[CML 009327] 共産党 原発政策を転換か? 共産党のこれまでの主張と吉田万三さんの「脱原発」宣言

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2011年 5月 1日 (日) 21:38:33 JST


福岡では先月の20日から原発廃止を訴える九電本社前での連日の座り込み行動が続いていますが、
私の地元の大分でもこの4月26日に県外勢を含む50人以上の人たちが参集して原発全廃を求める
署名行動と九電大分支社へ玄海・川内原発廃止を求める申し入れ行動が行われました。日頃こうした
たぐいの街頭宣伝やビラ配布は警察の許可なしでも平穏無事に行われているのですが、この日はビラ
配布の終了間際になって警察官2名がビラ配布の申請をしろと言ってきたとのことです(私はこの日は
参加できませんでしたので間接情報ですが)。それだけこの時機の原発全廃の訴えには当局側(九電
及び警察当局)は必要以上に神経質になっている、あるいは神経質にならざるをえない負の状態に置
かれているということだと思います。

ところで、この日の署名行動での署名数は75筆にとどまったことから、ビラ配布時における「原発全廃」
の訴えは街ゆく人々には過激に過ぎたのだろうか、という反省が地元のメーリングリスト上で述べられ
ていました。また、別の参加者からは「『全廃』の訴えは過激でないと思うのですが、『原発がないと電力
不足となる』という行き渡ったプロパガンダを覆すのがいかに困難か、とおりすぎる市民の反応を見て
いたら分かりました」という感想も寄せられていました。「そのプロパガンダに貢献する結果となっている
共産党の志位さんは意見を変える余地はないのでしょうか」とも。

そのある参加者の感想に対して、ある人から「(後述の)志位提言には『原発を止めよ』とはどこにも書
かれていないが、『国際基準プラス震災の教訓を踏まえた新基準ですべての原発を総点検せよ』という
共産党の主張は『原子力技術は、現在の時点では危険きわまりない未成熟な技術」という、共産党の
現状評価とあわせて考えれば、これは順次止めていくという主張」だという反論がありました。以下は、
その反論に対する私の応答文です。同応答文には共産党の原発政策の転換か、と思われる私として
の説も展開していますのでご参考のために本メーリングリストにも転載させていただこうと思います。

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○○さん

共産党のこれまでの「原子力の平和利用推進」という原発政策が「『原発がないと電力不足となる』と
いう行き渡ったプロパガンダに貢献する結果となっている」という××さんのご指摘は重要な指摘だと
私は思います。

この点について共産党及び共産党員はあれやこれやと自己正当化したり、弁解したりするのではなく、
これまでの上記の共産党の主張が××さんのご指摘のとおり原発推進派のプロパガンダに実際に利
用されてきたという重たい事実が存在する以上、これまでの共産党の原発政策の誤り、あるいはいた
らなさ(と、私は思いますが)を率直に認めるべきだろうと私は思います(注)。

注:しかし、共産党の「原子力の平和利用推進」というこれまでの原発政策は1963年の第9回原水爆
禁止世界大会当時の「いかなる国」問題と同根の理論的問題を含んでいるように私には見えますので
その根本的反省は容易ではないだろう、というのが私の見るところです。ちなみに「いかなる国」問題と
同根の理論的問題とは生身の人間の問題よりも同党の理念や政策を優先させる血肉化されていない
楽観的科学主義とでも呼ぶべき同党の論理的志向性を指しています。このことについてつい先頃まで
広島平和研究所所長をされていた浅井基文さんは共産党の「いかなる国」問題への対応に触れて「広
島及び長崎の原爆体験を共産党がどのように踏まえ、自らの政策形成に血肉化しようとしていたのか、
ということを窺わせる内容を見いだすことができない」という問題点を指摘されています。
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2010/345.html

ところで○○さんは地元MLで共産党の原発政策に触れて「(原発をすべてを)『止めよ』と言ってしまえ
ば、『止めて電力供給は大丈夫なのか?』と不安に思っている、国民の半数近くを敵に回すから」云々
と書かれていますが、ほんとうに原発全廃の訴えは「国民の半数近くを敵に回す」ということになるので
しょうか?

私の知っている東京在住のある共産党員の若手弁護士は先にあった東京都知事選と関連させて共産
党の原発政策のあいまいさについて次のような感想を述べています。

「小池さんの選挙で歯がゆかったのは、すっりと脱原発と言い切っているようには聞こえないことです。
安全神話問題から始まり、最後の方になってようやく、自然エネルギーへの転換が出てきます。これで
は現代人のペース・理解力には合わないのではないでしょうか。新聞報道では、ワタミの人の方が反
原発論者で、小池さんの言っていることは要約されるとよく分かりません。/また、東京では連日のよう
に反原発のデモ・行動が行われていますが、赤旗では報道されません。今の反原発の波に乗れなかっ
たことが、敗因の一つではないでしょうか。/ドイツの緑の党の躍進と対照的ですね。」

この若手弁護士は、共産党が「反原発」政策を明確に述べなかったことが都知事選「敗因の一つ」では
なかったかと分析しています。比喩的に言えば共産党が「反原発」政策を明確に述べなかったことが
「東京都民の半数近くを敵に回す」ことになった、と同若手弁護士は分析しているということです。○○さ
んの分析とはまったく逆の分析ということになりますね。

また4年前の東京都知事選の候補者となった吉田万三さんがこのほど「足立革新区政をつくる会」から
東京・足立区長選に立候補されましたが、共産党系の同氏は明確な「脱原発」を掲げての立候補です。

「今回の原発事故は、日本の原発増設計画を根本的にあらためることを求めています。原発をすすめ
てきた電機事業連合会の資料でも、現在の水力・火力発電の能力で、過去最高の電力需要を充分ま
かなえることが分かっています。/安上がりだからと原発に依存するのではなく、石炭・石油発電(火力)
から太陽光発電や風力発電などに国を挙げて計画的にとりくめば、必要な電力をまかないつつ自然エ
ネルギーへの転換を図っていくことは十分可能です。/足立区から脱原発の声を大きくし、私たち自身
がエコロジカルな(資源を節約し自然に優しい)生活に努力し、地域から自然と共生できる社会をつくっ
ていくことが今こそ必要ではないでしょうか。」(吉田万三ホームページ)
http://www.manzo-y.jp/pledge/2011/0428_datu.htm

○○さんも紹介されていた先に発表された(2011年3月31日付)共産党委員長の志位提言では「脱原
発」は明確に述べられていませんでしたが、今回の吉田さんの「脱原発」宣言はこの志位提言を凌い
で「脱原発」が明確に述べられています。もしかしたら共産党本部もやっとのことで「脱原発」に舵を切
ったのかもしれません。いずれにしても吉田さんの「脱原発」宣言が共産党の主流の見解になることを
共産党自身のためにも私は強く望むものですが、○○さんの分析のように完全な反原発は「国民の半
数近くを敵に回す」というように共産党自身が分析しているのであれば、共産党員としての吉田万三さ
んは今回のような「脱原発」宣言をすることはできなかったでしょう。「脱原発」宣言は東京都民、足立
区民の支持を得ることができるという判断があったからこそ共産党は吉田さんという一候補者を通じて
「脱原発」宣言をしたのだと思います。
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2011/20110331hisaisyasien_teigen.html

前回の吉田さんの区長当選は保守分裂による「漁夫の利」当選の側面があったように聞いていますが、
共産党が「脱原発」に舵を切ったことが鮮明になれば吉田さんの当選はいっそう現実味を帯びてくるよ
うに思います。
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東本高志@大分
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