[CML 008132] 東日本大震災のチェーンメールと関東大震災の流言飛語

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2011年 3月 14日 (月) 18:25:12 JST


総務省は2011年3月13日にチェーンメールへの注意喚起を呼びかけた。災害時の混乱を利用した流言飛語に警戒することは正しいが、同時に不都合な事実を隠す政府や企業の情報統制にも注意する必要がある。
総務省の「東北地方太平洋沖地震に関するチェーンメール等にご注意ください。」と題する文書では「地震に関連して、チェーンメール、電子掲示板、ミニブログ等で誤った情報が流れています。」とし、「報道や行政機関のウェブサイト等の信頼できる情報源で真偽を確かめ、これらのチェーンメール等に惑わされないようにしましょう。」と述べる。
関東大震災では「朝鮮人が井戸に毒を投げた」などの事実無根のデマが流され、多数の朝鮮人が軍隊や警察、住民が組織した自警団などによって虐殺された。この歴史を踏まえれば無責任なデマを警戒することは正しい。しかし、関東大震災の朝鮮人虐殺は混乱した群衆の自然発生的な暴挙ではなく、官憲の意図、少なくとも容認があったとの見解が主流である。
内務省警保局長は震災後の1923年9月3日に「東京附近の震災を利用し、朝鮮人は各地に放火し、不逞の目的を遂行せん」と各地に打電している。日本政府が率先してデマを流布していたことが実態である。関東大震災の朝鮮人虐殺という不幸な歴史から正しい教訓を導き出すならば「政府の情報宣伝に注意せよ」ということになる。
無責任なチェーンメールとしてマスメディアが槍玉に挙げたものはコスモ石油千葉製油所の炎上についてのものである。チェーンメールでは「千葉の製油所、製鉄所の火災の影響で、千葉・首都圏では化学薬品の含まれた雨が降ることが予想されます。傘やレインコートの使用をお願いします」などの内容が書かれている。
これに対し、コスモ石油では12日付で「千葉製油所関連のメールにご注意ください」と題する文書を掲載し、「このような事実はありません」と否定した。そこでは以下のように説明する。
「タンクに貯蔵されていたのは『LPガス』であり、燃焼により発生した大気が人体へ及ぼす影響は非常に少ないと考えております。」
コスモ石油の発表を受け、マスメディア各社は「有害物質の雨」をデマ情報として大々的に報道した。しかし、その後も同種のメールは出回っている。記者は、千葉のコスモ石油で働いている方から3月12日18時に警告を受けたというメールを受け取った。3月12日18時となると、デマ情報と報道された後であり、新たに確認された情報と考える人も出るだろう。
チェーンメールはコスモ石油の従業員の話とされているものも多く、それが騙りであるならば、コスモ石油が迅速に否定したことは適切である。一方で政府やマスメディアがデマ情報として過度に敵視することは疑問である。
コスモ石油の発表では「人体へ及ぼす影響は非常に少ない」としており、皆無ではないことになる。仮にLPガスの燃焼で発生する成分が無害であるとしても、それらの成分が大気中に漂う他の成分と化学反応して有害な物質にならないとは誰も保証できない。現実に酸性雨という問題が起きている。雨に注意して、雨に触れないようにすることは酸性雨対策でも主張されている。チェーンメールがコスモ石油などを騙っているならば、その限りでは悪質であるが、内容は誰に迷惑をかけものではない。この点で「朝鮮人が井戸に毒を投げた」のデマとは決定的に異なる。
政府が誠実に危険情報を開示しているかは批判されているところであるが、政府には危険が確認されて初めて危険と発表するという限界がある。それ故に政府が危険としていないということは、危険ではないことを意味しない。各人が自己責任の範囲で予防策を講じることは非難されるべきことでもないし、それを他人に推奨することも否定されることではない。
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『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者 林田力
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