[CML 008203] Re: 福島原発事故の幼稚な質問

YAMASAKI Hisataka vfa01742 at nifty.com
2011年 3月 16日 (水) 15:30:28 JST


 永野様こんにちは山崎久隆@劣化ウラン研究会です。
 簡単に説明してみます。なお、このファイルは必要とあらばご自由にお使いくださ
い。


|原子力建屋内になぜ水素がたまったの?

 原発はウラン235やプルトニウム239を核分裂させ、それによって発生
する熱エネルギーで水を蒸気にし、その蒸気でタービンを回して発電します。
このウランやプルトニウムは酸化ウランや酸化プルトニウムの形態で使います。
セラミック状に焼き固めています。つまり素焼き。直径1センチ、高さ1セン
チの円筒状態(ペレットという)になっています。このままだとばらばらにな
るので、このペレットをさや管に入れます。ちょっと大きめのさや管なのです
るする入ります。さや管は中性子吸収反応断面積や強度や加工性能や熱伝導度
や耐酸性など核燃料として必要な性質を勘案してジルコニウム合金で出来てい
ます。燃料被覆管とも言います。原子炉用ジルコニウム合金はとても高価です。
 このジルコニウムは水の中では酸化ジルコニウムの不動態膜に覆われていて
安定していますが、高温になると徐々にジルコニウムと水・水蒸気が反応し始
め、ジルコニウムが水と反応し酸化ジルコニウムと水素が発生します。これが
最も大きな水素発生原因です。水を放射分解すれば酸素と水素にわかれますが、
今回の場合はほとんどがジルコニウム水蒸気反応で、これは発熱反応なのでさ
らに温度を高めます。

|
| 私には、どうしてもこの事がわかりません。また記者も質問していません
|
| どの報道でも、原子炉格納容器が破損しなければ放射性物質が
| 大気に出ないので人体に影響はないとのこと。(これは、炉内で発生した
| 水素も出ないということです)
|
| そして原子炉格納庫は、4気圧に耐えられるように設計されている
| とのこと(原子力資料情報室の記者会見での後藤氏(元東芝設計技師))
|
| 確かに、水素を含んだ水蒸気は放出弁により原子炉建屋外に
| 放出したと報道されています。(あくまでも建屋外です)
|
| そうするとどこからも、水素が原子炉建屋内に入らないことになります。
| しかし現実には、原子炉建屋内にあった水素による爆発が起きています。
|
| そこで考えられることは、4気圧に耐えられる原子炉格納容器の気密性が
| 悪く水素が建屋内に漏れたこと(火力では、耐圧と気密は分けている)
| 
| 放出弁により原子炉建屋外に放出された水素が、容易に建屋内に入って
| しまう構造上の不備が有ることになります。
|
| それ以外の何らかの不備(考えにくいことですが)
| 
|等しか考えられませんが、どなたかわかる方教えてください。


 水素燃焼及び爆発を起こしている原子炉は1〜4号機ですが、1〜3と4は
分けて考える必要があります。まず1〜3号機です。この場合の建屋内という
のは建屋5階に相当し、最上階に当たります。ここに原子炉内で発生した水素
がどうして集まってきたのかについては、次のような推定が可能です。
ます発生した水素は原子炉から主蒸気配管にながれ、圧力逃がし弁で分岐され
て地下の圧力抑制室(サブレッションチェンバ)に送られます。ここで水蒸気
が水に戻されますので、水素は分離します。気体の水素は格納容器中にたまる
ことになりますが、この中は通常は無酸素状態になっているはずなので燃焼し
ません。
しかし格納容器には外部と貫通する配管トンネルや計装トンネルが沢山あいて
います。さらにあれだけの地震で揺さぶられたので、もしかしたら亀裂が生じ
ているかもしれません。実は格納容器は定期検査中に気密試験を行うのですが、
安定しなかったためにデータを偽装した、などという事件が過去に発覚したこ
とさえあります。その原発が福島第一原発1号機です。内部告発で発覚してい
ます。
このように、格納容器をすり抜けるいろいろなルートから出た水素は軽いガス
なので最上階にたまり、爆発限界に達した後、偶発的に発生した静電気などで
爆発したと考えられます。
 4号機については、使用済燃料プールが格納容器の外にあるため、ここで発
生した水素が燃焼したのならば同様に5階で燃えると思うのですが、実際には
4階で燃えたことに驚いています。
使用済燃料プールは通常、使用済燃料を保管し冷却するための設備ですが、今
回は定期検査中だったため炉内の核燃料を全部入れていました。その数は合計
783体、これだけの燃料が全部吹っ飛んでしまうと1〜3の一つよりも遙か
に大量になります。
プールには当然冷却水補給のポンプや配管がついており、さらに循環して冷却
をする構造になっています。通常は4.5メートルの燃料の上にまだ4メート
ル近い余裕があるはずです。しかしこのプールの水が無くなって、燃料が露出
し、溶け始めているというのですから、プールの底が抜けたか配管が切れたか
でないと説明がつかないと思います。その結果、4階にプール水が漏出したな
らば、水と共に水素が入り込み、それが充満して発火したのかもしれません。
いずれにしろ情報は全く隠されているだけでは無く、東電自身も把握していな
いと思われます。

|
|それと、今回の報道を見る限り、政府も保安員も東電も、事実をありのままに
|伝え、その事実に基づく国民の被害を最小限にするという姿勢は、伺えません。
|本当に残念です。

 事実の隠蔽はそのとおりで、絶望的な気分です。せめてメディアには抗議の
電話は必要でしょう。

|
|私は、原子力事故を見るたび、30数年前だったと思いますが、新聞の2面を
|つかい「原子力が安全なら、都心につくれ」という東京新聞の記事を思い出します。
|
|それ以外にも私の考えていることはありますが、今は被災地の早期の復興を
|
|願うばかりです。 
|


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