[CML 008659] 3月28日厚労省との交渉報告/あまりにも無責任な厚生労働省(美浜の会HP3.29)

MASUDA Tetsuya masuda at osaka.email.ne.jp
2011年 3月 29日 (火) 22:17:38 JST


大阪の増田です。
美浜の会HPより転載します。
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3月28日厚労省との交渉報告
    人々の不安や苦悩を省みることもない、あまりにも無責任な厚生労働省


◆「『直ちに健康に影響が出るレベル』がどういうレベルかは、厚労省としてははっ
きりしていない」
◆ICRPの集団被ばく線量リスク(1ミリシーベルトを2万人が被ばくすると一人
のガン死リスク)は、「知らない」
◆食品の暫定規制値では、1年で17ミリシーベルトもの被ばくになる
◆食品の暫定規制値では、「後になって健康影響がでるかも知れない」
◆外部被ばくと内部被ばく全体についての被ばく管理は、どこが管轄しているか「知
らない」

                                            2011.3.29 美浜の会

 3月28日、午後2時から30分という限定で、参議院議員会館会議室で、厚生労
働省との交渉を行った。この交渉は、全国168団体が3月24日に共同で提出した
公開質問書「直ちに人体に影響は出ない」の回答を求めて行われた。

 交渉には、関西、九州、首都圏から60名ほどの市民が参加した。
 厚生労働省から出席したのは、医薬食品局食品安全部企画情報課の佐久間課長補佐
と基準審査課の内海係長の二名だった。
 参議院議員福島みずほ事務所の尽力で実現した。大島九州男議員も参加された。

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 公開質問書の内容

1.「ただちに影響がでるレベル」とはどのようなレベルなのか、またその影響とは
どのような人体的影響なのか、具体的に説明してください。
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 回答の最初は、枝野官房長官が記者会見で話した文章を読み上げるだけだった。そ
のため、質問内容にそって、具体的に質疑を行った。

 交渉で明らかになったのは、驚くほどの厚労省の無責任な姿勢だった。重要な点を
紹介する。


●「『直ちに健康に影響が出るレベル』がどういうレベルかは、厚労省としてははっ
きりしていない」

 まず、「直ちに影響がでるレベル」とはどういうレベルなのかと問うた。これに対
しては、「厚労省としてははっきりしていない」と語った。参加者はあまりの回答に
驚き、何回か確認したが、これが役所としての回答だということだった。
 次に「どのような人体影響なのか」については、「ガンの発生リスクがあがる」と
語り、どのようなガンなのかについては、具体的に答えることもなかった。


●ICRPの集団被ばく線量リスク(1ミリシーベルトを2万人が被ばくすると一人
のガン死リスク)は、「知らない」

 放射線の人体影響について、政府はICRP(国際放射線防護委員会)のリスク評
価をもとにしている。ICRPのリスク評価は、しきい値なしの原則(これ以下なら
影響はでないという値はない)で、低線量被ばくについては集団被ばく線量の考え方
でリスク評価を行う。脱毛などの急性障害と違って、低線量でも晩発性の人体影響が
出るという考え方だ。ICRPの集団線量評価では、20人Svで一人のガン死者が
出るとなっている(例えば、1mSvの被ばくを2万人が受けた場合、一人のガン死
というリスク)。
 このICRPの集団線量リスクを知った上で、人体影響について語っているはずだ
。念のために、これを知っているのかと問うた。すると、ICRPの集団被ばく線量
のリスクについては「知りません」と語った。耳を疑うような回答だ。


●食品の暫定規制値では、1年で17ミリシーベルトもの被ばくになると認める

 厚労省は、水や野菜、原乳が高濃度に汚染されていることが明らかになり、3月1
7日に、食品の放射能汚染の摂取限度として、原子力安全委員会が事故時を想定して
定めていた食品に関する「飲食物摂取に関する指標」を暫定規制値として採用すると
発表した。
 枝野官房長官は、この暫定規制値について、「このレベルを一生食べ続けても直ち
に影響はない」と強弁している。では、暫定規制値のレベルで被ばく量はいくらかに
なるのかを確認した。暫定規定値に従えば、飲料水と食品の摂取だけで、1年間で1
7mSvの被ばく(実効線量)になると認めた。
 ・放射性ヨウ素(甲状腺への等価線量で年50mSv)、全身に換算すると年に約
2mSv
 ・放射性セシウム 年5mSv
 ・ウランとプルトニウムはそれぞれ 年5mSv
 これらを合計して、食品だけで年に17mSvになると認めた。一般人の年間被ば
く限度は1mSvである。暫定規制値は、食品からだけで、17mSvもの大量の被
ばくを強要するものである。さらに、この暫定規制値を緩和しようとしている。これ
をやめるよう求めた。


●食品の暫定規制値では、「後になって健康影響がでるかも知れない」

 では、17mSvもの被ばくで、晩発性の健康影響はないのかと問うた。すると「
後になって健康影響がでるかも知れない」と小さな声で答えた。非常にあいまいな表
現ではあるが、後になって健康影響が出ないとは言えなかった。
 事実上、低線量被ばくでも後になって人体影響がでることを認めた発言だ。このよ
うに曖昧にではなく、事故の評価に即して、集団被ばく線量のリスク評価では、晩発
性の人体影響が出ることをはっきりと人々に語るべきだ。


●飲料水や食品からの被ばくが、外部被ばく(空気や土壌から)+空気中の放射能の
吸入による内部被ばくに加算されることは認めた。
このような被ばくの全体について、どこが管理しているのかは「分からない」

 人の被ばくは、飲料水や食品による被ばくに加え、空気や土壌からの外部被ばく、
及び空気中の放射能の吸入による内部被ばくが加算され、全体としての被ばく量にな
ることを認めた。それでは、これら全体の被ばくについてはどこが管理しているのか
と問うた。すると、原子力安全委員会や原子力安全・保安院の名前などを挙げながら
、結局「分からない」との答えだった。
 参加者からは、大気汚染の管轄は厚労省、食品の安全に関する管轄も厚労省、土壌
汚染の管轄も厚労省、被ばく全体の管理は厚労省ではないのかと厳しい声が次々に上
がった。しかし、厚労省側は何も答えることはなかった。
 放射能については全く知識もない。しかし、食品の暫定規定値を決めたり、「人体
に影響なし」などを繰り返している。厚労省は、国民の生命と健康を守ることが最大
の仕事であるはずだ。無責任にも程がある。


●人々の不安や苦悩を省みることもない厚労省

 これが厚労省だった。福島原発周辺の人々、「屋内退避」や避難指示が出ていない
福島原発周辺の人々は、事故から既に2週間以上も被ばくの不安の中で暮らしている
。手塩にかけて育てた野菜や原乳が、原発事故によって出荷制限・摂取制限となり、
農業や酪農に従事する人々はこれからの生活に対する苦悩の中にある。
 厚労省は、このような人々の不安や苦悩を踏みにじり、省みることさえない無責任
さだ。

 交渉参加者は、最後に、「3月28日厚生労働省との交渉を踏まえた要望書」(8
項目)を手渡した。首相と厚生労働大臣宛のこの要望書は、その日の内に、福島みず
ほ議員事務所を通じて、官邸にもFAXで送付した。
 要望書では、住民避難の拡大や、農業・酪農従事者への被害補償、移転補償を行う
こと等を求めている。


●厚労省と官邸に、抗議と緊急要望を送ろう

 無責任極まりない厚労省の姿勢を多くの人々に知らせよう。厚労省と官邸に対し、
抗議の声をあげよう。
 大事故は起こらないと「安全神話」をふりまき推進してきた政府、電力会社、そし
て推進の学者達、これら全ての責任だ。
 緊急要望を送ろう。例えば、8項目の中で、緊急と思われるもの、皆さんの生活に
関係が深いものなど一つの項目についてでも、政府に声を届けよう。

官邸FAX 03−3581−3883
厚生労働省 TEL:03−3595−2341 FAX:03−3501−486
8

(11/03/29UP )

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転載元:美浜の会HP
http://www.jca.apc.org/mihama




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