[CML 009547] Re: 私たちはニッポンにいるのですよ

hagitani ryo liangroo at yahoo.co.jp
2011年 5月 12日 (木) 15:05:27 JST


永野さん、河内さん、紅林さん、池田さん、その他のみなさん、萩谷です。
「原発問題についての国民投票に反対する(#2)」で述べられた長野さんのご
意見に全面的に賛成です。

 河内さんは、楽観的な見通しばかりを強調していますが、そこで、楽観論の根
拠を示してはいません。紅林さんは、いろいろご多忙のせいもあるので しょう
が、十分に論理をつくした文面ではないのは残念です。ことは重大なのです。紅
林さんもそれを忘れてはいないでしょうに、書いていることは、 どうやら見当
ちがいの反応です。
 しかし、私がこれを書くのは、両名の見解について意見を差し挟むためではあ
りません。それは後日になるでしょう。
 いまは、べつのことをひとつだけ指摘しておきます。

 池田香代子さんのブログで、山下俊一という政府の御用学者の福島県二本松市
での講演を見ました(当地のネットの事情のため、最後の数分は見られ なかっ
たのですが、おそらく誤解はしていないでしょう)。
 
 山下は、そこで、国が安全基準を発表したことを、「国が指令を出した、だか
ら国民にはそれに従う義務がある」と言っています。
 池田さんは、これを、国民に受忍義務があると説くものだ、と指摘しています
が、私がこの山下発言に感ずる違和感はそれどころではありません。
 もっと大きなカテゴリーエラーです。

 福島の人たちは、逃げたくても、簡単には逃げられません。
 だから子どもに内部被曝をしいることも、宿命としてあきらめるほかない、と
いうのは、やむをえずそうするという当人の決定(ほかに選択肢のない 選択で
すが)です。
 これが義務ですか?
 国が出した安全基準は指令なのですか?
 指令とは命令です。
 「お子さんは砂場で放射性物質を吸い込んで遊んでも安全ですよ」というのは
「そうやって遊んでもかまいませんよ」ということでしょう?
 これが命令ですか?

 だいたい、どこに住むかなんてことは、当人の自由です。少なくとも憲法に従
えばそうです。山下発言はとんでもない憲法違反ですよ。

 こんなものを命令だと思う人たちが福島県ですら多くを占めているのが、日本
の現実なのです。(それを指摘していない池田さんも、連日の多忙で免 疫機能
が低下して、ニッポニズムに感染しているかも。私も違和感を一晩抱えて、朝目
が覚めてやっと気がついた)。

 私は、あんな講演をやった山下が殴られなかったのが不思議です。
 中南米あたりなら誘拐か殺害されています。
 ほかの欧米やアフリカ諸国でも、あるいはアジアの多くの国でも、ブーイング
かその場で暴行を受けるでしょうね。
 イラクで3人の日本人が誘拐されたとき、自己責任が叫ばれ、3人が糾弾を受
け、コリン・パウエル国務長官に「いいことをしに行った人たちを責め てはい
けない」と、たしなめられたのも日本人でした。

 さらに重大なことには、二本松での山下講演の質疑応答では、二番目にたった
質問者が「福島は危険だから逃げてください」と言うと、「質問をし ろ」(お
前の意見なんか言うな)という、総会屋の「議事進行!」みたいなことを言う声
が複数あがりました。
 このときの質問者は、遠くからやってきたことを明かしたので、「反原発運動
のやつが紛れ込んでいる」と警戒されたこともあるでしょう。
 しかし、危ない、逃げられれば逃げたい、という思いは誰しもあったはずなの
に、それを代弁した人間の声を、あんなふうに押さえ込むというのは、 私には
信じがたいことです。
 よそ者が入り込んであれこれ言うのは気にさわるでしょうか?
 いや、一つの条件を挟めば、おおいに信じられます。
 反原発運動はそれくらい(キョウサントーというのと同じくらい)日本では警
戒されているのだ・・・
 加えて言うなら、この抑圧性、権威主義、お上に従順な心性こそが、ニッポン
なのではないでしょうか。

 先日私は、紅林さんがイタリアの例を引いて、楽観論を述べたとき、イタリア
がいかに日本と同列には並べられないのかという例を挙げました。
 しつこいようですが、もう一度、紅林さんの意見とともに貼り付けます。改め
てご検討ください。

 (下記で指摘し忘れましたが、イタリアの原発凍結は、すでに原発廃止の国民
投票があってのことです。そして、そんなイタリア人ですら、ベルルス コーニ
の政権を阻止できなかったのです。)

>> >    
>> >   イタリアでは、チェルノブイリ原発事故を受けて1987年に国民投票で
>> >   原発廃止を決定。しかし現在のベルルスコーニ政権は原発再開方針を
>> >   表明。それに対して、野党は国民投票を求め、憲法裁判所もそれを
>> >   認めて、今年6月に原発についての国民投票を行うことになっていたが、
>> >   福島第一原発の事故を受けて反原発世論が高まり、政府は国民投票
>> >   に敗れることを懸念して、国民投票を待たず、原発再開に関する議論を
>> >   無期限で凍結することを決定しました。
>  イタリアでは、雇用法改悪に反対するひとが、連日300万のデモを行って、法
> 案を撤回に追い込みました。イタリアでは、イラク戦争開戦に反対す る人が連
> 日100万単位で街路に出ました。イタリアでは、イラクに人質になったコリエ
> ラ・デ・ラ・セーラの女性記者の除名嘆願のために、目抜き通 りにビル数回を
> 覆う彼女の大きな写真を掲げて、連日数十万の人がデモをし、ベルルスコーニで
> すら、彼女を迎えに飛行機で飛んで行きました。日本で は3人の人質を小泉が生
> きても死んでもかまわないというように「テロには屈しない」といい、自己責任
> という言葉がはやり、高遠菜穂子さんらは帰国 後も脅迫を受けました。イタリ
> アでは、ローマのコロッセオに大きな照明装置があって、世界のどこかで死刑が
> 減刑されたり、死刑を廃止する国があれ ば、ライトアップして祝います。イタ
> リアではバカンスは1ヵ月くらい当たり前です。これはギニアですら同じで、世
> 界の常識ですが、日本ではたった 2週間の有給だって消化できない人ばかりで
> す。イタリアでは、精神病院は開放病棟が普通です。
>  これでも紅林さんは、日本とイタリアを同列に並べますか? 日本は世界の常
> 識が通らない国だということが、おわかりになりませんか?








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