。委員たちはいったい
意見聴取をどう聞いていたのでしょうか

賠償の期間については、12月までとしその後はまた検討という線が強い感じで
すが、国が除染に2年かかるといっているのですから、最低でもそのくらいの期
間を設定すべきでしょう。

今後の対応については改めて提案させていただきます。

阪上 武(福島老朽原発を考える会)



CML メーリングリストの案内