[CML 008615] 情報の提供お願いします!

Atsushi Itoh atsushi_itoh0320 at yahoo.co.jp
2011年 3月 28日 (月) 07:12:50 JST


伊藤@富山です。

富山のピースウオークMLで
知り合いの研究者の方(行政法学・地方自治法学専攻)
より、以下のメールが届きました(3月25日)。

<以下、メールより一部抜粋>

「3日ほど前に、たまたまテレビをつけましたら、
「東北自動車道等の高速道路の一般車両の通行禁止が
一部区間において解除された」というニュー ス報道が
なされていました(ちなみに、その後24日に全面解除と
なっています)。

場所は確認できませんでしたが、ある高速道路の料金所を
バックに、取材アナウンサーが中継しているところでした。
規制が一部解除になったため、その後方 に見える料金所を
次々と一般車両が通行し、高速道路に入っていく様子が映っ
ておりました。

そのとき、テレビ画面の隅に、料金所の隣り合わせのゲートと
ゲートを分けている部分(上 手に表現できないのですが、
ゲート手前のコンクリートブロックの部分と言えばわかるでしょうか。
ともかくドライバーから確実に見える箇所) に、「とある看板」が
置かれているのを見つけました(手書きのものではありませんでした)。
それには、「国民保護法による交通規制云々」と書いてあるようで
した(私にはそう見えた、ということです)。

私がそれに気がつき、その文字を読んだのは、ほんの2〜3秒の
ことです。
すぐに画面が切り替わってしまいましたし、もともと、看板の全部が
映っていたわけではないので、書かれている言葉の一部を瞬間的に
読むことが できたにすぎません。ですから、これは「不確かな情報」です。
ですが、「国民保護法」という文字は確かに確認しましたし、
「(交通)規制」という言葉もあったように思います。
どなたか、こうしたニュースを目にされ、そのことに気がつかれた方は
いらっしゃらないでしょうか?」

★この件について★
何か情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、
提供お願いします。


〜〜〜〜<以下、メール全文の主要部分の紹介です>〜〜〜〜〜
・・・
こうしたメーリングリストに、不確かな情報を流し、
人心を惑わすような行為をしてはならないのは承知していますが、
今回の東北地方太平洋岸を 中心とする災害にかかわり、
法的観点からどうにも気になることがあるため、メールを送ることに
しました。かなり長文になりますが、お許し願い ます。

それは、今回の地震災害・津波災害・原子力災害と交通規制
(さしあたり高速道路のそれ)に関する事柄です。
こうした災害への行政の対応において、「何やら軍事的な思惑が
働いているのではないかという疑念」についてお話ししたいと思います。

3日ほど前に、たまたまテレビをつけましたら、「東北自動車道等の
高速道路の一般車両の通行禁止が一部区間において解除された」
というニュー ス報道がなされていました(ちなみに、その後24日に
全面解除となっています)。

場所は確認できませんでしたが、ある高速道路の料金所をバックに、
取材アナウンサーが中継しているところでした。
規制が一部解除になったため、その後方 に見える料金所を次々と
一般車両が通行し、高速道路に入っていく様子が映っておりました。

そのとき、テレビ画面の隅に、料金所の隣り合わせのゲートとゲートを
分けている部分(上 手に表現できないのですが、ゲート手前のコンクリー
トブロックの部分と言えばわかるでしょうか。ともかくドライバーから確実に
見える箇所) に、「とある看板」が置かれているのを見つけました(手書き
のものではありませんでした)。
それには、「国民保護法による交通規制云々」と書いてあるようでした
(私にはそう見えた、ということです)。

私がそれに気がつき、その文字を読んだのは、ほんの2〜3秒のことです。
すぐに画面が切り替わってしまいましたし、もともと、看板の全部が映って
いたわけではないので、書かれている言葉の一部を瞬間的に読むことが
できたにすぎません。ですから、これは「不確かな情報」です。
ですが、「国民保護法」という文字は確かに確認しましたし、「(交通)規制」
という言葉もあったように思います。
どなたか、こうしたニュースを目にされ、そのことに気がつかれた方はいらっ
しゃらないでしょうか?

さて、私が何を気にしているかと言いますと、「どうしてここに『国民保護法』が
登場してくるのか」ということです。
国民保護法の正式名称は、「武力攻撃事態等における国民の保護のための
措置に関する法律」です。
「武力攻撃事態等」(この言葉の定義は武力攻撃事態法=「武力攻撃事態等
における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法 律」
でなされていますがここでは省略します)を想定しての「国民保護」をいうわけです
から、国民保護法はいわゆる「有事法制」を構成するもの です。

先ほど述べましたように、私にはテレビ画面に「国民保護法による交通規制…」
と映っていたように見えたものですから、「これはおかしい。交通 規制の根拠法を
まったく取り違えている。『ありえない間違い』だ」と感じられたのです。
のみならず、それと同時に、「いや、『国民保護法』を国民に浸透させるために、
意図的にこうした誤った表示をしているのかもしれない」とか、 「道路管理者で
ある東日本高速道路株式会社が、行政からの指示を受けたときに法律上の
根拠を取り違えて看板に書いてしまったという単純ミスな のかもしれない」といった、 

あらぬ憶測(であればよいのですが)も頭をよぎりました。

ここで基本的な確認をしておきます。

今回のような地震災害・津波災害が起こったときの行政の対応については、
「災害対策基本法」を頂点とする法体系によって定められています。
3月11日には、すでに、国に災害対策基本法上の「緊急災害対策本部」
(本部長は内閣総理大臣)が設置されています。
「緊急災害対策本部」は、いわば「最高ランク」の災害対策本部であり、これが
設置されたのは災害対策基本法において初めてのことです(ちなみ に、
「新潟中越地震」、「阪神・淡 路大震災」や「雲仙普賢岳噴火災害」のときでも、
これより「ワンランク下」の「非常災害対策本部」(本部長は国務大臣)が置かれ
たのみで す)。
ただし、今回の場合は、原子力災害、それもかなり広がりをみせるそれが起きて
いますので、やはり3月11日に、「原子力災害対策特別措置法」 上の「原子力
緊急事態宣言」(「放射性物質又は放射線が異常な水準で当該原子力事業者の
原子力事業所外(…略…)へ放出された事態」(同法2条2号)であることの
内閣総理大臣による宣言)がなされ(同法15条2項)、「原子力災害対策本部」
(本 部長は内閣総理大臣)が設けられました(同法16条1項)。これも史上初の
ことです。
この法律は、災害対策基本法の特別法という性格を持ちますので、この法律に
該当する事態、規定のある事項については、この法律が災害対策基本 法に
優先して適用されることになります。

ちなみに、連日報道されている福島第一・第二原発周辺地域住民への避難の
ための立退き・屋内退避の勧告や指示は、災害対策基本法60条1項・5項
(ただし、原子力災害対策特措法28 条2項による読み替えが行われる―この
意味についてはややこしくなるので省略します)を 根拠に、市町村長または
都道府県知事によって行われていると考えられます。その際、市町 村長・
都道府県知事に対しては、事前に、原子力災害対策特措法15条3項による
内閣総理 大臣の指示 (そうした措置をとるようにという指示)がなされている
ことになります。実際、今回については、その指示がなされております。

さて、ここからが本題。

災害対策本部が置かれるほどの災害時における「緊急措置」としての、
高速道路を含む道路の交通規制(例:通行禁止等の通行制限)については、
 災害対策基本法76条1項が、都道府県公安委員会の権限であると定めて
います。
ただし、今回のように原子力災害対策特措法上の原子力災害対策本部が
置かれている場合には、本部長である内閣総理大臣は、国・地方の行政機関
の長や地方の執行機関(公安委員会はこれにあたる)などに「緊急事態応急
対策」についての必要な指示を行うことができることになっており(原 子力対策
特措法20条3項)、交通規制を含む緊急事態応急対策については、権限および
責任のある機関(交通規制については都道府県公安委員会 ということになります)が、 

(総理大臣の指示がある場合にはそれを受けて)対策措置を実施しなければ
ならないことになっています(同法26条 1・2項。なお、同法28条2項により、
災害対策基本法76条1項の読み替えが行われる)。

今回は、一時かなり広範囲での高速道路の通行禁止が行われました。
全部、東日本高速道路株式会社が管理運営している区間と思われます。
この通行禁止等の制限措置は、関係県の公安委員会が行ったということは
確かです(たとえば、規制全面解除を知らせる警察庁緊急災害警備本部の
 文書→ http://www.npa.go.jp/archive/keibi/biki/traffic/kinkyukotsu.pdf を参照)。 


複数の県の公安委員会が、連携しながら、それぞれ区間を区切って、交通規制を
行ったわけです。
その法的根拠を指摘している行政機関の発表やメディアの報道を今のところ
目にしてはおりませんが、普通に考えれば、災害対策基本法76条1項 を
法的根拠として、当該規制が行われたものと考えられます。場合によっては
原子力災害対 策基本法26条2項を法的根拠として規制を実施する(した)
ということも考えられなくはないのですが、そのとき進行中であった原子力
災害の状 況、原子力災害は現在も進行中であるのに高速道路の交通規制が
全面解除されたこと、原発と高速道路との距離、報道されている放射線の
影響等々 の要素を考えれば、原子力災害対策特措法ではなく、災害対策
基本法上の措置として、高速道路の交通規制が行われたものと考えて
よいでしょう。 そうであるとするなら、それ自体には、問題はありません。

大事なのは、現在起きている災害の状況を前提とすれば、
この法構造のなかには「有事法制」である「国民保護法」の入り込む余地はない、
という ことです。

確かに、「国民保護法」にも、都道府県公安員会に「交通規制等」を行うことを
認める規定(国民保護法155条1項)は存在します。
また、「武力攻撃事態等」における、都道府県知事による住民に対する
避難等の指示の権限(同法52条1項および54条1項)や、「武力攻撃災 害」における、 

市町村長または都道府県知事の、住民への退避(屋内退避を含む)の
指示を行う権限(同法112条1項)なども定められていま す。
さらに、「緊急対処事態」(「武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の
人を殺傷する行為が発生した事態又は当該行為が発生する明白な危険が
切迫していると認められるに至った事態」武力攻撃事態法25条1項)にも、
行政機関がそうした「国民保護」のための措置がとれることも規定さ れて
います(国民保護法172条〜183条)。

たとえば、原子力発電所が、外国からのミサイル攻撃を受けたり
(「武力攻撃事態」)、テロによる破壊の対象となったりして、重大な損壊を受 
 け、
放射能汚染が広がり、多くの国民・住民の生命・身体が脅かされるような事態
(「緊急対処事態」)となれば、「国民保護法」に基づく交通規 制や住民の
避難等の措置が、上に挙げた諸規定を根拠として可能となるでしょう
(あくまで国民保護法を前提とすれば、の話です。同法が憲法違反 か否かという
問題は、ここでは問わないこととします)。

今回の場合は、重大な地震・津波・原子力災害が発生しており、
地震や津波では国民の生命がすでに多く失われましたし、原子力災害
という点では 国民の生命・身体が現在なお相当切迫した危険にさらされて
いる状態であるとはいえ、「国民保護法」が作動する前提となる
「武力攻撃事態等」や 「緊急対処事態」が発生しているとは、とうてい言えません。 

もちろん、現段階で、政府もそのような事態の発生を宣言したり、
認めたりしているわけではありません。

とすれば、私がテレビニュースで見た「国民保護法(による)…交通規制」
という看板は、いったい何だったのか。

念のため、この時期に、どこかの県で国民保護法上の国民保護計画に
基づく「実動訓練」(高速道路を使うそれ。訓練には「図上訓練」と「実動訓練」
とがありますが、ここでは「実働訓練」を問題にすればよいと思われます)
がなされていないか、つまりそうした訓練実施について周知する看 板だった
という可能性がないかを確認してみました。

しかし、内閣官房の「国民保護ポータルサイト」(→これ:http://www.kokuminhogo.go.jp/torikumi 
/kunren/index.html )を見ても、
そうした訓練が行われたという記録はありません
(今後の予定についてはわかりませんが)。

何やら幻でも見た心持ちです。
しかしながら、私が、上記の状態で、高速道路上に「国民保護法…規制…」と
書かれた看板を見たのは事実です。

「自衛隊や警察・消防の災害救助や災害拡大防止のための活動がクローズ
アップされるなか、災害を奇貨とした、きな臭い『有事対応=軍事』作戦
または事実上の訓練なりシミュレーションなりが、国民には知らされることなく、
しかも見えない形で進行しているのではないか。」

私が直感的に危惧を抱いたのはこのことです。あってはならないことですし、
本心は、現段階でそうしたことが行われているということは考えにくいとも
思っているの ですが、「あの看板(に書いてあること)」を全部見られなかった
だけに、本当は何が書いてあったのかを確かめないと、スッキリしない
状態で す。

法的根拠もなしにそうしたことが行われれば、もちろん違法行為
(政府=国の違法行為)です。その場合、日本における「法治主義」を
揺るがす大問題ということになります。憲法の人権尊重主義、平和主義に
反するのではないかという問題も 提起されるでしょう。
これが杞憂であってくれればよいのですが。
また、何か別の、単純な事実や法律関係を私が見落としているということなら、
結果としてはそのほうが好ましいのですが。
どうも気になることではあります。

不確かなことをもとに、長々と書き連ねて申し訳ありませんでした。
これについて、何か情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、
教えていただければ幸いです。

*なお、この文中に登場する法律は、・・・・
電子政府(イーガブ)の「法令データ提供システム」
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/strsearch.cgi で検索すれば、
簡単に見ることができます(印刷も可)。
これは便利ですよ。基本的には、法律以下の政令や省令も
読めますので。内容的にも信頼してよいと思 われます。
・・・・・・・

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(メール抜粋、以上) 



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