[CML 010983] ひとりリーフレット 『シーベルトまじっく』

T. kazu hamasa7491 at hotmail.com
2011年 7月 27日 (水) 19:56:13 JST


ni0615田島です

このたび、

まったく個人製作のリーフレットを造りましたので、

お読みいだだければ、うれしいです。

 

CMLではファイル添付が不可なので、

ご希望があれば、私まで個人メールをください。


 

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シーベルトまじっく
〜放射能・放射線の単位と数〜
(Version.1)
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目に見えず音も匂いもなく、まるで透明人間が忍び寄る。
それが放射線・放射能です。私たち人間は、ウシ君やコウナゴ君と同じように、

放射能を察知する身体能力を何一つ持っていません。

そんな私たちにとって、触覚がわりに危険を知らせてくれる、頼りになる道具

が線量計です。そして線量計の針が示す数字が、「ミリ」や「マイクロ」の

「シーベルト」です。私たちは「シーベルト」で被ばくを心配します。「シー

ベルト」は被ばくから身を守る大切な単位です。

・・・しかし、

内部被ばくが問題になってくると、「シーベルト」を使って被ばくを過小に伝

える傾向も高まってきました。とくに、子どもたちの健康影響を小さく見せか

けるときに、「シーベルト」が使われることも多くなってきました。

「シーベルト」に対する知識は、今までどおりでは足らないかもしれません。

この用語集はそんな気持ちで試作したものです。素人のつくったものですから

不備だらけでしょう。ご指摘くだされば幸いです。(2001年7月)
 

しさく by 安禅不必須山水
http://ni0615.iza.ne.jp/

 

 

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放射能や放射線の単位

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Bq(ベクレル)とは、物質が1秒間に発する放射線の数です。Bqは、放射能

(放射性物質)の量に比例して多くなりますから、放射能の量を表す単位とし

て用いられます。水や食物の汚染は、1kgあたりの放射能濃度であるBq/kgで

示されます。

放射線が物体に吸収されると、分子がイオンに電離され、細胞の遺伝子DNAが

壊されます。人体1kg当たりの吸収エネルギーはGy(グレイ)で示されます。


 放射線の種類には、核反応生成物からのアルファ線(例プルトニウム)、

ベータ線(例ストロンチウム、ヨウ素、セシウム)、ガンマ線(例ヨウ素、

セシウム)と、核反応中に出る中性子線があります。国際放射線防護委員会

(ICRP)では、Gyに放射線の種類ごとの影響係数を掛けてSv(シーベルト)

としています。1kg当たりの生物影響を示す放射線量(線量当量)です。


●β線やγ線では:1Sv=1Gy
●α線では:1Sv=20Gy  ほか

 

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ミリとマイクロ/シーベルト

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●1mSv(ミリシーベルト)=1000分の1Sv(シーベルト)
●1μSv(マイクロシーベルト)=1000分の1mSv(ミリシーベルト)

=100万分の1Sv(シーベルト)

 

私たちが使う線量計は、ガンマ線を1個1個とらえる度にガリガリと音を立

てます。その回数がCPM(1分間当たりのカウント数)です。多くの線量計

はCPMを計測していながら、人体への影響量μSv/h(1時間当たりマイクロ

シーベルト:空間線量率)に自動的に換算して表示します。通常の線量計

ではアルファ線とベータ線は測れません。


mSv/hやμSv/hは、1時間当たり人体1kgに与える放射線影響量ですから、

高いところで測っても意味がありません。現在問題のセシウム137は半減

期30年で、環境中では殆ど減りません。東京近郊で話題の空間線量率

0.2μSv/hは1年間では、
●0.2μSv/h×24(時間)×365(日)=1,752μSv/年=1.752mSv/年 
政府が定めた「線量限度は1mSv/年」を、放射線を体の外から受ける外

部被ばくだけで、かる〜く超過しています。

 

■被ばく量=内部被ばく総量 + 外被ばく総量
がんや遺伝的障害をもたらす確率的な健康リスクは、被ばく経路の違いも、

過去・現在・未来の被ばくも、全てひっくるめた、総量で考えなくてはな

りません。

 

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ベクレルとシーベルト(内部被ばく)

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 内部被ばくで大事なことは、体内のどこに、どんな放射性元素を、どれ

だけの量(何Bqベクレル)取り込んだかということです。しかし、その検

出が難しいのです。検出できれば、BqベクレルからmSv(ミリシーベルト)

に換算します。


内部被ばくが全身に及ぶ場合は、預託実効線量mSv(略して実効線量)を

用います。預託というのは、外部被ばくは一瞬の被ばくですが、内部被ば

くでは、人間の体が放射性物質を一生預かるという意味です。


●預託実効線量mSv=(預託実効線量係数mSv/Bq)×放射性物質の摂取量Bq


預託実効線量係数には、放射能の半減期や体外への排泄期間、大人なら摂

取後50年間、子どもなら摂取後70年間の弱まりながら出る放射線のこと、

などが既に織り込まれています。

 

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大人と子どもで違うシーベルト

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 皆さんは放射性物質を同じBq(ベクレル)摂取しても、体重が違う成人・

幼児・乳児では、影響が違うということに気付いてましたか? ICRP勧告

書でも、また政府が原発事故に備えて作った「原子力施設等の防災対策に

ついて」(防災指針)でも、預託実効線量係数mSvの年齢による違いを定

めています。幼児(1〜4歳)の係数は成人の約5倍、乳児(1歳未満)の係数

は約9倍です。


それなのに、新聞報道は成人の数字だけです。政府や学者の発表がそうだ

からです。放射能・放射線を安全に見せかける意図でしょうか、それとも

幼児や乳児を見捨てるのでしょうか。

 

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ヨウ素は「甲状腺の等価線量」

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 さて、影響の全身平均を表す実効線量mSvの他にもう一つのシーベルト

値があるのはご存知でしたか? 内部被ばくによる放射能が特定の臓器に

貯まるときは、臓器ごとの預託等価線量mSv(略して等価線量)を用いま

す。そうしないと影響を全身に薄めてしまって、間違った評価を下すこと

になるからです。


 放射性ヨウ素131は、体内に摂取した量の20%が甲状腺に沈積し、体

の他の部分には貯まらないとされています。ですからヨウ素131の危険性

を語る時は、必ず甲状腺の預託等価線量mSvを用いなければなりません。

甲状腺1kgに対する放射線の平均影響量です。


 4か月前のことです。コンピュータ予測「SPEEDI」が乳児(1歳未満)

の甲状腺の預託等価線量mSvで表されていたことを覚えていますか? テ

レビで学者たちが「子どもを24時間も外に出しておく親はいない」と騒

いでいましたが、とんでもありません。それは、子どもたちの甲状腺を

防護するため、(⇒)
 
(⇒)「安定ヨウ素剤」をいち早く飲ませる大事な判断の指標だったので

す。SPEEDIは結果が出ていながら10日間も隠され、「安定ヨウ素剤の投

与」は「不安をあおる」という理由で、意図的に約束不履行とされました。


●同じ放射能の量でもシーベルト値はこんなに違う!
乳児(1歳未満)の甲状腺の預託等価線量mSv
=乳児(1歳未満)の実効線量の20倍mSv
 =(同Bq被ばく)成人の甲状腺の預託等価線量の9倍mSv
 =(同Bq被ばく)成人の実効線量の172倍mSv


●外部被ばくでも、子どもは地面に近く体の表面積も体重の割に大きいの

ですから、大人より多く被ばくします。 

 

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水と食物の「ざんてい基準」

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ある講演会でこんな質問がでました。……「放射性セシウムは、1年間の

摂取で幼児・乳児・成人とも『5mSvを超えない』と決められています。

対して放射性ヨウ素は『50mSvを超えない』とされています。ヨウ素に

対しては規制が10倍も甘いのですか?」……      

……答えは「NO!」です。


放射性セシウムは全身の平均値である預託実効線量mSvで決められ、放

射性ヨウ素は甲状腺という臓器への影響が重要なので、甲状腺の預託等

価線量mSvで決められています。同じミリシーベルトでも全く異なる量

です。


 成人・乳児・幼児それぞれ約20倍の差がありますから、放射性ヨウ素

では、「甲状腺の預託等価線量で年間50mSvを超えない」は「実効線量

で年間2.5mSvを超えない」に相当します。

 

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傷つきやすい子ども細胞

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子どもの放射線ダメージが大きい、もうひとつの理由は、放射線への感

受性の強さです。成長ホルモンを盛んに造っている子どもの甲状腺では、

成人よりも細胞の分裂が盛んです。血液をつくる骨髄、伸びる骨や発達

する神経も同様です。DNA(遺伝子)は細胞分裂のとき無防備に近くな

ります。ですから細胞分裂の回数が多い子どもの細胞ほどDNAは傷つき

易いのです。ICRPは放射性ヨウ素が甲状腺に貯まることはシーベルト

に反映させてますが、子ども細胞の感受性は反映させていません。

 

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説明しないのはなぜ?

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 福島県健康リスクアドバイザーの山下俊一教授は、甲状腺の預託等価

線量mSvのことをいっさい説明しないばかりか、実効線量mSvの数値と

混同させ、放射線の身体影響を小さく小さく印象付けることに奔走して

きました。県民の予備健康調査を担当している放射線医学総合研究所の

医学博士たちも同じです。


 シーベルトには、「測れないシーベルト」、「隠されるシーベルト」、

「ごまかされるシーベルト」があります。「正しく怖がる」ためには、

それらも「正しく報せて」くれなくては困ります。「専門家」や「マス

コミ」が怠ったときは、私たち住民みずから「正しく報せる」努力をし

なくてはならないようです。

 

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リスク係数〜おまけ〜

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ミリシーベルトmSvごとに病気がどのくらい増えるかを示すのがリスク

係数です。ICRPは100mSvでがん死者が0.5%増えるとしています。そ

れでは低すぎると、2〜8倍のリスク係数を提唱する国際機関や学者も

います。ストロンチウム微粒子などによる内部被ばくを懸念する欧州放

射線リスク委員会(ECRR)は、内部被ばくによるリスクが、ICRPによ

る計算の数百倍になると警告しています。  《Version.1 おわり》

 

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以上 		 	   		  


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