[CML 009714] TPP問題とハーグ条約加盟問題 原発問題とともにいま私たちが考えなければいけないこと

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2011年 5月 19日 (木) 17:41:37 JST


政府が昨日の19日に国際結婚が破綻した後の親権争いの解決ルールを定めたハーグ条約に加盟
する方針を決定したことはご承知のとおりです。

■ハーグ条約、加盟方針を決定へ=政府(時事通信 2011年5月19日)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011051900045
■ハーグ条約に加盟方針 菅政権 19日に関係閣僚会議(朝日新聞 2011年5月19日)
http://www.asahi.com/politics/update/0518/TKY201105180620.html
■ハーグ条約:法務省が来月にも国内法整備諮問(毎日新聞 2011年5月19日)
http://mainichi.jp/select/today/news/20110519k0000m030155000c.html
■政府、ハーグ条約加盟表明へ 実態と隔たり懸念も」(神戸新聞 2011年5月17日)
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/0004073648.shtml

この政府のハーグ条約加盟方針についてあるメーリングリストにある医師から「なんか『あの人』の
思いだけで決まっていってしまいそうな気がします。TPPも、浜岡原発も」と慨嘆する投稿がありまし
たので、次のような応答文を認めました。以下・・・。


私は「『あの人』の思いだけ」というよりも「「『あの党』の思いだけ」とした方がもっと正確な言い方と
いうべきだろう、などと思いますし、また、本来の話題とはずいぶん逸れてしまうレスにもなってしま
うかも、などと思ってもいるのですが、そういうことは兎も角ということにさせていただいて「TPP」(環
太平洋パートナーシップ協定)の話題が出たついでに、ということで・・・・

佐久総合病院(地域ケア科医長)の色平哲郎さんがTPPについて毎日新聞の「これが言いたい」
欄に次のような寄稿をされています。ご参考のために紹介させていただこうと思います。

■これが言いたい:TPPの問題は農業への打撃だけではない(毎日新聞 2011年5月19日)
http://mainichi.jp/select/opinion/iitai/news/20110519ddm004070004000c.html

色平さんは今年に入って新聞や雑誌での発言ばかりでなく、メーリングリスト媒体などにおいて
もTPP問題の問題性について精力的に発言をされ、また情報提供をされているのですが、わが
国のハーグ条約加盟の問題についても上記のの神戸新聞記事(2011年5月17日付)において同
条約加盟は「慎重にすべき」という神奈川県弁護士会の声明が紹介されているほか日弁連も今
年の2月18日付けでハーグ条約の締結に際しては日本政府として「とるべき措置」を明確にした
上で加盟すべしという慎重論としての意見書を発表しています。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/110218.html

このハーグ条約加盟の問題についても色平さんに負けない精力的な発言が望まれますね。とり
わけ子どもたちと母親のために。

以下、色平さんのTPP発言です。

………………………………………………………………………………
■これが言いたい:TPPの問題は農業への打撃だけではない(毎日新聞 2011年5月19日)
http://mainichi.jp/select/opinion/iitai/news/20110519ddm004070004000c.html

◇参加は医療基盤崩壊への道−−佐久総合病院・地域ケア科医長、色平哲郎

 東日本大震災の被災者救済を迫られ、原発事故収束の見通しも立たぬ中、環太平洋パート
ナーシップ協定(TPP)への参加を促す議論が経済界などから出ている。

 日本経団連は4月19日に発表した「わが国の通商戦略に関する提言」で早期参加を訴えた。
だが、TPP参加は被災地の基幹産業である農漁業への打撃だけでなく、医療基盤の崩壊を
通じても国民の苦境に追い打ちをかける恐れが十分にあると警告したい。

 大震災では、地域医療態勢の疲弊が浮き彫りになった。 

 福島県南相馬市では、多くの入院患者が近隣の市町村に移送された。しかし、収容能力に
は限界があり、遠く離れた会津地方や新潟県などに移った人も少なくない。患者と家族が離
ればなれになったケースもある。病院が機能を弱める中、それを補完する在宅ケアの態勢構
築も課題だ。

 国民の命を支える皆保険制度は元々、医療費膨張による財政悪化と医療への市場原理導
入という二つの危機に直面していた。

 TPP参加は「最後の一撃」になりうる。米国が日本に医療市場開放を迫っているからだ。米
国政府が日本に突きつけた08年の年次改革要望書には「医療制度改革で米国業界の意見
を十分に考慮せよ」「米国製薬業界の代表を中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門
部会の委員に選任せよ」など露骨な要求が多く盛り込まれている。

 最大の狙いは、医療側が勝手に値段をつける「自由診療」と公定価格(診療報酬)に基づく
「保険診療」を組み合わせた「混合診療」の全面解禁だろう。混合診療は日本でも一部の先
進医療に限って認められており、現行制度をうまく運用すれば患者の多様なニーズに対応で
きる。

 しかし、混合診療が全面解禁されれば、効果が不確かな保険適用外の薬や治療法を多用
し利幅を広げる動機付けが医療側に生じる。裕福な患者を優遇する医療機関が現れ、製薬
会社も利益拡大のため、あえて薬の保険収載(公的保険の対象とすること)を望まなくなる。

 もうけの薄い農山村地域や救急医療などの分野では医師不足に拍車がかかり、満足に医
療を受けられない国民が増えるだろう。所得による医療格差が大きな問題になっている米国
と同じような状況になりかねない。

     *

 私は、佐久総合病院(長野県佐久市)の院長で農村医学の先駆者として知られた故・若月
俊一先生に師事し、同県南相木村の国保診療所長を98年から10年間務めた。人口約10
00人の同村には鉄道も国道もないが、都市部にとっても貴重な水源を守っている。田畑は
食料を生産するだけでなく、ダムと同じ保水機能で水害や土砂災害を防いでいる。人口は少
なくても、農山村は国土の「背骨」の役割を果たしているのだ。

 TPPで利益を得るのは多国籍化した大企業であり、土地に根ざして生きる人々ではない。
一般庶民にも恩恵をもたらすと考えるのは、あまりにも楽天的であろう。むしろ、TPP参加
は国の背骨を壊す。その影響は都市住民にも間違いなく及ぶ。

 「トモダチ作戦」などで支援してくれた米国の要求は断りにくいという意見もある。しかし、
支援への感謝と国の在り方をめぐる選択は別次元だ。最近は米国や中国でも、日本と同
じ国民皆保険制度を導入する動きがある。世界最速で高齢化が進む日本こそ、50年間
維持してきた同制度を守り育てるべきだ。

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 ■人物略歴

 ◇いろひら・てつろう
 東大中退、世界を放浪後に京大医学部卒。外国人HIV感染者の支援にも携わる。
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東本高志@大分
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