[CML 010345] 再論:小出先生の「大人が食べなければならない」、レスポンス

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2011年 6月 22日 (水) 17:39:38 JST


みなさまへ   (BCCにて)松元

《再論:小出先生の「大人が食べなければならない」、レスポンス供

2回目はML[tran]から、トランセンド研究会の藤田朋史さんの投稿を紹介します。

「トランセンド研究会」とは、平和学者ガルトゥングによって設立されたNGOトランセンドの日本における研究、普及と紛争転換の実践を目的とする研究者の集まりです。
http://www.transcendjapan.net/


原文は改行のないものでしたが、文字化けを避けるため改行を施しましたのでご了承ください。

配信者(松元)の意図については、「レスポンス機廚鬚翰ください。


======以下転載======

《小出氏の主張について:根源的な地平で連帯する》

松元保昭さま、みなさま

トランセンド研究会の藤田です。

いつも福島原発事故の情報ありがとうございます。先日、子供を守るために大人や高齢者が汚染食品を積極的に引き受けるべきだとの小出氏の主張に対する批判が引用されていました。私は、その批判には同感するところがあるものの、同時に小出氏の主張の根拠を深く考える必要があるとも思いました。

そして、少し私見を述べてみる必要を感じました。というのは、だいぶ以前になりますが1993年に私は『技術と人間』という雑誌に「事故論としての社会科学試論」という論考を投稿し(当時は会社勤めをしていましたので世田史明というペンネームで)、その中で小出氏の『放射能汚染の現実を超えて』(1992年、北斗出版)から引用して「新しい社会への構図」について論じたことがあるからです。

この書物の中で小出氏は次のように述べていました。「チェルノブイリ事故による汚染食糧の「分配」は原子力の恩恵を受けてきた国々(もちろん、日本も含まれる)こそが負うべきであって、……原子力の恩恵に全く与ってこなかった国々に負わせてはならない。反原発運動が、運動の拡大を目的に、汚染食糧の日本国への輸入拒否に動いたことは決定的に誤りだと私は思う。」

私はこの主張にかなり共感し、「新しい社会」を構成する要素としての「人間」について上の論考の中で、つぎのように書きました。

「人間。ある意味で死に直面した人間である。彼は自分のおかれた現実から逃避するのでなく、むしろそれを直視し、自分の子孫を含む人間の死の可能性を極小化したいと考えるであろう。しかしそうした人間が孤立し、個々バラバラに存在しているだけでは、社会的な力にはなりそうもない。必要なことは、そうした課題を抱えた一人一人の個人が『自らが関わりきれない無数の課題と、根源的な地平で連帯する』(小出裕章『放射能汚染の現実を超えて』)ことである。

ここで言われている『根源的な地平』とは内容的には「各人の身体への権利」と言いかえることが可能であろう。なぜなら身体とは世界共通のものだから。そうした価値意識において生成される新しい社会は、男性と女性、子供と老人、病人、身障者、外国人がすべて対等な存在として共存し得る、世界の多様性を基礎とする社会であろう。」

すなわち、小出氏の主張が一定の説得力を持つためには、一人一人の人間が上述の意味で「根源的な地平で連帯する」ことが不可欠な課題となるでしょう。そして、そのためには汚染に関する全ての事実が明らかになることがどうしても必要です。「放射線計測」という小出氏の仕事の社会的意義はまさにここにあると私は思います。

私は先の論考を次のような言葉で結びました。「新しい社会はある意味で危機の社会である。なぜなら人間の存続そのものが常に危殆に瀕しているからだ。しかし人間は生き続けなくてはならない。そのよりどころとなる社会科学はすぐれて批判的なそれである。社会全体が壊滅的な巨大事故の様相を示している中で、生成する社会科学は、あらゆる既得権益から自由で、徹底的に批判的である。そうした社会科学を<事故論としての社会科学>と呼ぶ時、その性格は最も適切に表現されるように思える。」

因みにここでいう「事故論としての社会科学」は、私の中では「平和学」とまっすぐにつながっています。こうした「平和学」を微力でも作っていきたいと私は願っています。言いたいことが言えたかどうか全く自信がありませんが、ともかく送ってみることにします。

                               藤田明史


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パレスチナ連帯・札幌 代表 松元保昭
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