[CML 013293] 【朝日新聞 社説】「原子力仕分け―まず脱原発を固めよ」「地方議会―原発の議論を興すとき」

uchitomi makoto muchitomi at hotmail.com
2011年 11月 23日 (水) 04:15:33 JST


【朝日新聞 社説】「原子力仕分け―まず脱原発を固めよ」「地方議会―原発の議論を興すとき」
http://d.hatena.ne.jp/byebyegenpatsukyoto/20111122/1321988798


【朝日新聞 社説】原子力仕分け―まず脱原発を固めよ
http://www.asahi.com/paper/editorial20111123.html#Edit1

 深く考える材料にしたいと思って傍聴した人にとっては、消化不良だっただろう。

 行政刷新会議による政策仕分け作業のトップを切って、20日におこなわれた原子力をめぐるやりとりのことだ。

 今回の仕分けは、個別の事業ではなく、中長期的な政策について選択肢を示す「提言型」と銘打った。だが、国会議員を含む仕分け人の指摘は断片的で、誤認や勉強不足としか思えない発言も目立った。

 たとえば、高速増殖炉「もんじゅ」をめぐる討議だ。

 成果の上がらない研究や運営する独立行政法人の不透明な税金の使い方を問題視するのは、当然だ。ただ、「新たな炉に改め、主体も民間企業など別組織に移管する」といった仕分け側の意見は、核燃料サイクルの全体像や、危険性の高い高速増殖炉そのものの問題点を踏まえない乱暴な指摘だった。

 原発が立地する自治体への交付金についても同様だ。原発事故があったからといって、地域振興目的だった使途を、いきなり「安全対策へ絞り込め」と主張するだけで、原発を受け入れてきた自治体が納得するだろうか。交付金問題の抜本的な解決にはつながらない。

 根幹となるエネルギー政策が定まる前に、つまみ食いのように仕分けするのは無理がある。まずは脱原発への道筋を確かなものにする必要がある。

 私たちは、原発を段階的にゼロにすることを提言し、もんじゅだけでなく核燃料サイクル計画からの撤退や、廃炉に向けた立地自治体と政府との話し合いを求めてきた。

 野田政権は、脱原発依存に向けた新たなエネルギー政策を、来夏までにまとめる方針だ。予定通り仕上げることに全力を尽くさなければならない。

 もちろん、仕分け作業が無駄だったわけではない。

 今回の議論で、もんじゅが初発電から20年近く事故続きでほとんど稼働していないのに、維持費だけで年間200億円かかっていることを知った人もいるだろう。交付金についても、財源は毎月の電気料金として徴収されている税金だ。

 公の場での議論が増えることは、原子力政策を「我がこと」としてとらえ直す、いい機会になる。

 仕分けの最後には、経済産業相や環境相、文部科学相らが出席し、エネルギー予算の大胆な組み替えを公言した。政権自らが設定した場での現職大臣の言及だ。口先で終わらないか。こちらも厳しく見守りたい。


【朝日新聞 社説】地方議会―原発の議論を興すとき
http://www.asahi.com/paper/editorial20111123.html#Edit2

 震災と原発事故で延期され、7カ月遅れの実施となった地方選挙が、先週末で終わった。

 福島県議選では多くの候補者が、除染対策や生活再建に加えて「脱原発」を訴えた。1週早かった宮城県議選では、停止中の女川原発のある選挙区で「原発ゼロ」を主張した新顔が、当選したのが目を引いた。

 福島県議会では先月、こんな動きもあった。

 県内すべての原発の「廃炉」を求める請願を、選挙前最後の本会議で採択した。「再稼働は認めない」としてきた佐藤雄平知事の姿勢から、さらに一歩踏み込んだのだ。

 多数派の自民は、前日の委員会では不採択を求めたが、賛成に転じた。選挙を意識したとみられる。県はその後、復興計画に「全基廃炉」を明記する方針を固めた。

 全国に目を転じても、3月以降、原発周辺のまちむらで、議会の意思表明が相次ぐ。

 静岡県牧之原市議会は、10キロ圏内にある浜岡原発の「永久停止」を求める決議をした。

 福井県小浜市議会は、期限を切っての「脱原発」を掲げた意見書を出し、原発が立地する隣の町の議会と、意見交換を始めた。同じ福井でも、高浜原発がある高浜町議会の意見書は「原発を堅持し、再稼働すべし」と国に求めた。

 意見書や請願の採択をめぐって、意見が割れた議会も少なくない。3・11後の地域の未来を原発に託すかどうか、地方議会が真剣勝負の議論を迫られている、いや始めつつある、とは言えまいか。

 これまで、ひとたび原発を受け入れた地域の議会は、その後は「追認機関」になりがちだった。関心は交付金や雇用に集まり、安全確保は国の責任だと片づける。少数の反対意見や危険性への指摘に耳を傾け、調べ、熟議する道すじは十分でなかった。その反省も必要だ。

 住民を巻き込む議論を興し、多様な意見をまとめ、地域の意思決定をする。利害がかかわる周辺のまちとも連携をとる。再稼働の是非や安全協定の見直しなど、目の前に切実な課題がある。住民に近い所にいる地方議員の役割は、重い。

 そもそも原発の運転や電力供給のあり方に対し、自治体が及ぼせる権限は小さい。だが住民の生活に深くかかわることを、国策と独占企業体だけに任せておいてよいのだろうか。

 そうでなくても、地方議会の形骸化がいわれてきた。エネルギー政策に自治をどう取り戻すのか。議会が問われている。 		 	   		  


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