[CML 010055] 団交拒絶の沢田工業に地域共闘で反撃!

酒井徹 toorusakai2 at excite.co.jp
2011年 6月 7日 (火) 18:08:12 JST


団交拒絶の沢田工業に地域共闘で反撃!
――5/24、県下3か所で抗議・宣伝――
http://imadegawa.exblog.jp/16092439/

■「交渉に応じ、話し合いで問題解決を!」
トヨタ自動車に
自動車内装部品を納入している林テレンプの
下請会社である沢田工業が、
派遣社員の労災問題に関する真相究明や
再発防止・被災者への補償などについての
労組との団体交渉を拒絶している問題で、
被災労働者の加盟する労組・名古屋ふれあいユニオンは
5月24日に愛知県下3か所で抗議・宣伝行動を行ない、
同時に沢田工業の代理人・小谷聖弁護士に
申入れを行なった。
労組側は
「沢田工業は直ちに労組との交渉に応じ、
 話し合いによる問題解決を」と訴えている。

■労災補償は労災保険を使えば終わり!?
沢田工業側は、
派遣会社が労災保険の手続きを
済ませていることを理由に、
「労災補償は終わっている」などと主張している。
しかし、
労災保険は自動車損害賠償保険などとは違い、
被害者側に「落ち度」があっても補償がなされる、
いわゆる「無過失賠償責任保険」である。

労災保険は
労働者側の過失が100パーセントであろうと
0パーセントであろうと、
そうしたこととは関わりなく
一定額の補償がなされる。
そのかわりに労災保険は、
労災被災者の被害を全額補償してくれる保険ではない。
労働者の過失に関わりなく一定額の補償をするかわり、
被害の一部しか補填してくれないのが
労災保険なのだ。

今回の労災事故で、
被害者である日系ペルー人労働者・アルトウロさんに
重大な過失があるとは思えない。
もともとプレス機を作動させる場合は、
労働安全衛生法により、
両手でボタンを押すか、
障害物を感知するセンサーかのいずれかが
なければならないとされている。
アルトウロさんの被災時に
こうした安全措置がなされていたのか、
なされていたならば
それでもなおどうしてこのような事故が起こったのか、
労組側は沢田工業との団体交渉の中で真相究明を行ない、
再発防止策の策定を実現したいと考えている。
だが、
沢田工業は労組との団体交渉に
一切応じようとしないのである。

被災したアルトウロさんは、
「私の使っていたプレスは
 センサーついてなかった。
 ボタンも1つだった。
 事故の後、
 会社はボタン2つにしてセンサーつけたみたい」と
証言している。

もしそうであるならば沢田工業は、
安全基準を満たしていない危険な機械で
アルトウロさんに作業をさせたことになる。
ましてアルトウロさんは、
沢田工業の製造担当のS氏が
間違ってプレス機のスイッチを押してしまったのに
巻き込まれてしまい、
親指をつぶしてしまったのである。
アルトウロさんの側の過失というものは
ほとんどないか、
極めて小さいものであり、
対する沢田工業の側の過失は
きわめて大きいと言わざるを得ない。

アルトウロさんは45歳の働き盛りで症状固定し、
障害等級10級(労働能力喪失27パーセント)と
労働基準監督署から認定された。
「症状固定」ということは、
「この状態が一生続く」ということだ。

アルトウロさんの妻は、
「親指が動かないから
 お皿を洗ってもらっても落としてしまう」と
嘆いている。
裁判所などで用いられる標準的な計算方式によると、
アルトウロさんについては
こうした生涯にわたる労働能力喪失の障害が
1546万2656円となる。
だが、
労災保険から
これまで休業補償などとして支払われた補償額は
460万4814円にすぎない。

さらに、
上記の金額は単純に
「労働能力が喪失して稼げなくなった損害」
だけなのであるが、
それだけではなく、
「事故にあって痛い思いをした」・
「一生障害を抱えて
 不便な生活をしなければならない」ことへの慰謝料が
必要である。
アルトウロさんの場合、
日弁連交通事故相談センターの算定額を基準に
障害等級10級で算出すると、
入・通院慰謝料が220万円、
障害慰謝料が570万円の
合計790万円が必要となる。

つまり、
労働者の側に100パーセント過失があっても支払われる
労災保険の補償だけでは、
アルトウロさんが受けた
生涯にわたる損害を補填するには
1085万7842円足りず、
さらに慰謝料が790万円必要となるのであるから、
アルトウロさんを危険な機械で働かせ、
負傷させた沢田工業は
1875万7842円をアルトウロさんに支払う必要が
あるのである。

もちろん、
そうしたことは労使の話し合いの中で柔軟に、
円満な解決を図るべきものである。
名古屋ふれあいユニオンは、
「当労組は、
 『何が何でも1875万7842円を支払え』というつもりは
 ありません。
 しかし、
  そのための話し合いのテーブルにすら
 沢田工業がつかないと言い張るのであれば、
 今後もこうした事実を広く社会に訴えかけ、
 社会的な関心を高めて
 正義の実現を図るしかありません」と強調する。

■示談交渉への誘い込み図る会社側
沢田工業側は
労組との公然たる団体交渉は拒否しておきながら、
「本件に関して,
 アルトウロさん本人またはその代理人弁護士から
 示談の申入れがある場合,
 当社は協議に応じる意向です」などと言い、
示談交渉への誘い込みを図っている。

しかしそもそも、
一介の非正規・外国人労働者である
アルトウロさん「本人」が、
代理人弁護士までついている沢田工業と
対等の立場で示談交渉をすることなど
到底考えられない。
労災事故に関する目撃者・生産設備なども
全て会社側の手の中にある。

言葉の壁もある。
アルトウロさんは確かに
日常会話には不自由しない程度に日本語ができる。
だが、
複雑な法律知識を前提とする
専門的な会話ができるかとなると
全く別問題なのだ。
個人のままで沢田工業と
対等の立場で権利主張をすることは
困難を極めるのが実情なのである。

また、
代理人弁護士を立てるとしても、
1875万7842円の支払いを求める交渉を委任する場合、
通常は着手金として100万円程度が必要となる。
名古屋ふれあいユニオンは
アルトウロさん夫妻とともに弁護士に相談に行き、
弁護士側も事情にかんがみ
着手金の減額を提案してくれたが、
それでもアルトウロさん夫妻は、
「やっぱりお金かかるね」とため息をついていた。
労働組合を通じて交渉を行ない、
集団的労使関係の中で問題の解決を図れば、
そのような余計な出費を強いられることはない。
沢田工業の不誠実な対応は、
労災被災者であるアルトウロさんをさらに苦しめ、
傷に塩を塗りつけるようなものだ。

また、
労働組合は、
単にこの事件をアルトウロさん一個人の問題として
損害賠償を要求するだけでなく、
職場全体の問題として
真相究明・再発防止策の策定などを要求している。
こうした話し合いを通じて
安全な職場作りが実現できれば、
第2・第3の労災事故を未然に防ぐことができ、
結果として
会社側の負担も軽減することにつながるのである。

名古屋ふれあいユニオン側は、
中央労働災害防止協会(中災防)の安全衛生セミナーを、
労災事故加害者のS氏・
代表取締役の澤田勇雄社長・
沢田工業の安全衛生担当者の3名が受講し、
職場の安全衛生に関する意識を高めることなどを
求めている。

■労組申し入れへの代理人弁護士の対応
名古屋ふれあいユニオンは5月24日に、
沢田工業が代理人に指定している
小谷聖弁護士(名古屋市東区)に申し入れを行なったが、
その対応はかなりひどいものだった。

名古屋ふれあいユニオンは本年2月25日以来
5回にわたる団体交渉の申入れを
沢田工業が拒絶しているために
この申入れに及んだのだ。
にもかかわらず、
沢田工業の代理人・小谷聖弁護士は
「1週間くらい前に来ることを言ってくださいよ」
などと主張して
労組の申入れにまともに向き合おうとしなかった。
(一方で労組側が、
 「では今回はひとまず撤収しますから、
  1週間後にまた来たときには
  きちんとお話し合いの場を持っていただけますか」
 と提案すると、
 小谷弁護士は途端に口をつぐむのである)。

小谷聖弁護士は一貫して
「労災補償は終わっている」との立場を示し、
「団体交渉に応じる義務はないと考えている」と
主張した。
それに対して名古屋ふれあいユニオンは、
住友ゴム工業事件の
大阪高裁判決(2009年12月22日)を示し、
労災認定されて
労災保険上の補償を受けた労働者に対する
補償制度の創設に関する団体交渉の開催を
裁判所が会社側に命じている事実を示した。
ところが小谷聖弁護士は、
同事件が高裁判決にすぎないことや、
最高裁で係争中であることなどを理由に
「先例拘束性がない」などと主張したのである。

しかしそもそも、
確定した判決であろうと最高裁判決であろうと、
日本の裁判所の判決には
先例拘束性など原理的には存在しない。
日本国憲法第76条は
「すべて裁判官は、
 その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、
 この憲法及び法律にのみ拘束される」と明記しており、
地裁の裁判官も高裁の裁判官も
「独立してその職権を行」うものなのである。
最高裁の判例が法律上特別な意味を持つのは、
高裁判決を不服として上告する際、
最高裁判所の判例と相反する判断がある場合は
上告受理の申立てができるというだけである(民事訴訟法318条)。

しかし、
たとえ「先例拘束性」がなくとも、
上級の裁判所の判断は先例として重い権威を持ち、
先例として参照されるのは当然である。
住友ゴム工業事件は高等裁判所における判例であり、
また2009年12月22日と極めて新しい判例である。
最高裁で係争中なのは事実であるが、
だからといって最高裁が
この判決を覆す判断を示したわけではない。
大阪高裁判決がこの事件の、
現時点での最新・最上級の判決なのである。

にもかかわらず沢田工業が、
この判例に反してあくまで
「労災認定されて労災保険上の補償を受けた労働者の
 上積補償の問題は義務的団体交渉事項になりえない」
と主張するのであれば、
それなりの論拠を示さなければ説得力を持ちえない。
しかし、沢田工業は
名古屋ふれあいユニオンの一切の申入れに対して
回答すること自体を拒絶しているのである。

沢田工業の代理人・小谷聖弁護士は
「住友ゴム工業事件と本件は事案が違う」とも主張した。
しかし、
どこがどう違うのかということについては
一切説明しなかった。

一つ一つの事件については個別具体的に事案が異なり、
「全く異なる事案」など二つと存在しないのが当然だ。
しかし、
本件と住友ゴム工業事件の間には、
「労災認定されて
 労災保険上の補償を受けた労働者の上積補償」が
団交事項となるかどうかという部分が共通している。
住友ゴム工業事件大阪高裁判決は
「団交事項になる」と言っているのである。
これについて、
「ここがこう違う。
 だから結論もこう変わってくるはずだ」と
説明することなく、
ただ一般的に
「事案が違う」というだけでは、
自らの主張を正当化する論拠にはなりえない。

■本件報道の削除を強硬に求める沢田工業
小谷聖弁護士は、
「なぜ労組の申入れに対して
 回答すらしないで無視を決め込むのか」との
追及に対して、
「(筆者注:労組が本件に関する)ブログを消せば
 回答は出す(筆者注:=文書回答はする)」と主張した。
しかし沢田工業は、
名古屋ふれあいユニオン役員である筆者の
ブログにおいて報道された記事について
「名誉毀損行為」であると決め付けて
削除を要求しておきながら、
いったいこの記事の
どこがどう間違っているのかということを
何ら具体的に主張しようとはしないのだ。

筆者はもちろん、
沢田工業の名誉を毀損しようと
本件を報道しているのではない。
もし当該記事に誤りがあれば
いつでも訂正する用意がある。
もしも沢田工業の側にきちんと言い分があるのであれば、
それを一切編集することなく
反論をブログに掲載しても
かまわないとすら思っている。

ところが沢田工業は、
筆者のブログ記事の
いったいどこが間違っているのかという問いかけにすら、
「ブログを削除してからでないと回答できない」と
むちゃくちゃなことを言うのである。
これでは、
削除も訂正もできるはずがない。

名古屋ふれあいユニオンは
5月24日の小谷聖弁護士への申入れの最後に、
要請書を読み上げて提出しようとした。
すると小谷聖弁護士は
要請書を読み上げ始めた筆者に対し、
「もっと(筆者注:声を)小さく」と言い、
筆者がこれに従い声を小さくするとさらに
「もっと小さく!」と言い、
筆者がこれに従って
さらに小さな声で読み上げをはじめると、
小谷弁護士はわざわざ筆者から遠ざかかって
遠くからこちらに向き合おうとするのである。
読み上げる声量を極限まで小さくさせておいて、
わざとらしく
(聞こえないように?)遠ざかって対応するというのは、
労組の申入れなど聞くつもりはないという
いやがらせなのだろうか。

ユニオン側が
あまりに程度の低い小谷弁護士の対応に抗議すると、
ようやく小谷弁護士はこちらに向かってきたのだが、
今度は読み上げを行なう筆者の前で
わざとらしく横を向き始めた。

筆者の側が
「どうして横を向くんですか」と抗議すると、
小谷弁護士は「ちゃんと聞いてますよ」と反論する。

誰も「ちゃんと聞いているのかどうか」など
問題にはしていない。
労組の申入れに
わざわざよそ見をしながら対応するという
態度の悪さについて問題にしているのに、
その点については
何の申し開きもしない(できない?)のである。

名古屋ふれあいユニオンの申入れに同行した
友好労組・団体の代表者たちからも、
「あれは本当に弁護士なのか」・
「あまりにもひどすぎる」・
「非常識だ」との声が次々と上がった。

名古屋ふれあいユニオンは
こうした沢田工業・小谷聖弁護士の対応に対して
5月27日に「抗議・申入書」を出し、
6月1日午後6時までに回答するよう求めたが、
6月6日現在返答がない。

■「申し入れで怒り新たに」
「労働組合をこれほどまでに軽視し、
 低劣な嫌がらせで挑発・侮辱する会社になどは、
 負けるわけにはいかない。
 こんな弁護士の陰に隠れて
 責任逃れを図る経営者になど
 絶対に負けるわけにはいかない。
 申し入れ行動を通じて改めて、
 沢田工業の不誠実な対応に怒りを新たにした。
 何としても心ある市民に広く理解と支援を求め、
 交渉の扉を切り開きたい」と
名古屋ふれあいユニオンは言う。
名古屋ふれあいユニオンでは
沢田工業への要請署名などを広く呼びかけ、
交渉の糸口をつかむ方針だ。
(JanJan Blog 5月24日から加筆転載)




氏名:酒井徹
住所:〒460-0024 
    愛知県名古屋市中区正木四丁目5番6号 
     金山センタービル907号
電話番号:090-4901-9364
電子メール:sakaitooru1983 at excite.co.jp
ホームページ:『酒井徹の日々改善』
http://imadegawa.exblog.jp/


CML メーリングリストの案内