[CML 010484] 口頭主義を生かしたシモキタ裁判第21回口頭弁論

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2011年 6月 30日 (木) 19:33:44 JST


【PJニュース 2011年6月30日】東京都世田谷区の下北沢の住民が都市計画道路の事業認可の差し止めを求めた裁判の第21回口頭弁論が28日、東京地方裁判所103号大法廷で開催された。

シモキタの愛称で知られる下北沢は迷路のような路地や庶民的や劇場、個性的な店舗で知られた街である。この下北沢に道路(補助54号線)や駅前ロータリーなどの開発計画があるが、住民や商店主らは無駄な公共事業の典型であり、下北沢の街並みを破壊すると反対する。

住民らは2006年8月に市民団体「まもれシモキタ!行政訴訟の会」を結成し、同年9月に東京地裁に提訴した。被告は国と東京都であるが、世田谷区が参加人になっている。

口頭弁論の冒頭では国が提出した証拠「東京都市高速鉄道網図」(乙第5号証の2)の原本提出が議論された。この証拠は写しとして提出されたが、そこには紙片を貼り付けて記載された形跡があった。この形跡があることは国も認めている(国準備書面(10)4頁)。この点について住民側は乙第5号証の2が改ざん・捏造された可能性があるとして、原本の提出を要求した(原告準備書面(35)6頁)。この要求に対して口頭弁論では次のようなやり取りがなされた。

国側代理人「次回期日に証拠の原本を持ってくる」
住民側代理人「証拠を確認するために時間をいただく」
国側代理人「役所に設置しなければならないものなので、その期日の確認はいいが、持ち帰りはできない」
住民側代理人「まず見せてくださいよ」
こうしたやり取りのあと、川神裕裁判長が「次回期日に確認のための時間をとる」とまとめた。

続いて、住民側代理人の斉藤驍弁護士は次のように住民側の主張を論述した。
「統一地方選挙後半戦で大型開発の見直しを掲げる保坂展人氏が世田谷区長に当選するという画期的な選挙結果が出た。保坂区長は徹底した情報公開を掲げている。世田谷区は下北沢の都市計画決定などについて様々な資料を持っており、進んで情報公開すべきである。世田谷区が姿勢を変えることが保坂区長の願いでもある」
http://www.pjnews.net/news/794/20110629_6
同じく住民側代理人の石本伸晃弁護士は駅前ロータリーの面積算定の不合理性を論証。世田谷区は「バス軌跡検討図」(丁第46号証)に基づいて駅前ロータリーの計画を立てたと主張する。そこではバスは全長12m、幅2.5m、前輪軸と後輪軸の距離6.5mとされている。

ところが、「実際に下北沢を通る路線バスは全長8.99m、幅2.3m、前輪軸と後輪軸の距離4.4mで、はるかに小さい」と石本弁護士は指摘する。

「世田谷区は実際には走行していないバスの仕様を基準にして、過大な軌跡図を作成し、交通広場の面積を水増しした」というのだ。

口頭弁論は口頭主義、つまり主張立証は当事者が口頭で陳述するのを建前とするが、日本では形骸化が著しい。当事者が事前に送付した準備書面を「陳述します」と言って終わりにしてしまうことが大半である。その結果、5分程度で終わってしまう口頭弁論が大半だ。意味のある会話は次回期日を決めることだけという口頭弁論も少なくない。

これに対し、シモキタ裁判の口頭弁論は住民側の代理人が1時間以上も陳述する迫力のあるものであった。ここには口頭主義の理念が脈打っていた。【了】
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『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』
http://hayariki.net/


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