[CML 007999] 非欧米で唯一帝国主義化した日本の失敗:林田力

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2011年 3月 7日 (月) 20:48:02 JST


【PJニュース 2011年3月7日】新興国の発展により、日本の自信が揺らいでいる。本来ならば外需によって発展してきた日本にとって新興国の発展は大きなチャンスである。「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」と宣言した日本国憲法の精神からも喜ばしいことである。それにも関わらず、それが自信喪失の源となるところに一部の日本人の歪んだ自意識が存在する。

多くの日本人にとって、非欧米で唯一近代化に成功した国であることが誇りの源であった。それが新興国の発展によって急速に失われている。象徴的な出来事はGDPの日中逆転である。日本政府は2011年2月14日に2010年の名目国内総生産(GDP)を5兆4742億ドル(479兆2231億円)と発表した。中国は自国のGDPを5兆8786億ドル(39兆7983億元)と発表しており、日本が中国を下回った。

新興国が次々と欧米先進国に肩を並べたとしても、日本だけが19世紀末から近代国家の仲間入りをしたという歴史がなくなるものではない。それ故に、その歴史を美化する日本人は多い。その代表が『坂の上の雲』ブームである。しかし、この歴史は帝国主義国となり、アジアを侵略したという負の歴史でもある。

これまでは近代化には光の側面と影の側面があり、論者の政治的スタンスによって光と影のどちらを強調するかという話であった。ところが、新興国の発展によって、帝国主義化という非道徳的な段階を経ない近代化モデルが提示された。ここにおいて近代化と帝国主義化が一体化した日本の発展モデルは世界史的には失敗事例となる。日本は欧米の欠陥部分をまねてしまった国となる。
http://www.pjnews.net/news/794/20110305_6
近代化と帝国主義化が一体化することの問題点は、自由や民主主義という近代的価値観が消化できないことである。従来の主流派的見解は、権利や人権という言葉のなかった江戸時代と比べれば、明治以降の日本は現代から比べて不十分であったにしても進歩したとする。しかし、それは明治政府によって江戸時代が悪宣伝された結果であり、最近では各方面で江戸時代が見直されつつある(林田力「羽澤ガーデンで現場検証記念フォーラム=東京・港(下)」PJニュース2011年1月29日)。
http://www.pjnews.net/news/794/20110126_4/

富国強兵を掲げ、「お国のために」が最優先とされた明治以降の日本よりも、広範な自治が認められ、政府の規制外では「勝手次第」とされた江戸時代の方が実は欧米流の人権思想に接合しやすい。欧米列強に追いつけ追い越せと坂の上を駆け上がった明治以降の歴史は自由と民主主義を求める日本人のお荷物である。【了】
-- 
『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者 林田力
http://book.geocities.jp/hedomura/
http://hayariki.webnode.com/


CML メーリングリストの案内