[CML 013181] 八重山教科書:11月17日東京新聞社説

Maeda Akira maeda at zokei.ac.jp
2011年 11月 17日 (木) 10:55:47 JST


前田 朗です。

11月17日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011111702000071.html

沖縄の教科書 柔軟に選べる仕組みを

 沖縄県の離島・八重山地方で来春から使う中学校の公民教科書選びが難航して
いる。教科書 の無償配布をめぐる法律の矛盾が原因だ。地域や学校の意思を直
接くみ取れる仕組みに改めたい。

 小中学校の教科書をどう選ぶかは、教科書無償措置法で定められている。近隣
の市町村にま たがる採択地区ごとに同じ教科書を決める広域採択がよくあるや
り方だ。

 まず市町村でつくる採択地区協議会が吟味し、適切と考える教科書を答申す
る。市町村教委 はそれに従うのが通例だ。

 石垣市、竹富町、与那国町の八重山採択地区協議会は八月、尖閣諸島などの領
土問題の記述 が手厚い育鵬社の教科書を答申した。

 だが米軍基地の問題に冷ややかだとの意見もあり、竹富町は議論が不十分とし
て東京書籍を 選んだ。県教委が一本化を目指し、三市町の全教育委員で協議し
たら東京書籍に軍配が上がり、今度は石垣市と与那国町が反発している。

 対立がこじれた背景には法律の矛盾がある。教科書無償措置法は採択地区内で
は同じ教科書 にするよう求めている。一方、地方教育行政法は教科書を決める
権限は市町村教委にあるとしている。

 広域採択の仕組みには意見の食い違いを収拾する手だてが用意されていないわ
けだ。矛盾を 放置してきた文部科学省の責任は重い。

 そこで文科省が示した打開策が問題をさらにややこしくした。いつもの手続き
通りに答申を 受け入れた石垣市と与那国町には国費で教科書を買い与えるが、
竹富町は町費で賄ってはどうかという。

 これでは義務教育の教科書の費用は国が出すとした無償支給制度が壊れかねな
い。答申にど こまで拘束力があるのかもはっきりせず、竹富町教委の採択権限
のみが侵害されるとの懸念が出ている。

 広域採択は教科書の大量発注で経費を減らしたり、先生の共同研究をやりやす
くしたりして 教育の効率化を図る仕組みだ。地域や学校の意向がそのまますん
なりとは反映されにくい。

 歴史的経緯から沖縄県では尖閣諸島などの領土・領海や自衛隊、米軍基地の問
題には敏感 だ。高校日本史の教科書検定で、戦時中の集団自決の記述をめぐり
抗議する大規模集会もあった。

 異なる考えや価値観を封じ込めがちな広域採択の仕組みは見直すべきだ。地域
の住民や親が 広く参加し、自治体や学校ごとに教科書を選べるようにしたい。
沖縄県にとどまらない全国共通の課題だ。



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